会話における、比喩表現や例えは、潤滑油みたいなもの。相手の脳に負担なく理解させるのに、非常に役に立つのです。

僕らが印象に残っているフレーズはえてして、例えが用いられていることが多い。それに僕らも意識せずして、例え表現を使っているんです。
ググったら情報はすぐに出てくる。そうなると誰もが言ってくる内容が似てきます。こうなると内容ではなく、伝え方で差をつけるしかありません。
比喩表現、例え、ここを上手く使いこなせる人が、会話を掌握できるようになるのです。
例えが上手く使えるということは、大富豪で手札にジョーカーがあるくらい、他の人よりも抜きん出ているってことなんです!

・比喩表現を上手く使えるようになりたい
という人にむけて書きました。
記事の前に自己紹介!

・AbemaTVのオファーを受け、ひろゆきと討論しました
・当ブログで120万文字を執筆、累計PV数は100万突破
・30歳で貯金1,500万円達成
比喩表現、例えの重要性に関して
「比喩表現」は、人類最高の発明
芸人などのツッコミなどで、記憶に残っている印象的なフレーズは例えであることが多い。これは偏見。「鼻がデカい人は、あそこもデカい」と同じくらいに偏見。
ただ比喩表現というのは、非常に優れたもの。人間が作った最高の発明品と言ってもいいかも。なぜなら比喩表現は、意識せずとも覚えてしまうから。
難解な理屈でも、例えを使うことで、急速に理解できたりもする。僕らの脳は、おそらく比喩表現はVIP扱いしている。脳の中に、「比喩表現様」って書かれた特等席があるに違いない。
例えとは言い換えであり、ある事象を、別の角度から捉え直したものだと思うんです。例えることで、僕らの理解はグッと進む。
僕らの脳に残っている事象の多くは、例えも込みのもののはず。


例えることで脳にスムーズに取り込まれる。まるで潤滑ゼリー、入りづらいものをするすると入りやすくする。
比喩表現は周りに転がっている
しかし別に身構える必要はありません。なぜなら僕らはすでに、意識せずとも、比喩表現を使いまくっているからです。
相手に多くを期待することを、「ハードルを上げる」と表現する。障害物競走でもないのに。
上司と部下の距離が近い会社のことを、「風通しの良い会社」と呼んだりする。密室で窓もなくて、換気扇もなくても、風通しがいいと表現する。
僕らは日常生活で、意識せずして、比喩表現を当たり前のように使っているんですね。つまり僕らは、比喩表現に対するアレルギーなんて元々ない。

あとこれは偏見だけど、求人情報で「これまで入社して来られた方々は、一様に「当社の風通しの良さ」に驚いているようです。」なんてアピールしている会社はヤバい。
そういう会社は、「全く気が使えずに思ったことを口に出してしまう社員」が多数存在することを、「風通しの良さ」と誤解している可能性が非常に高い。
「毒舌」と「単純に口が悪いこと」を一緒くたにしているのと同じ。


「例え」マスターが勝つ時代に突入してるんです
何を言うかではなく、どう伝えるかが重要
得られる情報に差は無くなった
現代は「例え」を使いこなせる人が総取りする時代になりました。これはマジ、僕の中ではマジ。
これだけインターネットが発達し、SNSが浸透したんです。もはや情報に差はありません。
正しい情報は、誰が見ても正しい。真理は誰が判断しても真理。情報で頭ひとつ抜けるって難しい。
情報で他の人よりも優位に立とうとすると、身銭を切って掴みに行くか、自分が最前線で研究するかくらいしか選択肢はない。
ググれば出てくる、情報は皆の前に平等。もはや神様よりもGoogle様。
こうなってくるとどうなるのか。どう情報を伝えるかがカギになってくるんですね。みんなが知っていることを、どうやって相手に響かすか。
説得力のない上司は、例えが使えない
最も分かりやすいのが誰が言うか、でしょう。僕は新卒で今の会社に入りましたが、最初の上司はまるでカスだった。
何にも仕事しない。事なかれ主義、部下がミスっても責任をとってくれない、曖昧な指示しか出さないというか出せない。
そんな地を這うマネジメント力の上司に、説教された際に、「周りは変わらない。だから自分が変わるしかないねんぞ。」と言われた。
その時僕は何を思ったか。

役立たずの、無用の長物な上司が言っても何も僕の耳に入ってこない。お年寄りにモスキート音を聴かせた方がよっぽど耳に入ってくるってもの。
しかし、もしこのメッセージを、孫正義とか柳井正とかやり手の経営者から言われると話は変わってきます。
誰が言うか、誰から伝わるのか、ここで情報は同じでも差が出てくる。
情報ではない、ナラティブ(語り口)で、差をつける
伝え方を工夫しないと、伝わらない
しかしここで大きな問題が立ち上がります。それは僕も含めて、多くの人が誰でもないってこと。

