人の心が読めるようになりたい!最近強くそう思っているんです。そう思ったきっかけは、筒井康隆の小説「家族八景」を読んだから。
主人公は20歳前後の女性で住み込みのお手伝いさん。(50年前の小説なので、時代が違いますね笑)主人公は、なぜか生まれながらに人の心を読むことができるという能力の持ち主。短編集で、全8家庭に住み込むのですが、まぁクズしか出てこない。(笑)
家族という役割を演じている人達の内面をのぞき込み、様々な問題に発展していきます。描写があまりにもリアルで、人の心が読めるってこんな感覚なんだろうなと。
勿論僕らは人の心を読めませんが、それに準ずることならできるのではと不意に思ったりしました。表情・仕草・目線・声色などから、その人の思考を読み取れるのでは・・・
・面白い小説を読みたい!
・人の心を読める様になりたい!
という人にむけて書きました。
最初に結論から!
- 筒井康隆「家族八景」は、超当たり本
人間の醜さを描ききっている痛快な一冊 - 人間は超能力がなくても、観察力で人の心が読めるはず
- 「人の心は読める」と思い、おざなりなコミュニケーションをなくそう
筒井康隆「家族八景」を読んで人間嫌いになろう!
ありがたいことに、東京で今住んでいる家の近くに図書館があるんです。住民税の元を取るべく、面白そうな本があれば借りて読んでいるそんな日々。
評判になっている本を読んで、そこまでハマらなかったり。逆に、こんな面白い本もっと早く出会いたかったと感じることもあったり。
ピースの又吉直樹の小説「劇場」とかは、話題になっていたし映像化もされていたけど、そこまでハマらなかったな。
そんな本をディグしている中で、たまに出会う超絶面白い本。その一つが、筒井康隆の「家族八景」。50年前の小説なのですが、驚くのがその普遍性の高さ。人間の抱く妬みとか、欲望とか、怒りとかが丁寧に描写されているのですが、全部現代に置き換えれるんですね。
こういう人いるいる・・・
って思わずうなってしまう。というか、この小説を読んでしまうと、世の中に善人なんかいないんだなと絶望してしまいます。(笑)
遅くなりましたが、あらすじを。
18歳の火田七瀬は人の心を読めてしまう精神感応能力者(テレパス)の女性である。高校卒業後、住み込みのお手伝いとなり様々な家庭を転々とする。家族それぞれの内面を読んでしまうことで、行く先々の家庭に亀裂や事件を起こしてしまう。女性として肉体的成熟を迎えて性的な関心を向けられるようになり、20歳を迎える最終話でお手伝いをやめることを決意する。(Wikipediaより)
過去に何度もドラマ化されているみたいですね。最初の画像は2012年のドラマ化のものです。
不倫する夫婦や、隣の家庭を羨ましく思ったり、早期退職した父親を疎ましく思う家族など人間の痛い部分がどんどこ出てきます。日常では見れない人間の暗黒面を見れるのが小説の持っている魅力の一つであるので、読者を裏切らない小説だ、いやはや。
主人公の火野七瀬は人の心が読めるというスーパーメリットを持っているのですが、なかなか生きづらそうではある。遊戯王のペガサスなんかは、人の心が読めるのをいいことにやりたい放題やったのに。(笑)
七瀬ガール、人の心が読めるのに楽しまなきゃ勿体ないデス!!
人の心が読める様になりたい!
この小説では、心が読めることで大変な思いをすることばかり。しかし、それでも人の心を読めるという事は非常に羨ましい。たとえ、人間不信に陥ったとしても。(笑)
でも、メンタリストのDaiGoとか人の心を読むという事に近いことをしている人もいるのも事実。
メンズナックルの人気読者モデルだった塞上リョーマの師匠である、ホストの壱世は女性の心を読めるみたいなことをインタビューで言っていました。実際に、売上げもものすごいことになっていたらしい、良い意味で。
ひ、ひと昔前感がするぜ・・・
テレパシーでもないと、人の心は読めませんが、DaiGoしかり壱世しかり強力な観察眼と経験による鋭い勘を持っているのは事実。おそらく人は人の心の細かな思考までは読めませんが、今どんな感情なのか、何を求めているのかなど大きくは捉えられているのでしょう。
僕も日常生活で心が読めるようになりたいんですね。その人の喜怒哀楽を読めるだけでもいいんです。
観察力と洞察力を磨けば心が読める様になる!
超能力を使わなくても、観察力や洞察力で大枠は捉えられる気がするんです。
ふと思い出したのが、僕の亡くなったおばあちゃんとの思い出。亡くなる何年か前に、倒れたことがありました。当時、確か僕は大学2回生。
その話を聞いて、大学が休講の日に一人でおばあちゃんの家へ。おばあちゃんの家は比較的近所だったこともあったので、電車で向かいました。
ふと、
こういうのって、何か持っていった方が良いよな
と思い、近くのスーパーへ。慣れないことで悩みましたが、とりあえずスポーツドリンクとプリンを購入。
おばあちゃんの家に付き、その2つを渡して穏やかに会話していました。その時に、僕は
(おばあちゃんもいつまでも元気なわけじゃない。今日話すのが最後になっても良い様に、ちゃんと喋ろう)
と思ったんですね。大学の友人との会話はどこか上の空だったり、互いにスマホを触っていたりしていることもありました。そんなことの無い様にしようと思って話していたのです。
すると、あることに気がつきました。スポーツドリンクを飲んでくれていたのですが、2口飲んだくらいで飲むのを辞めていました。
ソファで喋っていて、近くにテーブルもなく、ずっとおばあちゃんはそのペットボトルを手に持ったままでした。顔も何やらしんどそう。
(僕が持っていったから、気を使って飲んでくれたのかも。もしかして、飲み物をがぶがぶ飲める体調じゃないのかもしれない)
そう思った僕は、
おばあちゃん、そのペットボトル冷蔵庫で冷やしてくるね
と言い、受け取りました。すると、おばあちゃんは
よく分かったね。心を読まれたのかと思ったよ。笑
と返事をしたのです。
この話を、この記事を書いていて思い出したんです。人の表情や状態を観察することで、心の中が分かることもあるんですね。
昔買った「顔は口ほどに嘘をつく」という本を再読せねば。奈良の実家にあるですけどね、回収しなくては。。。笑
この本は、人間の表情だったり、顔のパーツの動かし方に隠された本音を解説している恐ろしい一冊。丸ごと頭に入っていれば、絶対に悪用できる。。。笑
大事なのは、 「人の心は読めるものだ」という前提で、接する人たちに真剣に向き合うことでしょう。僕らは人の心や気持ちは分からないものと、最初から諦めておざなりなコミュニケーションをしているのかもしれません。
まとめ
では、最後にこの記事をまとめます。
- 筒井康隆「家族八景」は、超当たり本
人間の醜さを描ききっている痛快な一冊 - 人間は超能力がなくても、観察力で人の心が読めるはず
- 「人の心は読める」と思い、おざなりなコミュニケーションをなくそう
在宅勤務の中で、人と顔を会わせる機会は激減しました。そんな孤独を楽しんではいるのですが。
今後、対面で人と話す際は機会が少ない分、観察しまくって見ようと思います。
ではでは!