やれやれ、ランニングと僕は切っても切れない関係だ。まるで、相手の存在のものを自分のアイデンティティとして取り込んでしまった分かち難い恋人達の様に。走るという行為は、あまりにも多くの成熟をもたらしてくれた。そして、僕は洒落たフランス料理店の支配人が、上客からアメリカンエクスプレスのカードを受け取るときの様に気取ってそれを享受したものだった。
やれやれ!
というわけで、今回は僕の人に自慢できる習慣の一つ「ランニング」についてのお話し。「ランニング」は興味あるけどとか、最近運動不足で、なんて人にこそ読んで頂きたい。
ランニングこそ人間の本能を呼び起こす!
走る。この走るという行為は、人間の原初の本能に最も近いものだと思っています。昔野球選手のイチローが「ライオンはウエイトトレーニングをしませんよね。」と発言していました。昔読んだ雑誌でEXILEのリーダーであるHIROが「筋トレはしていない、筋肉は全てダンスで鍛えた。」と述べていました。昨今流行りの筋トレですが、個人的には人間という動物の体に最もフィットした運動がランニングではないかと。おおよそ道具を使うスポーツやトレーニングは、自然にはないですからね。
人生でこれをやっておいて良かったなというシーンは度々あります。そろばんやっておいて良かったな、小さい頃に歯を矯正していて良かったななどなどあるでしょう。僕がそう思う事の一つが運動習慣を持っておいて良かったなということ。継続的にランニングをしていて救われたなということ。
日本は他の先進国と比較して、大人になると全然勉強をしなくなると言われています。向上心がなくなるとか、仕事でそこまで勉強することがないというのもあるかもしれませんが、学生時代に強制的にさせられたということも大きいはず。やらされた経験があると、もうしたくなくなりますからね。
運動もこれと同じで、部活(好きでやっている人が大半だとは思いますが)や授業である程度強制力をもってさせられたことがアダになっているのではないでしょうか。僕は中学の時は2年間、高校の時は1年間で部活辞めちゃいましたし。しかも、その間結構練習さぼっていましたしね。笑
つまり、もともと運動が大好きみたいなタイプじゃ全くないわけです。それなのに、ちゃんと中学・高校(おまけに大学まで)部活を続けた人よりも現在意識的に体を動かしているわけです。もしかすると、青春時代にさほど運動しなかったコンプレックスを取り返したいのかもしれません。
「じゃあ、ランニングの何がそんなにいいのか?」という疑問がわくでしょう。正直に言いますと、いつも走る前に「うわ、走りたくねぇな」ってなることは度々あります。でも、走った後は必ず「走って良かった!」となります。まぁ、本当に実のある事ってこんなもんですよね。最初から最後まで楽しいものは得てして身にならないと言いますか。
ちなみにランニングはこのブログを開設した頃にも記事にしています。1年半以上前ですね、見れたものではない。。。笑 でも、1年半経っても考え方は変わっていません。言いたいこと、走るという行為について感じることはこれと一緒です。
有酸素運動はインスタントな運動とワケが違う!
ランニングをすることのメリットも書いていければと思います。ちなみにデメリットは無いです、マジで。笑
「本当の快楽は多少の苦痛を伴う」、これ僕が発見してしまった真理です。筋トレ好きな人の心理に近いかもしれませんね。受験勉強とかもそうかもしれない。まぁ、単純にやりこみ要素の多い娯楽というのが1つです。
あとは健康面も1つです。最も万人に納得されるメリットですね。とは言え、風邪はたまに引きますし、インフルにもなります。そりゃ人間だもの。ランニングをしていた自分と、していなかった自分とを比べれないので何とも言えません。比較してみたらしたいないよりしていた方が健康ではあると思うのですが。
僕が思うのは肉体面よりもむしろ精神面の健康かな。走ってだいたい30~60分。僕はこの時間を全肯定できます。ありますか?人生で時間の使い方を100%肯定できることって。笑 仕事がある日でも休みの日でも、終わった時には「思っていたよりも進まなかったな」とか、「時間の使い方間違えたかな」みたいなのは誰にとってもあるでしょう。ランニングをすれば、そんな後悔は減ります。自分が今している選択に100%自信持てるって素晴らしい。
走っている最中はしんどい、そりゃしんどいです。しかし、その間頭を空にできます、慣れてくると考え事もできますが。まぁ、何が言いたいかと言うと情報が錯綜している現代社会で何も考えなくていい時間を設けるのは有意義であるということです。以前の記事のスマホ依存にも通ずる内容ですが。
ハルキストの義務はランニングである、やれやれ