こうなる。僕もそう。誰が言うかが肝心なら、ゆとり世代の悪いところを煎じて煮詰めてできた僕みたいな人間の言うことに全く価値はない。
これは困った。どうしたものか。
こうなると伝え方を変えるしかない。ここで重要になってくるのが、ナラティブ(語り口)なんです。
情報に差がないなら、伝え方やその情報のナラティブで工夫して届けるしかない。
僕がブログを書く上で、非常に感銘を受けた本「三行で撃つ」。ライティングに関する本は多く読んできましたが、この本が一番最強です。
日常的に文章を書くことが多い人は、みんな読んだ方が良い。1日でも1秒でも早く、読んだ方が良い。変なフォームが身につく前に、読んだ方が良い。
ストーリーは有限、ナラティブは無限
この本でナラティブの重要性について、語られています。
何に感動したのか、何がヤバかったのか。その何を、具体的に飽きさせないナラティブで、引きつけ語る。これがライターの仕事なんですね。

僕らはあらすじの分かっている話や、何度も聞いたストーリーでもなぜ繰り返し聴けるのか。それはそこにナラティブがあるから。
ナラティブとは叙述であり、話術であり、語り口、節、味と言われているもの。物語はそうそうあるものではありません。しかしナラティブはその人の数だけある。
同じ落語でも、先代文楽、志ん生で聞くのと、円生、談志の高座を聞くのではまるで違った物語のように聞こます。これはナラティブが違うからなんですね。
僕らはナラティブで差をつけるべき。同じ情報でも、語り口を変えて、相手に響くようにしないといけません。
ナラティブは、例えに宿る
例えは「言語の総合格闘技」である
同じ情報でも、ナラティブ(語り口)を変えることで、相手に響く。ではどうすれば、ナラティブを変えれるのか。
はい、きました。ここで本題に帰ってきました。ナラティブを変えるのに、最も簡単な方法があるんです。

普遍的なことは誰でも言える。その情報はみんな知っている。だったら、例えるしかない。
面白かったり、突拍子もない比喩表現をする。その情報が伝わりやすいエピソードを話す。

なんて侮るなかれ。例えもできない人間に、一体何ができるというのか。
物事見る角度、視点、感性、センスが、例えに凝縮されるんです。例えとは、言語の総合格闘技と言ってしまっても良いかもしれない。
積み上げた経験値、体験したものが、全て例えに詰まっている。人生の経験値の集大成、それすなわち例えなり。
村上春樹の例えに学べ
ちなみに僕が考える、比喩表現マスターは村上春樹。
村上作品の比喩表現は、小説の見どころのひとつ。比喩表現にここまで需要ある人もなかなかに珍しい。

って人のために、僕が特別におすすめの比喩表現を紹介します。刮目せよ。
村上春樹の至極の例え3選
- 線を切られてしまった電話機のような完璧な沈黙だった。
- 謝肉祭の季節を迎えたピサの斜塔みたいに前向きで、しっかりとした勃◯だった。
- 実際に僕が結婚の申し込みに彼女の家に行った時、彼女の両親の反応はひどく冷たいものだった。まるで世界中の冷蔵庫のドアが一度に開け放たれたみたいだった。
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最新作を機に、村上春樹の凄さを考える。読んだことのない人は今すぐにでも読むべき。
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「例え力」をあげるために
「例えば・・・」のエピソードを用意する
一般論ではもはや心に響かない
誰が伝えても、同じ情報を、いかに相手の心に染み込ませるか。ここで役に立つのが、例えばのエピソード。
ある情報や教訓を話し、実際にあったエピソードを交える。こうすることで、相手の理解度はグッと増します。
例えば、あなたが上司から、「どんな仕事でもする意味を見出すことで、取り組み方が変わるんだよ」と言われたとします。
正直僕だったら、

