人間の知性って測るのが難しい。外から見ていて、バッチリとは分かりづらい。類稀なる数学の天才でも、認識されなければタダの人。
人が賢いどうかを判断できる材料のひとつが、その人が用いる語彙だったり、使う表現だったりする。
極端な話をすると、手垢のついた表現しか使えないIQ150の人と、多彩な語彙を自家薬籠中の物とする普通の人では、後者の方が賢く見える。
語彙と資産は多ければ多い方が良い。逆に少なかったらその分困るだけ。別に小難し表現は知らなくてもOK。会話の中で出てくるレベルで構いません。
会話の中での語彙を増やすにはどうすれば良いのか。答えは簡単、日常生活で面白かった表現をメモしてストックしておくだけ!
・気付いたら同じような表現ばかり使ってしまう
という人にむけて書きました。
日本語の達人は、驚くほど少ない
母国語なのに、上手く使えていない
身の回りの人で、日本語を上手く使いこなしている人っていますか?僕の周りには、そんなに存在しないかも。
みんながみんな、同じような表現しか使っていない気がするんです。日本語に限らずだと思うんですが、その一語であらゆる範囲を網羅できてしまう言葉ってありますよね。
- スゴい
- ヤバい
- 素敵
- 勝たん
- ぴえん
- わろた
とかでしょうか。あれ、偏見入ってるかな、わろた。反論ある人すいませんね、ぴえん。
というのが僕の持論。別に実際に高学歴なのかも、IQが高いのかも、分からない。それでもあくまで受ける印象としては知性が溢れる。
逆にどれだけ計算能力に優れていたとしても、同じ語句ばかりしか使わない人もいる。これは非常に薄っぺらい人間に思えてしまう。サガミよりもオリジナル。
語彙なんてあればあるほど良い。ただ知ってます・読めるますってだけじゃなくて、適切なタイミングで使えるとなお良い。
僕らは手癖で話している
気にしないといけないのは、書き言葉ではなくて、話し言葉。
書き言葉なら、書いている自分で推敲するので、同じ表現を多用していても気付きやすい。
かたや話し言葉は、無意識のうちに、ずっと同じ言葉をチョイスしてしまうことも多い。
偉そうに書いている僕ですが、気付けば汎用性のある便利な表現を使ってしまってる。なんともダサい。
ライターさんが「手癖で書いてしまった」とか、ギタリストが「前と同じコード進行で作曲してしまった」みたいなもの。
僕らは気を抜くと、平素から慣れている言葉で済ませてしまいがち。手を抜いてはいけません、肩肘の力を抜いて、語彙力を鍛えましょう。
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日本語を最低限話せるだけでは足りない
Great just isn't good enough.
「Great just isn't good enough.(「すばらしい」では足りない)」、これはGoogleの社是。
飽くなき上昇志向。パンチラインすぎる。別に検索順位を上げたくて、媚びてるわけじゃないよ、うん。
これが僕からの提言。
日本語で最低限話せます、日本語で周りの人と意思疎通を図れます、これだけでは不十分。
知っている単語数が1,000語あれば、英会話はできると言われています。きちんと学習して単語を使いこなせたら、意外と簡単に英語で話せる。これは素晴らしいこと。
しかしこれと同じことを、日本語でしてはいけません。最低限の単語だけ覚えて、会話する。これを母国でしたら激ダサ案件。
日常会話は言葉の総合格闘技である
本やなにかの文章を読んでいて、とりあえず問題なく読めるし理解できる。でも読めても書けない漢字って、誰しもいくつかは絶対にある。
これと同じです。意味は知っているけど、自分で使うことができない表現もいっぱいある。
日常生活での自分の会話を思い返してみましょう。同じような言葉ばかり使っていませんか。安易な表現で逃げてはいませんか。
ビジネスメールや報告書に用いられる表現は堅いものばかり。故に種類も少ない。だから使いこせている。
しかし日常会話なんて、もはや言語の総合格闘技。
例えしかり、英語しかり、何を使ってもOK。会話力を上げる、人間力を上げる、その為には様々な語句を使う必要があるんです。
語彙力を上げる秘訣は、表現をメモすること
とにかく気になった表現はストックしよう
会話でも、たまたま見たYouTubeの動画でも、読んだ本でも、聞いていたラジオでも、なんでも構いません。面白いと感じたフレーズは、必ずメモしておきましょう。
僕は手帳に手書きでメモしていますが、別に方法はなんでも構いません。あなたがやりやすい様に、メモしてみてください。
パソコンでExcelに書き込む。スマホのメモ機能に入力していく。使い慣れたものを利用してください。
と後ろ向きに考えている方もおられるかもしれませんが、心配ご無用。
書き忘れても、あまり気にしないでください。日常生活で気になった表現を、「メモしよう」という意識で臨むことにまずは意味があります。
今までは漠然と右から左に聞き流していた言葉に注目し、アンテナを張る姿勢が大事なんです。
メモすることで表現の幅を広げる。少しでも普段の語彙を自分から外すことに焦点を当ててみてほしいのです。
ストックしたら、使うシチュエーションも考えよう
そしてメモする際は、使うシチュエーションもセットで書いてほしい。どんな場面で使いたくなるのかまで記録に残しておく。
カッコつけるなら、必殺技。メモった表現を、ピッタリのシーンで使うことをイメージするんです。
例えば僕なら、手帳にこんな感じでメモしています。
My 表現メモ
- 落合のホームランみたいやな
何かが放物線を描いて飛んでいった時に - 福沢諭吉がいつもより笑っていない
望まないことにお金を使わないといけない時に - ドラクエの村人かと思った
何度も同じ表現をしている人に突っ込む時に - 廃刀令後のサムライ、飛車角落ちの棋士
何かを制限されてしまった時に - 最後の餃子か!
