僕は無神論者ですが、この世には何人かは「神様」とあがめる人がいるわけで。
その1人が映画監督クエンティン・タランティーノ。
2作目「パルプフィクション」を見て、脳を焼かれそこから映画好きに。
その神様が、2019年に新作を公開。
神の啓示を受けて、観に行ったわけですが相変わらずたまりません。
観るか観ないかで悩んでいる方、ぜひ行きましょう!
観ないと損しますぜ!
(転用元:https://eiga.com/news/20190424/3/ )
「ワンハリ」あらすじ
まず、ざっくり映画情報。
宮崎駿かタランティーノかってくらい引退を匂わせる監督、前作「ヘイトフルエイト」の際もこれで引退みたいなことを述べていました。
しかし、新作を作ってくれた、まず感謝!
ざっくりあらすじを書くと、
落ち目のハリウッド俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と彼のスタントマンであるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の話。
ニックは俳優としてのピークはとっくに過ぎ、今は勢いに乗っている若手に負ける悪役ばかり。
クリフは映画監督と揉めたりで、仕事もなくニックの運転手兼雑務係をしてます。
ニックは、ヤケになって現場でセリフ飛ばすしたりと愛くるしいポンコツ具合。
そんな彼らの日々のお話。
そしてもう一人の主役シャロン・テート。
彼女は勢いに乗る若手女優、同じく勢いに乗る夫の映画監督ロマン・ポランスキーとリックの隣に住んでいます。
そんな彼女の日々のお話。
主役は3人ですが、シャロン・テートに関しては実はドラマがない!笑
映画館に行ったり、本買ったり、パーティ言ってダンスしたり。
平和なもんです。
平和、、、、ではないんですね、実は。
シャロン・テートは殺害され悲惨な死を遂げている人物!
これは史実で、有名な事件。
つまりほのぼのしていますが、最後には「死」が待ち受けているのです。
落ち目の俳優とその親友でもあるスタントマンと死に狙いをつけられている美しい女優。
この3人の「おとぎ話」なのです。
Once upon a time(昔々)~なわけですから。
ここが見所!
まず、全体の評価で言えば最高!
まぁ、こんなのタランティーノなんだから当たり前ではありますが。笑
今回の映画は、僕のフェイバリット映画「パターソン」に近い気がしています。
ドラマがあるようでないような日常、でもそれが無性に心地いい。
初期のタランティーノ作品は、とにかく勢いがありました。
バイオレンスをキャッチ―に見せる名手で、随所にぶっとんだ描写があったものです。
大傑作「桐島部活辞めるってよ」で、映画オタクの主人公がクラスのヒロインと映画館で遭遇。
そのヒロインと話した時に、タランティーノ映画を観たことあるとヒロインに「何の映画?」と聞く主人公。
「うーん、人がいっぱい死ぬ映画!?」
と答え、ここで主人公神木龍之介演じる主人公前田くんが一言。
「タランティーノの映画は、基本的にいっぱい人が死ぬよ!」と。笑
これは本当にそうで、特に初期はごりごりに血が流れていたわけです。
ところが、この映画はそういったシーンは少ない。
(あくまで少ないだけ、ちゃんと用意はされています!笑)
これって昔の、それこそ1960、70年代頃の映画っぽい。
盛り上がる部分は一か所に備え、他のシーンは巧みに自然にそのシーンへと誘っていくというような。
その時代の映画はいい意味で「面白すぎない」。
高級スイーツが甘すぎないのと同じ。
リックがロケをしていてセリフを忘れるくだり。
クリフが荒廃した元ロケ場に行った際の延々と続く不穏な空気感。
シャロン・テートが、自分が公開されている映画をタダで見せてくれと交渉するとことか。
本当に見ていて気持ちいいシーンの連続!
