HIP HOPとは何か?よく耳にするけど、分かったような分からんような、という方も多いのでは?僕自身よく質問されるのが、
HIP HOPは文化で、ラップは歌唱法です。ラップ、ブレイクダンス、DJ、グラフィティという4つの要素からなるカルチャーがHIP HOPなのです。
アイドルがしているラップはそういう歌い方をしているだけで、HIP HOPとはちょっと違うんですね。そして僕から、ブログもHIP HOPの要素に加えるということを提案したい。
HIP HOPという文化は100人いれば100通りの定義があります。ちなみに僕の定義は「自己肯定」です。是非このカルチャーに触れてみて下さい、あなたなりの価値を見出せますよ。
・HIP HOPのカルチャーが好き!
という人にむけて書きました。
最初に結論から!
この記事のまとめ
- HIP HOPはカルチャー、ラップはHIP HOPの一要素である
- HIP HOPの定義は人ぞれぞれ、僕の場合は「自己肯定」
- HIP HOPには人を救う力がある、僕も救われた1人
ラッパーへの絶大な憧れがあるんです
世のサッカー少年がサッカー選手に憧れているように、野球少年が野球選手に憧れているように、全ての男が範馬勇次郎に憧れているように、僕はラッパーに憧れているんです。
ラッパーは最高にクールです。バンドマンももちろんかっこいい、楽器演奏ができるのもイケている。ただ僕の中でラッパーは別格なのです。
なぜラッパーはかっこいいのか。無理やり理屈つけをすると、
- 自分自身をコンテンツ化できている
- 言葉のみで、自分のことから社会問題まで、幅広く表現している
- 歌詞を自分で書いている
- ファッションがかっこいい
- 自分を貫いて生きている
などでしょうか。日本だけにとどまらず、ラッパーは自分に自信を持って生きているんですね。その生き様にシビれるわけです。
ラッパーは曲のリリック(歌詞)は自分で書くのが基本なんですね。ここも良い!作詞家に頼む、ゴーストライターに頼む、こんなんは御法度です。
自分の思いや生い立ちや感じていることを、自分の言葉で表現する。これがかっこいい。お偉いさんの頭は借りない、自分と向き合い、自分の中から生み出す。
ってラッパーのGADOROも言っていた。リリックの中身は自分の分身、どの口が何言うかが肝心。
僕がラッパーという存在を強烈に意識し出したのは、大学受験に失敗し、浪人生になった頃。音楽は好きで、よく聴いていたんですね。日本語ラップは全く聴いていなくて、海外のラップはちょくちょく聴いていたくらい。
音楽にハマりだしたのが2009年とかかな、2010年になり、「2000年代ベスト盤」みたいな特集があったんです。それを読んだ時に、思った感想。
試しに聴いてそこからどハマりしたんです。そして浪人生になる直前の春休みに、「8MILE」を観たんですね。
となったと。それまでの負け犬人生をひっくり返す系の映画としてもかなりの秀作。「ラッパーはクールな存在」として、これから話を進めていきます。
と思っているヘイターは、Check it nowです。黙って「8MILE」を観ましょう。そうすりゃ、自然とマイクを握りたくなってきます。
- 発売日: 2013/11/26
- メディア: Prime Video
そもそもHIP HOPとは?
(https://www.kicross.com/history/roots/より引用)
と言う方も多いと思います。よく耳にはするけど、今ひとつよく分かっていないなんてこともあるのでは。
ざっくり言えば、「カルチャー」です。ラップ、ブレイクダンス、DJ、グラフィティという4つの要素からなるカルチャーの集合体がHIP HOPです。
ちなみにグラフィティというのは、壁にスプレーなどで書かれた絵のことです。高架下とかでたまに見るやつですね。オシャレな地区では、お店のシャッターに書かれていることも多いです。
アゲハ蝶とか、メリッサとか、アポロとか、そういうのとは一切関係ありません。
「アート」とかと似ているかも。アートはカルチャーとして存在していて、絵画も、写真も、彫像なんかもアートととして括られていますよね。あんな感じ。
HIP HOPの歴史としては、誕生したのが1970年代中頃。HIP HOPには誕生日があるんです。1973年8月11日、ジャマイカ出身のDJ、Kool Herc(クールハーク)がニューヨークのブロンクスで行われたパーティーでヒップホップ音楽の原本となる新しいスタイルを生み出した日とされています。
HIP HOPとラップについては、この本が最もオススメ。固有名詞も多いので、世界史の教科書感覚で読み込みましょう。
- 作者:宇多丸,高橋 芳朗,DJ YANATAKE,渡辺志保
- 発売日: 2018/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
別にそこまで重要ではないので、「ふーん」くらいでOKです。HIP HOPはアラフィフなんですね、あなたのことをいびってくる職場の上司と年齢そこまで変わらないのでは!?
たまに質問されるのが、
という質問もこれで解決ですね。ラップはHIP HOPという文化の1要素なんだよ、ということになります。「ボン・ジョヴィとジョン・ボン・ジョヴィの違いって何?」という質問と同じですね。
他にもされた質問として、
なんてのもありました。
とバイブス満タンで返答しました。ファンの皆様ごめんなさい。
「ブログ」もHIP HOPの要素にしませんか?
