今週のお題「激レア体験」
日本のシーンを代表するラッパーは数多くいます。近年色々なタイプが増えてきました、不良だけがする音楽ではもう無くなったのです。しかし、多様なラッパーがいる中で一際個性を放っているのが崇勲（すうくん）というMC。
フリースタイルダンジョン2代目のモンスターにして、KOK2015のチャンピオン。そして、これまでに「春日部鮫」・「素通り」という2枚のフルアルバムをリリース。バトルと音源どちらを見ても、日本を代表するラッパーの１人です。
しかし、知名度は抜群な崇勲ですが、意外と音源・楽曲を聴いていない方も多いのではないでしょうか。あまりに勿体ないです！
崇勲名前は知ってるけど・・・
という人にむけて書きました。僕が実際に崇勲に会った体験も踏まえてご紹介します。
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/21702
崇勲のざっくり経歴
埼玉県春日部市をレペゼンするMC。色々書こうと思いましたが、Wikipediaが上手いことまとめてくれていたので引用します。
10代の頃からラップを始め、地元の仲間とヒップホップ集団第三の唇を結成して活動を行う。 2006年頃、第三の唇のメンバーが持ってきた『ULTIMATE MC BATTLE』のDVDを観てMCバトルに衝撃を受け、メンバー各自でフリースタイルの練習をはじめ。出場できる大会に次々と出場するようになった。 2011年頃からソロ活動の比重が高くなり、ライヴやMCバトルで知名度を高めていった。2015年には、9sari Groupが主催するMCバトル大会KING OF KINGSの第1回であるUMB 2015 GRAND CHAMPIONSHIP FINALに北関東予選代表として出場し優勝を果たした。この頃、ファーストアルバム『春日部鮫』をリリースするが、UMB初代チャンピオンとなっても、さほど売れず大量の返品となった。しかし、テレビ番組『フリースタイルダンジョン』ではチャレンジャーとして初出場した回で、初代モンスターのT-Pablow、DOTAMA、CHICO CARLITO、R-指定を破り、ラスボス般若戦にまで辿り着いた事、そして2017年より2代目モンスターの1人として出演したことがきっかけで、ファーストアルバムは売れるようになった。（Wikipediaより引用）
ここにも書いていますが、崇勲に注目をが集まったのは2015年以降。KOK2015という日本最大のバトル大会で優勝。決勝の相手はGADORO（ガドロ）、ノリに乗っていた時期ですね。
ちなみに、GADOROはバトルから引退。完全に楽曲制作にシフトしていますね。味わい深い人間味が溢れる作品を数多く出しているのでヘッズはチェックしてみて下さい。
しかも、この決勝は8小節の4ターン、しかも延長2回というめちゃくちゃハードな決勝でした。KOK2015のDVDは実家にあるのですが、決勝選は崇勲とGADOROともに憔悴しきった顔をしていたのが非常に印象的です。笑
そんな死闘を制し、チャンピオンになった崇勲は「フリースタイルダンジョン」にチャレンジャーとして登場。なんと鉄壁R指定に勝利し、ラスボスの般若まで到達、焚巻に続き史上2人目のチャレンジャーになります。
般若には惜しくも破れますが、この時に、ネットで「100万円獲った奴が遂に現れた」というデマの書き込みがめちゃくちゃ流れていました。そんな時に、崇勲がラスボス般若まで到達したものだから、ファンは大騒ぎ。僕も「ダンジョンの歴史が変わるのか」とかじりついて観ていましたね。とにかく、シーンの関心はこの頃崇勲一色だったのです。
崇勲の両親はたかことひろし
フリースタイルダンジョン2代目モンスター
チャレンジャーとして頭角を現してから、フリースタイルダンジョンに引っ張りだこ。年末年始のチームのバトル大会などにも登場。崇勲の強さに関しては、以下記事で考察を行っています。
というかバトル自体そもそも馴染みのない方は、以下記事を見て下さい。どうやってMCバトルの勝ち負けが決まるかをロジックに基づいて解説しています。
隠れモンスターとしても登場しました。惜しくもダースレイダーに破れましたが、印象に残る試合をしました。ちなみに、崇勲のバトルスタイルやワードチョイスなどはオリジナリティに溢れていますが、見た目は実は結構いる。笑
髪の毛は坊主、ヒゲを生やし、ちょっと太り気味な体型というか。笑 大阪のラッパー西もまさにそんな感じです。
（本人Twitterより）