ってなってしまう。そりゃそう。誰でも言える内容だし、別に目新しさも何もない。
これで部下に指導したと思い込んでいる管理職が多い会社は黄色信号が点滅してるってもの。
例えがあると、人はメッセージを呑み込める
しかしここでひとつエピソードを付け足します。
ケネディ大統領がNASAの宇宙センターを訪問した時の話です。ほうきを持っている清掃員の男性を見つけて、「何をしているのか?」と質問しました。
するとその男性は、「見ての通り、清掃をしています」と答えました。
同じフロアには、他にも清掃員の男性がいました。ケネディ大統領は、「何をしているのか?」と先ほどと同じ質問を投げかけました。
まぁ仕事の邪魔してやるなよって話ですが。すると、その男性はこう答えました。
「ケネディ大統領、私は人類を月に運ぶ手伝いをしています!」。アメリカでは、清掃員とは多くの場合、最低賃金の仕事です。
安い賃金でも仕方なくやっててもおかしくないのに、この清掃員の男性は自分の仕事に大きな意味を見出しています。エクセレント。
どうでしょうか。先ほどのあまりにも抽象的なアドバイスが、このエピソードがあることで、少しは胸に迫るものになったのではないでしょうか。
相手にまずは説明する。そしてその後に、具体的なエピソードを交えて、伝える。これで相手の理解度はうなぎ登り。
好きなジャンルで例えてみる
エピソードで話す以外にも、どんどん例えていきましょう。何かを伝える際に、例えることで、伝わりやすさが変わる。
そして何より、例えは面白い。どう例えるかで、その人のセンスや趣味趣向も垣間見える。
例えは娯楽なんです。まずは楽しみましょう。自分が好きなもので例えてみる。
好きなマンガ、アニメ、映画、スポーツ、ドラマ、ゲームなどなんでもOK。とにかく自分が好きなものを使って例えてみましょう。
これまでの人生であなたが夢中になってきたもので、オリジナルの例えを作ってしまうんです。
例えば僕なら、これらの例えを使うことが特に多いですね。
- ドラゴンボール
- ジョジョの奇妙な冒険
- ハンターハンター
- 遊戯王
- ポケモン
あまりにも差が開いていることを例える場合に、

と言ってみたり。
飲食店で頼んだ料理の中に、髪の毛が入っていた場合に、

とツッコんでみたり。
過去には強み分析であるストレングスファインダーを、ハンターハンターの水見式に例えたり。
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人間は一人では生きていけない。このことを伝えたい際に、

なんて表現してみたり。
好きなもので例えているので、あまり苦にならない。というよりかは楽しさが勝るんですね。
別に小難しいことをする必要はまったくなし。自分が好きなジャンルだけを使って例えてみる。
そうすることで、僕ら独自の語り口が生まれます。だって僕らの感性に基づいて生まれた例えになってるのだから。
例え力で、差別化を!
情報に価値はない。知名度も発信力もないのであれば、どう語るかで違いをつけるしかない。

誰が言っても同じことを、その誰かと違って聞かせたい。そうなると、秀逸な例えをするしかない。
例える際は、まず流れを意識しましょう。
例えるための3ステップ
- 事象が起こる
- 抽象化する
- 好きなジャンルから、似た事象を探してくる
例えばお気に入りのYouTubeチャンネルがあって、そこでいつも情報収集しているとします。
そこで得た情報をさも自分で発見したことの様に周りに話している。
するとなんと職場でも、その同じYouTubeチャンネルを見ている人がいて、「それって、YouTubeのあのチャンネルだよね?」と言われてしまう。
これが起こった事象とします。これを抽象化すると、

ってなところでしょうか。「自分以外にも利用者がいた」とかで良いかもしれない。
起こった具体的な事象を、一段上の抽象的なざっくりした捉え方に変えると。
これを、自分の好きなジャンルから探してくるわけです。さっきの抽象化した内容を、好きなジャンルで具体化するイメージですね。
具体的な内容を、抽象化して対象範囲を広げて、マンガなどのジャンルでもう一度具体化すると。例えば、今回なら、

って例えることができる。起こった事象を、具体的じゃない表現で再解釈して、自分の得意ジャンルから同じケースにあたる事象を探してくるんです。
後はもう訓練あるのみ。日常生活でも、どんどん例えていきましょう。
僕も普段の生活でも、今後の記事でも、どんどん例えていかないといけない。例え力を底上げしないといけない。
他の意識していない人と大きく差をつけるのです。例え力があがると、他の人よりも説得力や伝達力が上がります。会話を制することができます。
例えることを、普通にする。別に特別なことと思わない。
セルゲーム前に悟空と悟飯は、スーパーサイヤ人でいることが当たり前の状態にする様に修行しました。それと同じ、僕らも例えるという行為を自然なものとしてしまうんです。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 現代では、情報に差はない。誰が言っても同じ内容を、誰かと違う様に聞かせたいなら、例えるしかない。
- 説明の際には、具体的なエピソードを付け足す。自分の好きなジャンルに絞って、物事を例えてみる。
- 起こった事象を、抽象化し、自分の好きなジャンルで似た事象を探す。これが例えの秘訣!
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この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!