漠然とした不安や、仕事やプライベートで抱えたモヤモヤって頭の中で、ずっと駆け巡ったりしていませんか?
考えなくてもいいことを考え込んでしまったり、自分の感情なのに自分でコントロールできない瞬間って、往々にしてあると思うんです。

これが僕からの提案。感情の粒度を上げて、その感情に正しくラベリングをする。こうすることでストレスレベルがグッと下がります。
語彙力を上げて、全ての感情をちゃんと感覚で捉える。こうすることで、建設的に不安に向き合うことができます。

・ストレスに対処したいけど、うまくいかない
という人にむけて書きました。
不安といかに接していくのか
漠然とした不安が一番怖い
僕らの生活ではストレスや不安がつきもの。不安と一口に言っても、二種類に分けることはできると思うんですね。
それは明確な不安と、漠然として不安。ここでタチが悪いのが、漠然とした不安。

みたいなやつ。
僕の人生経験も踏まえてなのですが、明確になっているつらいことって案外なんとかなる。「仕事の納期がタイト」とか「入試までに、成績を上げないといけない」とか。
明確な不安は、明確であるが故に課題が見えている。つまり自分で対策をとれるし、人に助けてもらうこともできる。
するべきことが分かっていれば、突き進むことができる。そして突き進むうちに、ゴールへの挑戦に切り替わったりもする。


一方で怖いのが、漠然とした不安。捉えきれない焦りとか、なんとなく残っている心のモヤモヤとか。
漠然とした不安を、明確にするために、言語化する
攻殻機動隊の光学迷彩みたいな感じ。ハンターハンターのメレオロンみたいな感じ。そもそも相手の姿を捉えることができていないなら、絶対に勝てないよねって話。
敵を感知できていないと苦戦は必死。漠然としていて自分できちんと把握できない不安は、ほぼステルス戦闘機。気付いたらやられてる。
ふわふわと浮いている不安を、概念に落とし込む。自分で知覚できるようにしないといけない。そうしないと一生ビビってるまま。
そのために僕らがしないといけないのが、言語化。感情を自分で言葉にする。出てきた心の機微をラベリングする。
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言語化の効用を考えてみる
不安を取り除くために

って思う方もいるでしょう。あるんです、あるんですよ、それが。


僕が最近読んだ中で、一番学びになった本「無(最高も状態)」。
過去記事で何度か引用したことがある、「ヤバい集中力」の著者の本です。
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我慢したくない人に捧ぐ。集中力を上げたければ我慢やプチ苦労をすべし。我慢をすることで、日々の生活の満足度も増すという話。
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僕らの目を曇らせる不安や思い込みが取り除かれた結果、意思決定力と他者への寛容さが上がり、いまネガティブな人は気持ちが安定する。ポジティブな人はさらに幸福度と判断力が高まる。
これを最高の状態と定義し、この状態にいかに科学的に正しいアプローチで到達できるかを教えてくれる一冊。
ちなみに著者の鈴木祐さんは、16才のころから年5,000本の科学論文を読み続けている、「日本一の文献オタク」 なんだそう。うん、バグってる。
そんな膨大という言葉すら軽く聞こえる量のインプットをした鈴木祐さんが放つ、激ヤバスピットがこの本なわけです。
感情の粒度を上げる
自分たちの内面の動きを正しく認識し、自分の脳に安心感を与えるためには、「感情の粒度」を上げるというのが効果的な手法になります。
「感情の粒度」とは心理学の概念で、あいまいな感情を詳しい言葉で表現できるスキルのこと。些細なスキルに見えても、甘く見てはいけません。
- 感情の粒度が低い人
嫌なことが起こっても、全て「ムカつく」や「気持ち悪い」など1〜2個のボキャブラリーで片付けてしまう - 感情の粒度が高い人
気分が悪いことに対しても、「癪に障る」「憤る」「いらつく」といった複数の表現を思いつき、その中から一番適切なものを選ぶことができる
ここ数年の研究で、「感情の粒度」がメンタルの安定に大きく関わることが分かってきているんです。
感情の言語化がうまい人は、総じてセルフコントロールがうまく、アルコールやドラッグに依存しづらく、病気にもかかりにくいとジョージ・メイソン大学の研究チームが発表しています。