どこに進んでいるか分からないストリーテリング、しかし史実によって定められている結末。
徐々に進んでいく映画内時間、悲劇の香り、、、、
いやー、タランティーノの最高傑作という方がいても頷ける傑作です。
タランティーノのインタビューから見える魅力
パンフレットも購入。
タランティーノ作品はパンフレットのクオリティも高い。
若干ネタバレかもですが、町山さんも言っていましたが、「イングロリアス・バスターズ」、「ジャンゴ つながれざる者」そして「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」には大きな共通点があります。
観終った時に僕も強烈に感じましたね、タランティーノまたやってくれたなと。笑
これは観終ったら分かります。
特に「イングロリアス・バスターズ」かな。
あと、映画観た後に知ったのですが、当時は俳優と背格好の似たスタントマンがペアで仕事していることが多々あったようです。
今ではあんまり聞かない話ですね。
この映画の中でも、リックとクリフのことを「兄弟以上、妻未満」と表現していました。
以前に、全く同じ服を着た俳優とスタントマンのペアがタランティーノを尋ね、俳優の方が「このスタントマンに何か仕事をあげてくれ」と依頼したとのこと。
これに感動し今回の話を思いついたそうです!
素敵やん!
重度のタラファンが気に入ったポイント
ハリウッドの街並
あと、個人的に観ていて良かったのがハリウッドの1969年の街並み。
夜になって、ネオンがつきだし何か楽しいことが始まりそうな雰囲気。
昼は、本当に歩きたくなるような街並み。
これ観て心底、ハリウッド観光してぇ~って思いましたね。
実際に今のハリウッドに、当時の古い看板を設置したとのこと。
なんとノーCGらしい。
ブルース・リーとマックイーン
僕が好きなブルース・リーとスティーブマックイーンが話に出てくるのです。
うひょー!
ブルース・リー役の俳優はマイク・モー。
実写版ストリートファイターで主演をしていた人、特に他に輝しい経歴はないっぽい。これで、人気者になってくれればいいですね。
サングラスかけたらかなり似ているのですが、とると何とも微妙。
しかし、話し方はそっくり!
(転用元:https://jp.ign.com/quentin-tarantino-manson-film/34136/news/)
ちょっと傲慢であまり魅力的に描かれてはいませんでしたが、タランティーノ曰く「本人は実際そういう気質はあったらしい」とのこと。
そして、マックイーン!
アクション俳優の王様、通称「キング・オブ・クール」ですよ!
かっこよさの王様ですからね。
銃の扱いに長けており、車やバイクをかっこよく乗りこなす、当時の少年達の憧れを詰め込んだ存在でした。
彼も出てくるし、何より彼の代表作「大脱走」のとあるシーンが出てきます!
この映画が好きで、何度もDVDで見返している自分にとっては鳥肌モノでした。
ちなみに、ここでこの映画唯一のCGが使われています!
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ちなみに、この映画はもともと本にする気だったみたいで、タイトルは「マックイーンになれなかった男」。
つまり、マックイーンの様に華々しい活躍を遂げている人が光りだとすれば、この作品のリックは闇といかないまでも影の部分。
この映画に、なくてはならない俳優なわけです。
(転用元:https://www.cinematoday.jp/news/N0066558)
主役3人が魅力的
ブラピとディカプリオの素晴らしさは言うまでもないですが、マーゴット・ロビー(シャロン・テート役)も素晴らしい。
ディカプリオ絡みで言うと、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で夫婦でしたね。
とにかくキュート、ちゃんと愛らしい。
おとぎ話の「お姫様」を体現しています。
タランティーノもインタビューで一体ましたが、シャロン・テートに関するシーンは日常のスケッチとのこと。
でも飽きない、というかずっと観ていたい。
ハーレクインだけじゃないんだぜ!
(転用元:https://atie.at.webry.info/201712/article_2.html )
まとめ
とにもかくにも、タランティーノが新作を出してくれてそれがまた最高な作品で。
映画の最中、永遠にこのハリウッドの話を観ていたいと思いました。
あと、この映画を観て感じた最も大きな感想が「映画が好きで良かった!」ということ。
1969年、当時のタランティーノは5,6歳。
当時の子供時代を懐かしむと同時に、その時の映画業界への愛情を表現してくれています。
元々レンタルビデオ屋の店員。
映画が好き過ぎて、監督になった男。
その男が、これだけ映画への愛情を示してくれたらそりゃ僕も自分の映画好きを全肯定できますよ!笑
2010年代ももう終わりの時期に、また一つ傑作が生まれたんじゃないかな。
ありがとう、タランティーノ!