僕がランニングを始めた後。大学での留年が決まり、時間を持て余していた頃。「せっかく時間あるし、ちゃんと読書しよう」と思い、色々本を読み始めるようになりました。その中で、最も心惹かれた作者が村上春樹。新作を出せば、人が群がるなんてのをニュースで見て売れ線かと思って一時期は敬遠していたのですが、読んでビックリ、ドはまりしました。何が好きなんだろう、文体なのか空気感なのか、何せドンピシャだったのです。
音楽・文学・映画などのカルチャーの匂いがするのも僕好みでしたね。その中で主人公の多くが生活でしている行為があります。
- 料理
- 水泳
- ランニング
- ジャズやロックを好んで聴くこと
- アイロンかけ
つい先日、村上春樹の著作で「走ることについて語るときに僕の語ること」という本を知りました。僕の好きな作家が僕の趣味について書いている・・・ 買わないわけにはいかないでしょう!にしてもまどろっこしいタイトルやな。笑
これ読んで、感じたのは「村上春樹もランニング好きなんだ!」ということ。ライフスタイルや生活の様式美をひしひしと感じたわけです。色々調べてみると、村上春樹はこれまでに世界各地のフルマラソンやトライアスロン・レースを走り続けたというではありませんか。
読めば、「走る小説家」なんて言われているじゃありませんか。そう考えると、そう考えるとですよ。僕は「走るブロガー」って言えるのでは!?(笑)
この本の中で好きな部分をいくつかピックアップします。
僕はどちらかと言うと、一人でいることをそれほど苦痛としない性格である。毎日1時間か2時間、誰とも口を聞かずに一人で走っていても、四時間か五時間一人で机に向かって、黙々と文章を書いていても、特につらいとも退屈だとも思わない。
これはとても分かる。占い師に自分のこと言われたのかと思った。(笑)
走ることについてはいくつか大きな利点があった。まずだいいちに仲間や相手を必要としない。特別な道具や装備も不要だ。
うーん、良いこと言いますね!
この小説を読んでいて感じるのは、やはり村上春樹はすごいなぁということ。自分のこれまでの走るという体験だけでこんなに内容の詰まった本を書けるなんて。
そして、この本に書いてある主張で僕の想いと完全に一致したものがありました。「別に長生きがしたい訳ではない。しかしどうせ生きているならその時間は目的をもって実りのある時間にしたい。走るという行為は、その思いを成就させる手伝いをしてくれる」というもの。
分かるなぁ、僕も自分の人生をよりよくするために走っているのです、きっと。でも、万人に勧めれるものでもないであろうとは思います。きっと走るのには、肉体というよりも精神に適正があるはず。心を無にして突き進むということが苦手な方では難しい。
ランニング歴6年にして装備品にこだわりが生まれた
こんな偉そうなことを言っていますが、あまりランニング周りの装備にはこだわってきませんでした。平たく言えばダサいランナーでした。私服やスーツはある程度こだわりはあるのですが、ことランニングウェアに関しては完全に無頓着でした。何故なら、ランニングコースは駅から離れていく道で知り合いに会うことが皆無だったから。誰に見られているわけでもないし別に構わないということで着ていました。
しかし、4月から東京に転勤になり、さすがにダサい格好で走り回るのもいかがなものかと思い購入。スポーツブランドを色々見て回りました。Nike、Adidas、New balance、Reebok、Pumaなどなど。生地がしっかりしているウインドブレーカーを探し、Reebokのものを購入。次点はNew balanceでしたね。
いやー、迷彩柄好きなんです。(笑)
そして、Tシャツは消耗品なのでユニクロで購入。これで何回か走りましたが速乾性は十分。これで1500円(税別)なんだからいい買い物でした。
あとは、ランニングシューズを買いたいな。ずっとこのMIZUNOのランニングシューズを使っているのですが、これも曰く付き。実はこれは買ったものではなくもらいもの。
僕が大学生の頃、弟が駅で見知らぬ人に声をかけられたそうです。その人はバックパッカーで日本中を旅していたそうで。その人が荷物が重く、「荷物を減らしたいから、この中から好きなの持って行っていいよ」と言われ選んだのがこのMIZUNOのランニングシューズ。家に帰り履いてみるとサイズが合わない。試しに履いてみると僕はピッタリ!これが6,7年前の話、つまりランニングを初めてから人にもらった靴で走り続けているとそういうわけです。(笑)
これもソールとかボロボロなので新調したい。Nikeのモノトーンのランニングシューズ欲しいなぁ。お金かけなくても楽しかったんだから、かけたらもっと楽しいはず。走るという行為は一種の信仰のようなものです、言ってしまえば。
ではでは!