世間知らずだった僕は、新卒新入社員として、ブラック企業に入社してしまいました。業務の忙しさもさることながら、人間関係も本当に不満ばかり。
念願かなって転職する運びにはなったのですが、なんだかんだで5年弱は勤務していました。
1ヶ月の残業時間のMAXは95時間くらい。100時間にはギリギリ届かなかったのが心残り。いや、そんなことはないな。

という思いで今回記事を書きました。繁忙期なんか頭がバグりそうだったし、人間関係の下劣の一言に尽きましたが、得たものもあったんです。

・今の会社を辞めたくて仕方ないんだけど・・・
という人にむけて書きました。
新卒新入社員でブラック企業に入ってしまった
クソ会社で5年も働くことになるなんてな
社会人になって1社目に入ってしまった会社を退職する。いやはやここまで長かった。5年弱働いたんです、誰か褒めてほしい。
入社した際に、自分が馴染めなさそうなことに気付き、

と悟る。そして30歳が迫ってきたタイミングで、転職活動を開始。縁と運とタイミングがあって、なんとかキャリアアップの転職ができました。
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という思いも多少なりともあったのは事実。人生は自分の選択で決まるもんだと、この歳になってみてしみじみ感じる。
文化系、体育会系の会社、入るってよ
僕が新卒で入った会社は、非常に社風が強かった。令和になった今でさえ、昭和の香りがこれでもかとぷんぷん匂ってくるような会社。前時代的甚だしい。
とにもかくにも体育会系。中学と高校の部活をどちらも途中で辞めた、そんな僕のような貧弱な人間が入っていい会社ではなかったのです。
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合理性も効率もまるで無視した、極めて昔気質の会社。経営層も生え抜きばかりで、多様性において世間から大きく遅れをとっている企業でした。
残業時間はMAX95時間。過労死ラインと呼ばれている80時間を超えたことも何度もあります。
Dead or Alive、生死をかけた戦いを繰り返していたと言っても過言ではない。
人間関係に馴染めなかった
世の中を探せばもっとブラックな会社は見つかる。やれ外資だ、やれベンチャーだ、あげればキリがありません。
しかしともかく僕にはキツかった。在宅勤務がスタンダードになってから、付き合い残業はなくなりましたが、それまでは特にヒドかった。
「なんであいつはあんなに早く帰っているの?」仕事を早く終わらせても、そんな陰口を叩かれていたこともあったっけ。
仕事もムダが多いし、属人化はしているしで、仕事時間は長い。
おまけに人間関係も目を背けたくなるほど悲惨。憧れられる先輩は数人いましたが、その他は反面教師ばかり。
ブラック企業は人間関係もクソ
人生の悩みは全て人間関係に帰着する
「すべての悩みは対人関係の悩みである」、アドラーはこう言った。いやはや流石です。本当にそう。そうやねん。
すべての道はローマに通ず、すべての問題は人に通ず。僕も会社での一番の悩みは人間関係でした。
私利私欲に走るし、保身のために部下に責任をなすり付けてくる上司も大勢いた。全く論理性に欠ける非建設的なディスしかしてこない老害も大勢いた。
僕自身も人材として不十分なのは自覚はしていますが、それを差し置いても、とにかくダメな人間のお手本を見まくった。