これが大きな理由。「嫌な気分」といっても、悲しさや怒りなど、複数の感情が混ざっていることもしばしば。
体の反応と脳の理解のズレが、ストレスを生む
悲しみを含んだ怒り、焦りから生まれた怒り、期待の裏に潜んだいらいら。怒っていても、色々なパターンがあります。
肉体はその感情の違いにきちんと反応します。発汗量が変わったり、筋肉がこわばったりする。
しかし脳が、一律に「ムカつく」とだけ処理をすると、脳が混乱を始めます。体はそれぞれ異なる反応をするのに、脳の認知が毎回一緒なので、食い違いが生まれまくるわけです。
悩んだ脳は情報処理がうまくできない、そうやっていつまでもストレス反応を引きずってしまう。



言語化スキルを上げるためにするべきこと
語彙力を高め、感情を表現する
言葉のストックを増やす
不安やストレスを感じた際に、対策法としては言語化。より詳細に、より的確に、より解像度を高く。
「無(最高も状態)」で紹介されていた方法は、2つ。
- 新しい言葉を学ぶ
- 感情のラベリングを行う
最も手軽にできる方法は、僕らがまだ知らない表現に触れること。言葉のストックを増やしましょう。
「悲しい」という表現ひとつとってみても、「うら悲しい」「物悲しい」「哀れを誘う」「いたわしい」など、悲しみのレベルに応じて表現があります。
ちなみに日本語は雨に関する表現が、非常に多いと言われています。語彙力は文字通り力なんです。知っていると、正しいタイミングで正しい表現を用いることができます。
どんな雨が降ろうと、以下のような表現を知っていると、常に的確に状況を把握できます。感情もこれと同じ。同じ表現だけで着回しをしていると、実態は掴めないんですね。
秋雨、煙雨、大雨、空梅雨、気違い雨、強雨、霧雨、降雨、豪雨、穀雨、小雨、小糠雨、五風十雨、細雨、五月雨、小夜時雨、山雨、地雨、慈雨、時雨、櫛風沐雨、驟雨、集中豪雨、宿雨、春風秋雨、晴雨、蝉時雨、多雨、弾雨、梅雨、照り雨、照り降り雨、天気雨、通り雨、長雨、菜種梅雨、涙雨、俄か雨、糠雨、白雨、走り梅雨、春雨、微雨、氷雨、日照り雨、一雨、風雨、暴風雨、村雨、村時雨、猛雨、遣らずの雨、雷雨、涼雨、緑雨、霖雨、冷雨(https://whitebear0930.net/archives/4215より)
語彙力の高め方は、過去記事にもしていますので、あわせて読んでみてください。「ヤバい」と「スゴい」しか言えない人は、スゴくヤバいです。
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語彙力を上げるために、表現をストックする。「スゴい」と「ヤバい」だけではダメ。
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感情のラベリングを行う
そして高めた語彙力を用いて、日常で味わう感覚を正確に表現してみるのが「感情ラベリング」です。
目を閉じて、過去に出くわしたネガティブな体験を2〜3個思い出す。仕事でミスしたとか、知らないおじさんに怒鳴られたとか、そんなのでOK。
嫌な記憶をクリアに思い出したら、それに伴う感情の種類をできるだけ細かく表現してみましょう。
「裸の肌に藪蛇が群がってきたようなプレッシャー」など比喩を使っても良いですし、「怒り20%、悲しみ30%、焦り50%」というように、感情の内訳を表すのも効果的です。


