生産性に特化した人材。カッコいい、ムダがないような気がする。人生を有意義に過ごしてそう。
しかし生産性にこだわりすぎるのは危険。時間を有効活用しようという意思は、時に人生を味気なくする。
「時間の使い方」が上手いのは確かに良いこと。しかし突き詰めすぎると、時間を「道具化」してしまうことにつながるんですね。
今の時間を楽しまずに道具として使う。きっと「より良い未来」が来るはずだと信じて永遠に目の前のニンジンを追い続ける。辿り着けっこないのに。
生産性も大事だけどほどほどに。時間を有効活用しても良いけど、目的化してはいけない。
成果や収入を気にしない「非目標の活動」を楽しむことこそ、人生で与えられた最高の特権なんです。
・意味のない時間を過ごしたくないと思っている
という人にむけて書きました。
最初に結論から!
この記事のまとめ
- 現代人は時間を道具化しまくり、一生来ない「未来」のために今をムダにしてる
- 行動に意味づけをしない、意味のないムダな活動こそ生ける者の特権である
- 「未来のため」だと信じ込み、終わらないレベル上げをし続けるのはNG
記事の前に自己紹介!
・一浪・一留を経て難関国公立大学理系を卒業→大手ブラック企業→超大手企業
・AbemaTVのオファーを受け、ひろゆきと討論しました
・20代で貯金1,200万円達成
・映画・読書・音楽と膨大なインプットから、生活に人生を充実させるノウハウを発信
目の前のニンジンを一生追いかけ続ける現代人
僕は自分のことを比較的時間の使い方が上手い人間だと思ってる。人生を有効活用できていると思ってる。というか思ってた。
社会人になって、すでに5年以上が経過。転職する前の会社はプチブラック。と思いきや、今の会社もそれなりに残業が多い。
- 映画を年間100〜150本観る
- 本を月に5〜10冊は読む
- ブログを4年で550記事執筆
書いた文字数は115万文字以上
他にもありそうですが、数字化できるのはこんな感じ。
と思った方、悔しいが当たってる気もする。
とにもかくにも「時間を有効活用するのが絶対的に正しい」と盲目的に信じて、今までやってきました。
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確かに時間を有効活用して色々なことができた。映画を観たり、読書をしたりと趣味を楽しめた。
しかし仕事などで時間を有効活用しまくっても、そこまで満足感は上がらない。あれもできる、これもできる、そうやってスケジュールを詰め込みまくる。
色々な打ち合わせや会議に片っ端から出る。プライベートでもスキマ時間を有効活用しようと、トイレで用を足す際にも、YouTubeを観る。
時間を1秒たりともムダにしてはいけない。そう思って小忙しくする。しかし、しかし、満足度は上がっていない。こんなに頑張ってるのに。
くらい思い始めてしまう。
生産性を上げて、時間を有効活用して、できることを2倍にする。しかし満足度は別に2倍にはなっていない。2倍しんどいだけ。
きっと僕らは「時間を道具化」しちゃってる。時間をいかに過ごすかが重要だし、それが人生の目的のはず。しかし時間を手段として捉えている。
- 「残業していない時間はお金が発生しない」と考える
- 「全ての空いた時間を自己投資をしないと」と思い込む
- 「時間を有効活用して、何かを得ないと」と自分を追い込む
こういう人はおそらく現代人でいっぱいいる。優秀な人にも多いかも。
今の時間を味わわずにひたすら「時間を道具化」する。「いつか」来るであろう素敵な未来を追い求める。しかし10年経っても、20年経っても状況は同じ。
例えるならポケモンで一生レベル上げをしているイメージ。別にジム戦に行くわけでもない、通信対戦もしない。
ただひたすらにレベルを上げる。レベルを上げても、それが活きてくる未来がない。こんなのはポケモンを楽しんでいない。
限られた時間をどう生きるかが重要
ここ最近で買って一番人生観が変わった本「限りある時間の使い方」。
生産性に囚われ、時間を有効活用しないといけないという呪縛に縛られている人の目を覚ませてくれる一冊。
人生はたった4000週間。タイムマネジメントを極めても、意味がない。そもそも人生でできることは限られてる。