ここで僕から提案なんですが、HIP HOPの中にブログも入れてほしい。HIP HOPの定義自体を変えるのが難しいのであれば、ストリートカルチャーに加えてほしい。
スケボーとかの仲間として、ブログも入れてほしい。ストリートフォトグラファーとかもいるやん。ストリートブロガーっていうジャンルを作って、ブログも路上の文化の仲間にしてほしい。
「ブログは家の中で書いているじゃないか!」と批判が来ても、「外で起こったことを、家の中で書いています」と屁理屈をこねたい。
先日のZORNの武道館ライブで、最後のMCでこう言っていました。
そう言って、「My Life」を披露してライブが終わる。
youtu.be
考える。僕にとって、HIP HOPとはなにか。すぐに答えは出た、というかずっと前から出ていた。もう一度考えても、その答えに変わりはなかった。
HIP HOPは「自己肯定」だ。これまでの自分、これからの自分、恥ずかしいところも、成功したところも、全て受け入れる。そうして、「オレはオレだ」と胸を張る。これが僕にとってHIP HOP。
ブログを書くことで人生が楽しくなった。職場でイカれた上司や同僚がいても、ブログのネタとして昇華することで乗り越えれた。
どんな仕事をする時でも、「丁寧にやれ」とだけ指示する。そうしてどこかで失敗したら、
とキレてくる上司もいた。具体性のないアドバイスをさせたら天下一だった。マネジメント能力が低すぎて、僕は陰で「逆ドラッカー」と言っていた。「もしドラ」風に言えば、「逆ドラ」。
自分の考えに自信が持てた。仕事を嫌々やる日が多くても、それが自分なんだと開き直れた。偏見ばかり書いていて、持論ばかりを展開して言いる僕のブログを毎日誰かしら読んでくれている。
こんなに嬉しいことはない。ブログは僕にとって、自己肯定だったし、これからもそうだ。自分が自分であることを誇る、そのために僕は今もキーボードを叩いている。
ZORNの名パンチライン「洗濯物を干すのもHIP HOP」。
僕はアンサーしたい。
会社の人間関係に中指を立てて、働くことを面倒くさがったブログを書いていても、それがHIP HOPなのだと信じる。その結果、見捨てられ、洗濯物でなくて僕が干されたとしても、それもまたHIP HOPなのだ。
HIP HOPに僕は救われてきたのだ
思えば20代の途中あたりからHIP HOP、特に日本語ラップに助けられてきた人生でした。大学3回生の時に、必修単位を落として留年。この時はずっとRhymester(ライムスター)を聴き続けていたっけ。
特に「ダーティサイエンス」は何回聴いたか分かんないくらい聴きましたね。人生を変えてくれた、それも良い方向に変えてくれた僕の人生を語る上で切っても切れない一枚。
色々な日本語ラップを聴いていますが、就職活動中に聴いていたのが最もよく聴いてのがANARCHY(アナーキー)でした。
浪人して、留年もして、周りの就活生と比べて年齢は2個上だったのです。留年していると、予想以上に苦しい闘いでした。始めてする就職活動に最初からハンデを抱えて挑むのは、気が進まないもの。
そんな僕の背中を押してくれたのが、アナーキーだったんです。京都の団地から、学歴も何もないが、己のガッツとラップの腕だけで成り上がったラッパー。
ちゃんと大学まで来て、前科もない、こんな環境で嘆いている自分がバカらしく思えるほどの威力のある曲にやられました。
人生では辛いことも数多く起こります。辛いことの方が多いかもしれません。楽しい時に幸せな時に聴く音楽は、人はみんな分かっています。ただ苦しい時、どん底な時にこそ聴くべき音となると分かっていません。
そういう時に聴くのは日本語ラップ一択です。他に選択肢なんてないんです。
盛り上がっているクラブではEDMがかかる、クリスマスにはワム!を聴く。じゃあ苦しい時は?人生に押しつぶされそうな時は?
僕はTHA BLUE HARB(ブルーハーブ)のアルバムを聴く。決し譲れないこの美学。
【関連記事】日本語ラップはダサくない
マシにはなりましたが、未だにダサいと思われがちな日本語ラップ。僕から言わせれば、日本の音楽会で一番誠実な音楽です。虚飾がまるでないから。
日本語ラップの魅力が分からないそこのあなた、是非読んでみて下さい。
【関連記事】音楽映画でHIP HOPを知ろう!
音楽映画でHIP HOP文化を知りましょう。格好の教材です。エミネムの「8MILE」も含め、オススメの音楽映画をまとめています。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- HIP HOPはカルチャー、ラップはHIP HOPの一要素である
- HIP HOPの定義は人ぞれぞれ、僕の場合は「自己肯定」
- HIP HOPには人を救う力がある、僕も救われた1人
あなたにとってHIP HOPとは何でしょうか。きっとあなただけの定義が見つかるはずです。定義を決めれるほどHIP HOPを知らないという方は、この機会にもっと触れてみて下さい。
ラップ中心に書きましたが、ダンス・グラフィティ・DJという切り口もあります。HIP HOPは敷居が低いです。誰でも参加できます。生まれ、国籍、肌の色、家庭環境、学歴、収入、そんなものは一切関係ありません。
ただあなたがいる、そして僕がいる。フェアです、どこまでもフェアな世界です。一歩こっちにおいで、まるで男子トイレ。
ではでは!