誰かの発言が被って、お互い譲り合っているのを見た時に - みぞおちに来るね
相手の発言がショッキングだった時に - 虫眼鏡で太陽を見てほしい、ストローでホットコーヒーを飲んでほしい
ムカつく人に対してツッコむ時に - もうエリーゼの白しか食べません
何かの制約を自分に課す発言をする時に - もう誕生日やん!
自分の好きなものがいくつも目の前にある時に - 人の心に土足どころかスパイクで入ってる
デリカシーがない発言をしている人に注意する際に
とこんな感じ。今回書いたのはほとんどお笑い寄りですが。
本を読んでいて気になった単語・熟語・ことわざ・慣用句などとにかくメモしておく。
メモしたカードをきれるタイミングを今か今かと待ち侘びるようになります。そして適したシチュエーションで、発言できた際の快感がまた格別。
著書「言語化力」に学ぶ
言語化する手順は4ステップある
以下の記事でも紹介した本「言語化力」。
何かしらの発信活動を行う人には目から鱗が出ること間違いなしの一冊。
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つらいこと・苦しいこと・しんどいこと、どうすればいい?コンテンツとして昇華してしまうのが、一番の対処法。人生をコンテンツ化しよう。
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言語化するって簡単なようで難しい。自分の内面や、起こった現象に対する自分の心境を適切に表現できる人ってそこまで多くありません。
言語化する手順とは?
- スタンスを決める
その問題に対して賛成か反対か、方向性を決める。 - 本質を掴む
表面的な現象ではなく現象の構造をつかみ取る。固有名詞も時系列も無視、行為と現象と関係性だけを抜き出す。 - 感情を見つめる
問題の本質を掴んだら、自分のスタンスと照らしあわせて、どんな感情を抱いたか観察する。 - 言葉を整える
ここまでのステップで脳内で出てきた言葉を、相手やその場の雰囲気に合わせて調整。
というプロセスを辿ることが推奨されています。
ステップ自体はシンプル。しかし侮れないのは、「4.言葉を整える」というもの。
自分の内面を見つめ、その場で答えらしきものが出る。しかし言葉のストックが少ないと、漏れなく意見を伝えることができません。
言葉ができるから、概念が生まれる
言葉を知っていると知っていないとでは、ここが違うんです。そもそも言葉を知っていないと、その概念すらも分からない。
「引きこもり」という言葉ができるまでは、「学校に行かないなんて選択肢があるなんて考えもしなかった。驚いた。」という人がほぼ全てでした。
言葉ができたから、その概念を知ることができたのです。
一説によると、花粉症の薬が出てから、花粉症が生まれたという話もあります。言葉・概念を知らないと、そもそも僕らは考えもつかない。
例えば「ジレンマ」という表現を知らないせいで、ジレンマに陥っていても正しく言語化できない場合もあるかもしれない。
言葉は力であり、表現を知っていることで可能性は広まる。表現をストックすることは、自分の限界点を引き上げていることに他ならないのです。
語彙と表現の仕方でしか、差はつかない
誰もが知っていることを、わざわざ言うために
時として事実よりも伝え方が大事。誰が語っても、変わりない事実って多く存在するから。
「人生は一回きり、だから悔いのないように生きよう!」、例えばこんなレベルのやつ。
正直かなりのおバカさんでも、これくらいはドヤ顔で言える。だからなんだって話。
「人を変えることはできないが、自分は変えることができる!」こんなんもそう。手垢のついた表現すぎて、なにを今更って感じ。
僕の人生で最初の課長は、イキリ倒してこのセリフを言ってきたのを今でも覚えてる。正直高校生に伝えるのでも、ちょっとギリギリ。
重要になってくるのは、どうやって伝えるか。こんな当たり前で、みんな知っているレベルのことを、いかに効果的に伝えるのか。
例えばこう聞くと、伝わり方が変わってきます。
「人生一回きり」とありきたりのことを言われるよりも、説得力が増す気がする。伝えたいメッセージは一緒なのに。
そのために僕らはエピソードや例えや具体的な数字などを交えて、深いところで理解できるように伝えないといけません。
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比喩表現と例えが上手い人が、会話を制す。物事を例えれば、説明力は劇的に増す。
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誰が言っても同じ事実を、違うように相手に響かせないといけない
キレイごとをいかに届けるか。ただ理解させるだけでなくて、腹落ちさせて納得させるか。ここが本当に大事。
居酒屋のトイレにある妙に安っぽい表現をしてはいけません。表現の数を持っておかないといけない。
ただ伝えられたではゴールでない。他の人とは違った角度で、相手の内面の奥底に届けましょう。
数多くの表現・語彙を持っていて適したタイミングで使える人が勝つ。ある意味めっちゃフェア。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 語彙力がなかったり、同じ表現ばかりする人は、知性が欠けるように見える
- 気になった表現は、使いたいシチュエーションと一緒にメモする
- 誰が言っても当たり前の事実を、効果的に伝えるためには語彙力・表現が必要
このブログは、僕の実体験、考え、趣向をもとに記事にしている雑記ブログです。会社員をしながら、毎日少しづつ書き溜めています。
この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!