少ない時間でタスクをこなす方法とか、朝早く起きて時間を作ろうとか、そんな小手先のテクニックを超えた次元のことを教えてくれます。
この本で問題視されているのは、先ほども書いた「時間の道具化」。
僕らは今を生きているのではなく、人生の本当の価値を遠い未来に置いてしまう。そしてその未来には辿り着けない。
「いつか条件が揃ったら」とか「いつか素敵な人と出会ったら」とか考える。ちなみに僕は「いつか仕事をやめたら・働かなくて良くなったら」とか考えちゃう。
今の問題や悩みが将来のどこかで解決すれば、そこからは人生は思い通りに生きられる。そうやって僕らは錯覚してる。でも現在を永遠に先延ばししてるだけ。
時間を有効活用しようとするのは考えもので、現在の時間を将来の幸福に向かう代償として見てしまってる。今しか生きれないのに。
他にも個人的に刺さったこの本の教えをまとめてみました。
- 現代人は人生の本当の意味は未来のどっかにあると信じて、「人生のゴールはどこにもない」というツラい現実から目を逸らす
- 将来の価値を最大化しようと努力する限り、「人生には今しか存在しない」という事実を無視できる
- 「今この瞬間にいよう」とする努力は、未来のために時間を道具化するのと本質的には同じ
- 人生から何かを得ようと思わない、何かを取り出し持ち出せる人生の外部なんて存在しない
- できることの少なさを受け入れて、今ここから逃げれないと覚悟するのが大事
自分の今の時間を未来のために先送りしても意味がない。
分かりやすい例を挙げると、アーティストなどのライブ。せっかく生で見れるのに、ライブを延々スマホで撮っている人っていますよね。
って毎回思ってしまう。
いつか未来の自分が見返すかもしれないからライブの動画を撮っておく、見返さない可能性も大きいけど。それよりも今この瞬間に、きちんと見て記憶に刻んでおくべき。
またここで面白かったのは、「今を生きよう」と努力してはいけないということ。実際によく見るアドバイスですが逆効果。
と努力するのは、良いことな気がする。
しかし今の瞬間を最大限に味わうという思いも行きすぎると、経験そのものを覆い隠してしまう。眠ろうとがんばりすぎて、眠れなくなるのと似てるかも。
今の瞬間に対して過剰に意味を求める、これも時間の道具化。
作者のオリバー・バークマンさんも、北極海に訪れた時に、現地民も驚くほどのクオリティのオーロラが見えたんだとか。
しかし今の集中しようとするあまり、なぜか気持ちは空虚に。
と生のオーロラを前にして、感じてしまったらしい。泣ける。
時間に対する正しいアプローチはコレだ!
時間に対して意味づけをしてしまう現代
とか、
とかよく聞く。というか僕もブログに書いてる。なんなら過去に記事にしていたし。
別にこれはこれで良い。科学的に検証されているし、タイムマネジメント術としても覚えておいて損はない。
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しかしここであえて一歩踏み込む。そもそも論で考える。
「休む」という行為ですら、何かしらの理由がないといけない。意味を見つけないといけなくなってる。おかしい、休むのに理由はいらない。
余暇を有意義に過ごそうとするのは、ほとんど義務。仕事といったい何が違うというのか。
かのアリストテレスは、
と言ってる。仰ってる。
余暇を過ごすことに意味づけをするのは、実に反アリストテレス。
ちなみにアリストテレスは「万学の祖」と崇められている。敵に回さない方がええで。
現代に生きる僕たちは、「休みを有意義に使う」とか、「休みを無駄にする」って表現しがち。
休みは将来に向けて何らかの価値を生み出さないといけない。価値を生まなければ、単なる怠惰だと思い込まされている。
という風潮には、断固として中指を立てたい、F**k。
と「限りある時間の使い方」にも書いてあった。
意味なく怠けることも、人間としての尊厳を保つためには、非常に意味のある活動なんですな。
To Doは3つあります
時間を道具化しまくっても意味がない。時間を使って、日々の生活を楽しまないといけない。
時間をどう過ごすべきか?