白のシャツにカレーをこぼした時くらいの動揺、加工された写真と実物の差に感じる時にがっかり感とか、限りなく透明に近いブルーとか、色々な表現ありそうです。最後は関係ないか。
言葉の因数分解を行う
「仕事がうまくいかない」で終わらせない
言語化力を高める方法は、「言葉の因数分解」を行うこと。
これはその名もズバリ「言語化力」という本に載っていた手法になります。

ということをまざまざと教えてくれる本。もっと自分の考えを上手に表現したり、自分の内面を把握したいと思っている人には是非とも読んでほしい一冊。
この本の中で、言語化できている人は、「言葉の因数分解」ができていると書かれています。
因数分解と久し振りに聞いたかもしれませんが、x^2+5x+6=0を、(x+2)×(x+3)=0にするやつです。ざっくり言えば、要素ごとに区切って、具体化していくというもの。

というのは簡単ですが、何がうまくいっていないのかを具体的に考えることが必要です。
ここで因数分解をしていくのです。仕事と表現しても、範囲がかなり広い。出勤、出社、人間関係、Excel作業、教育、書類チェック、などなんでも仕事といえば仕事。
より具体的な言葉を使って考える
この「仕事がうまくいかない」を、もっと具体的な言葉で表現するのです。3つのレイヤーに分けて、因数分解していきます。
言葉の因数分解をしてみる
- 第一レイヤー
仕事って何?=顧客とのミーティングで、会話がうまく成立しなかった - 第二レイヤー
顧客って誰?=相手方の責任者や経営者で、萎縮してしまった
会話がうまく成立しなかったとは?=アイスブレイクや世間話ができなかった - 第三レイヤー
なぜ責任者や経営者などの上位層が苦手?=世間話に対応できない
なぜ対応できないのか?=教養がないことで引け目を感じたから
とこんな感じで、深掘りをしていきます。ここまでくると、「仕事がうまくいかない」の一言だったのが、

と表現できるわけです。ここまでくると、かなり気持ちは楽になります。だってモヤモヤ感は消えたから。
因数分解することで、感情のラベリングも効果的に行えます。また対策も立てられる。「新聞をもっと読もう、読書量を増やそう」とか、次のアクションに繋がるんですね。
全てのものを自分の感覚で捉えたい
自分の脳内の考えや、感情の機微を、正しく言葉にできたら僕らはもはや無敵。レーダーで捉えるが如く、自分の感情をしっかり把握すれば、自己管理もゴリゴリにできる。
カギになってるのは、語彙力と例え力。この2つの武器を使いこなせるかどうかで、大きく人生は変わってきます。
特に見逃されがちなのが、例え力。語彙力がある人でも、例えが一ミリもできない人は多くいます。
誰が言っても同じことってある。それを誰かと違うように、相手の心に響かせたいなら、例えを上手に使うしかない。
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比喩表現と例えが上手い人が、会話を制す。物事を例えれば、説明力は劇的に増す。
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漫画や映画の登場人物や、小説のキャラクターなどに重ねても良いです。自分の身に降り注いだ出来事や、胸の内の感情を、置き換えてみる。
前職の職場で頭悪いし、能力も低いけど、やたら僕にイキってくる先輩社員の人がいた時は、

ってめっちゃ思っていた。秘孔を突かなかっただけ、僕の方が大人。ひでぶ、たわば。
何か起こっても、僕らは言語化できる。不透明なままにするのは避けましょう。自分の言葉で捉えるのです。
そうすることで、漠然とした不安が、地に足がついた不安へと成り下がる。自分で対策したり、人に助けてもらったりできるようになりますよ。
まとめ
では、最後にこの記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 漠然とした不安には、感情の粒度を上げることで対応できる
- 起こった出来事に対して、言葉の因数分解を行うことで、言語化できる
- 語彙力と例え力で、自分の身に降りかかることに全て対応できるようになる
このブログは、僕の実体験、考え、趣向をもとに記事にしている雑記ブログです。会社員をしながら、毎日少しづつ書き溜めています。
この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!