と気付けたのも、この会社に入ったからこそ。
制度とか業務内容とか給与体系とか、多くの切り口で会社を批評することはできる。福利厚生などだけに注目すれば、如実に会社の比較ができてしまう。
でもそうじゃない、そこで会社の真価は決まらない。会社のHPや社内規則など、がっちりと固まっているハード面も確かに重要。しかしその会社の印象を決めているのは、社内の人間関係というソフト面です。
どれだけ大企業でも、売上高が数兆円でも、資金潤沢でも、人がクソならばその会社は結果的にクソ。
My クソ人材ぺディア
僕がいた会社はその業界ではそこそこ上位に位置する大きな会社でした。就活生に対するアンケートでも、「入社したい会社ランキング」でも上位の順位に位置することもしばしば。
内定をもらって入社すると決まった時には、気持ちが高揚したものでしたが、いざ入ってみると理想と現実は違う。
本当にどうしようもない人を数多くみてきました。まぁ僕もどうしようもない人間の一人ではあるのですが。
My クソ人材ぺディア
- 一切具体的な発言がなく、「良い感じにして」という曖昧な指示しかできない管理職
- 実際の成果を全く考慮せず好き嫌いだけでレッテルを貼り、部下の人間関係を膠着させる管理職
- 自分のミスを全て部下に押し付けて、その部下を休職に追い込んだ管理職
- 部下が体調不良を訴え続けるも、揉み消して休職・退職に追い込んだ管理職
- 多くの人が参加する会議で、後輩を何度も罵倒し続ける先輩社員
- 気の弱い人にだけあたりが強くて、厳しい上司にはごりごりに媚びる老害女性
- 酔った勢いで社外の人と暴行事件を起こして警察のお世話になった体育会系出身の先輩社員
まだまだほんの一部。もっともっと危険な社員は身の回りにはいっぱいいました。

マネしたくはない社員とか、逆ベンチマークになるような人にはとにかく数多く出会えた。お手本になる人と出会えるのが財産であるならば、決してお手本にしたくない人と出会うのもまた財産、のはず。
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そもそもの話をすると、会社に馴染めている人・会社で評価させれている人、全てソリが合わなかった。ある意味僕は辞めて当然だったと思う。
いずれは会社に溶け込めるはず、苦手な人たちとも仲良くなれるはず、そうして待っていた。気付けば5年弱経っていた。
20代をブラック企業で過ごした経験、プライスレス
我ながら5年は、よくもった方だと主張したい。言いたいことも言えない5年だった。


ただ「20代は経験」だとも思うんです。今になってみたら、なんだかんだ勤めていて意味があった気はしている。得たものも色々とあった。
まぁカップルが別れ話をして、「楽しいこともあったけどな」ってちょっと感傷的になるのと同じノリ。あくまで一時期の気の迷いだとは思う。
自分が過ごしてきた時間がムダだったと思いたくない、そんな強がりも多分にあるっちゃある。分かってはいるけど、勤めていたメリットを考えてみたい。
ブラック会社に5年勤めて得られたメリット
「何のために働いているのか?」を考える
まさに今ブラック会社に勤めている人。「何のために働いているのか?」と絶え間ない自問自答を繰り返している人。そんな人に、僕から届けたい。