そうして、2017年にフリースタイルダンジョンの初代モンスターは卒業。2代目モンスターに選ばれます。
勝率はそこまで高くなかったですが、個人的に崇勲のバトルは非常に好きでした。崇勲の面白さで有名なのが「ディスが効かない」というもの。相手にディスられても気にしないというスタンス、しびれる。。。
そして、他のラッパーだったら畳み掛けるところを敢えて無言にしたり、他のMCだったらバトルで使わないワードをチョイスしたりとかなり異色でした。崇勲が活躍することで、自身のラップスタイルを肯定された気になったラッパーも多いんじゃないかなと。
ラッパーのライフスタイルやバトルスタイルの選択肢を大きく広げたのが崇勲の最も大きな功績じゃないでしょうか。
ラッパーのイメージを広げたのがスゴい！
2ndアルバム「素通り」は大傑作
そして、僕の大好きな崇勲のセカンドアルバム「素通り」。 自身の生活ぶりやラッパーとしての遍歴、自分のこれまでの人生をラップしています。ちなみに、僕の持っているCDはサインありです！ええやろ！笑
特に白眉は「2015」という曲。この2015は言わずもがなKOKで優勝した2015年。この優勝が大きな転機になったこと、そこまでに絶望的な苦労があったことをリリックにしています。
特に好きなのが、ここの歌詞。
なりふり構わず踏んどく 2006
言葉の責任痛感 2007
安い勝ちは要らない 2008
バトル初優勝サンキュー 2009
戦う理由探す 2010
ここまで来りゃ意地 2011
徐々に離れる周囲 2012
呪いと気付いた 2013
やっぱ音源が重要 2014
本当にこれで最後 2015
と思ったところでのダークホース登場
こう見ると、苦節10年近くあったのかと。。。。そして、このCDに一貫しているのが「自然体」。必要以上に自分を誇示しないし、大きく見せもしない。
これって結構レアな気がします。セルフボースティングと言って、「おれはこんなにイケている」というアピールが主流なのですが、そうではない。しかし、ありのままをラップすることで違った角度で「自己肯定」をするというHIP HOPイズム。
そして、東京に引っ越してきて個人的に分かるなぁと思った歌詞が、
駐車料払う精算機 ついさっき来たばっかなのにマジか
1時間停めて1,800円 俺の地元なら3日停めれるぜ
崇勲らしいなぁという。笑ビートも全て丹念に作られています。丁寧に制作したんだろうなぁと。そして、歌詞カードに書いていた内容にもグッときた。
誰かの下について音楽をやらなくて良かった。
東京じゃなくて埼玉で育って本当に良かった。
社交性のある性格じゃなくて本当に良かった。
じゃなきゃ音楽やってなかった。
ラップってやっぱり色々な環境の人に響くんだなぁと。
崇勲を聴くと、自己肯定できる！
崇勲に実際に会ったぜ！
そして、昨年年末に遂に会うことができました！2019年12月に行われた韻踏合組合主催のバトル大会「SPOTLIGHT」にて。思えば、僕が会えた大物ラッパーはほとんどSPOTLIGHTでかもしれない。笑
「素通り」にサインを頂きました！強面ですが、実際はとても穏やか。写真も気さくに応じてくれましたね。
KOK2015のDVD持ってます！
モンスターお疲れ様でした！
とテンション上がりまくって話すと、「ありがとう！」とめちゃくちゃ笑顔で対応してくれました。いや〜、ラッパーで悪い人はいない。実はこれでフリースタイルダンジョンの初代・2代目モンスター全て生で見ることができました。
そして、春日部を代表するもう１人のラッパーTKda黒ぶちとも写真を撮りました！TKと崇勲はまさにホーミー！崇勲のファーストアルバム「春日部鮫」はTKのスタジオで作成、しかもタダみたいな値段で貸してくれたんだとか。う〜ん、やはり地元が同じラッパーは絆があるんだなぁ。
TKda黒ぶちは、泣く子も黙るフリースタイルダンジョン3代目モンスター。バトルの強さは過去に徹底解剖しました。
ちなみに、僕が着ていたN.W.AのICE CUBEのTシャツを「すげぇかっこいいTシャツ着てるね！」と褒めてくれました。笑 分からない人は音楽映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」をご鑑賞ください！笑
崇勲は生で会うとスゴい優しい！
まとめ
音楽って色々なジャンルがありますよね。気分が向上した時に聴くもの、朝に聴くもの、夜に聴くもの。崇勲の作品は、自分の人生を振り返りたい時に聴くのが最適だなぁと。
日本語におけるHIP HOPの枠組みを広げたラッパーの楽曲を是非聴いてみて下さい！
ではでは！