- あえてムダなことをする
- 「非目標性の活動」を楽しむ
- 行動に意味づけをしない
行動や時間の過ごし方に、意味を求めるからおかしくなる。行動原理は「楽しいから」だけで良い。
僕も現在サイドFIREを目指しています。働かなくてもいい生活を求めて、ゆるゆる頑張ってる。決してガチ勢ではない。
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しかし例えば全てを切り詰めて、ゴリゴリにFIREを目指している人もいる。娯楽費をなくし、好きなことにお金を使わず、とにかく蓄えている。
と意気込んでたりする。こういう話を聞くにつけ、
って思ってしまう。
人生で今している努力の多くは、未来を充実させたり、未来の楽しみを増やすためにしているもの。
だったら今楽しんだ方が良い、遅いか早いかの違い。歳をとってからだと、制限が増えるだけ。
別に前者を選んでも良い。前者を極めまくった結果、資産に余裕が出るとします。
なんでもできるようになったで、やったやん。それではどうなるか。たぶん後者をする、金にならない楽しいことをするはずだから。
僕らはもっとビビらずに、ムダなことをした方が良い。人生のエッセンスは、結局のところムダなことに詰まってる。
「限りある時間の使い方」には、「非目標性の活動」と定義されとる。
好きな曲を聴く。友人と話す。散歩をする。別に何かの目標に向かっているわけではない。
何かを達成するために、あなたはきっとめちゃくちゃ頑張ってる。頑張ってきたし、きっとこれからも頑張っていくと思う。
だからたまには、何かを達成するという目標から離れてみる。ただ散歩するために散歩する時間があると、救いになると思うんですよね。
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未来のために生きてはいけない
昨日と同じ日を1.2倍速で過ごし続ける。過ごして得るであろうモノは、未来へと先送りにする。
キャリーオーバーしまくって、その金額を受け取らないまま歳をとる。昇天、アディオス。
「未来のため」だと信じ込み、終わらないレベル上げをし続ける。しかし一回もバトルの機会はない。悲しいを通り越して虚しい。
将来のために努力するのはもちろん大事ですが、今を犠牲にしてももったいないだけ。
具体的なゴールのない将来への努力は、単なる害悪でしかない。限りある時間を消費してるだけ。
「来月のTOEICで800点とろう」なら良い。目標があるし、そこに向けて今の時間を有意義に過ごすべき。
しかし「いつか英語を話せるようになったら、憧れのニューヨークに旅行に行く」はダメ。具体性がない。いつ終わるねんって話。
それよりもそこらへんの書店で英会話のフレーズ集でも買って、ニューヨークに行ってみる方が良い。
僕自身のどうってことない体験談。小学校低学年の時に、家族でパン作りの教室に行ったことがありました。
パンの生地とレーズンなどの中の具材を与えられ、せっせとパンを作る。生地はパン2つ分。
と考えた僕。ひとつのパンは具材を最低限だけ入れ、もうひとつは残りを全部入れて超豪華にする。
教室が終わり、家に帰りさっそくパンを食べました。食べたのは具材が少ないしょうもない方。
と置いておく。そうすること数日。
結論から書きます。コンサルっぽくいきましょう。数日後に、食べる前に、腐っちゃってました。
バカですね、アホな子供です。さっさと食べておけばよかったものを。
楽しみなんて期限があるのに。享受できる時に味わっておくべきだったのに。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 現代人は時間を道具化しまくり、一生来ない「未来」のために今をムダにしてる
- 行動に意味づけをしない、意味のないムダな活動こそ生ける者の特権である
- 「未来のため」だと信じ込み、終わらないレベル上げをし続けるのはNG
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この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!