人間はなにが一番ストレスが溜まるかというと、終わりが見えない時やゴールが見えない時。
受付などでただ待つのはイライラするけど、「1時間お待ちください」と言われると、ストレスは減る。
1時間という待ち時間は長いけれど、終わりを知れたことで、「1時間なにをして時間を潰そうか?」と発想を切り替えられる。
これからの1時間をどう充実させるかという、自分でコントロールできる問題に帰着する。ここが大きい。
ブラック会社に勤めるのもそうで、出口を意識するのが大事。
そしてブラック会社に属することで、なにを自分は得られているのかを認識しておいた方がいい。
ブラック企業勤めで得られるメリット
例えば吐きそうになる程まずいジュースを飲まされたとします。
ただ飲まされるのと、「これを飲むことで、胃腸や肝臓の問題が全て解決します」と聞いてから飲むのではまるで違う。
メリットを意識すると、ただの苦行だったものが、意味のある修行に思えてくる。
ということでブラック企業に5年弱勤めて得られたメリットをまとめてみます。
ブラック企業に勤めるメリットとは?
- 貯金が増えた
会社にもよるものの、残業代をある程度出してくれる会社であれば、貯金ペースは早め。 - クソ人材を山ほど見ることができた
最近ではおかしい人を見ても、ほとんど動じなくなった。知は力。 - 理不尽耐性がついた
最近では常識では考えられないことをされても、ほとんど動じなくなった。知は力。(2回目) - 仕事の経験を積めた
ここが最も重要。めちゃくちゃに仕事を振られたおかげで、職務経歴書に書けるラインナップは非常に多くなった。 - 人生の優先順位が分かった
自分は仕事はほどほどにしたい人間なんだと気付けた。F**k 出世。 - ブログを始めることができた
会社の不満が溜まり、このブログを開設。強烈なフラストレーションと現状への不安が、行動を駆り立てた。 - 一人暮らしを始められた
これは完全に僕の場合。転勤が決まり、引越費用も出してもらえて、一人暮らしをスタートできた。
ざっくりまとめると、タフになったし、お金も貯まったし、業務経験も積めましたって感じ。
ブラック企業は業務のタイムマシーン
特に貯金と業務経験がありがたかったかも。繁忙期に遅くまで仕事をしていれば、残業代も出たし、飲み会の頻度も下がった。コツコツと貯金できた。
20代のうちに貯めたかった貯金目標額を28歳で達成。ヘロヘロになりながらも働いたおかげ。
あとは業務経験。仕事に興味はない人でも、市場価値は高くしておいた方が良い。単純に選択肢が増えるから。
キャリアアップの転職ができたのも、やはり職務経歴書の内容が充実していたから。
ブラック企業なんて本来はあってはいけない。しかしあえて褒めてみると、業務のタイムマシーンと表現できるのかも。
年次を重ねていないとできない仕事、ベテランでないと参加できないプロジェクト。そんなん関係ない、人手が足りなくて若手の頃から担当させられました。
30代の仕事を、20代のうちにしていた。ブラック企業はこの時空の歪みが起きている。これが良いことなのか、悪いことなのかはさておき。
「その年齢と年次で、かなり幅広く経験されていますね!」と転職面接を受けた会社の、ほとんどの面接官の人にコメントされたんですね。
たぶんホワイト企業では、こうはいかなかったはず。
若いうちはブラック企業にいても良い
ブラック企業でこそメンタルが培われた
若いうちは経験値が重要。お金がなくても大目に見てもらえるし、失敗してもリカバリーが効きやすい。人生において最も健康的な時期だし、多少無理しても大事には至りづらい。
とにかく経験値を積むことはできたと思う。業務にしても人間関係にしても、修羅場は何度もあったし、イライラしすぎて帰り道に4駅分くらいひたすら歩いた時もありました。
こういう経験が自分の中に根を張り、多少のことでは緊張しないメンタリティを形成できたとは思うんです。
まぁでも、もし就活生の頃に戻ったとする。僕が勤めていたブラック企業と、超大手のピッカピカのホワイト企業をどちらか選べと言われたら、

とはなると思う。それはそれ、これはこれ。読んでくれているあなたには正直でいたい。
ただ自分が勤めていた期間がまるっきりムダってことは絶対にない。いや、もしムダだったら、もはや自我を保てない。
しなくても良い苦労も多かったけれど、していなければ今の自分とは違っていた自分になっていた気もする。
ブラック企業で働く人、全てに敬意を表す

という悩みを抱えている人がいたら、

とはアドバイスできる。
ブラック企業で働くことは別に推奨しない。仕事はほどほどにしたい、なんて人には全くもってオススメできません。
しかしブラック企業で働いていましたという人に出会ったら、無条件に敬意を払いたい。普通の人よりも、経験値豊富な、「面白い」人間であることは間違いないだろうから。
ブラック企業なんて一生働けるところじゃない。でもリターンがない場所でもない。
もしあなたが今勤めている会社がブラックであれば、同世代を尻目に経験値を稼いでいる様を想像して拍手喝采を送りたい。
まとめ
では、最後にこの記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 新卒新入社員で、業務時間も長く、クソ人材も多いブラック企業に入社してしまった・・・
- ブラック企業に勤めたことで、タフになったし貯金もできたし市場価値も高くなった
- ブラック企業に勤めているなら、メリットを意識しながら働くべき
このブログは、僕の実体験、考え、趣向をもとに記事にしている雑記ブログです。会社員をしながら、毎日少しづつ書き溜めています。
この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!