YouTubeを倍速で見るのが、僕ら世代では当たり前になってきました。良いか悪いかはさておき。
いかに効率良く、時間をかけず、インプットできるか。ここにニーズが生まれているのは、間違いありません。

・「説明が長い」と言われたことがある
という人にむけて書きました。
この記事を読んでくだされば、

やるべきことは、3つだけです。
- 要点だけに絞って話す
- PREP法を使う
- 自分は倍速で観る機会を制限する
長い説明や、事前の背景共有など、飛ばせる部分は飛ばしても良い。「で?何が結論なの?」が、今の世の中で求められているんです。


そして意外と重要なのが、3番目。人には端的に、サルでも分かるように伝える。しかし自分は複雑な思考をできるようにしておく。
僕らは倍速でコンテンツを見たり、ショート動画を毎日のように観ています。なぜそんなことが可能なのか?
それは頭の良い作り手が、消費者に分かりやすく、離乳食みたいにドロドロに紹介しやすく提供してくれているから。
つまり自分も手軽に、さして自分の頭を使わず、インプットをしまくると、確実に思考力は衰えます。使っていない筋肉が衰えていくのと同じ。

この記事のまとめ
- 現代の若者はコスパを意識し、とにかく手軽で効率的なインプットを求めている
- 長い話でも、要点を3つに絞って、端的に説明するべき
- すぐに消える情報のインプットよりも、自分で考える力の方が遥かに価値がある
記事の前に自己紹介!

・一浪・一留を経て難関国公立大学理系を卒業→大手ブラック企業→超大手企業
・AbemaTVのオファーを受け、ひろゆきと討論しました
・20代で貯金1,300万円達成
目次
動画を倍速でみる現代人
B'zの代表曲「Love Phantom」の、約1分半のイントロをスキップして聴く。こんな人がいると知った時は衝撃でした。
しかし最近ヒットした楽曲って、確かにすぐに歌い出しから始まってるんですよね。
てっとりばやく
これが現代のニーズ。NetflixやYouTubeなど、コンテンツを倍速で見る人も世の中に増えてきました。

これは良いことでもあり、悪いことでもある。
1時間かけて得られていた情報を、30分で得ることができた。単純に生産性が倍になった。コスパも高い。
しかし一方で堪え性がなくなったとも言えると思うんですね。じっくり腰を据えて、味わう余裕がなくなりました。
僕は大好きなこち亀。実家に200巻全部揃っているのが自慢。
こち亀の中で、非常にハードに勉強している小学生が出てくる回があります。
小学生なのに大学受験に向けて、家庭教師に教えてもらいながら勉強に励む。しかし勉強だけの生活ではなく、クラスメートとの会話にもついていかないといけない。
人気のバラエティ番組やドラマを観ていないと、クラスでの会話から浮いてしまう。ではどうしたか?
番組を録画し、3倍速で再生する。この話が出たのは1980年代後半。注意すべきは、これはボケのシーンということです。
この話を読んだのは、僕が確か中学生の頃。読んだ際に、

って思ったのは記憶に残っています。「何をそこまで急ぐことがあるんかね」って感じ。両さんも話の中で、ちょっと引いてたし。
僕は趣味が映画鑑賞で、年間100〜150本観ています。ちなみに映画は倍速で観たことありません。こだわり感じるやろ?
1970年代とか1980年代は、めちゃくちゃ名作の映画が多いんです。本当に面白い作品が多い。
しかしその面白さは、現代だとちょっと分かりづらいんです。映画の中で盛り上がるシーンは、ごく一部。
思わず見入ってしまうアクションシーン、なにか大きな事件が起きるシーン。これはちょっとしかない。
しかしそこに至るまでの人物描写や、世界観の構築。準備が周到になされている。じっくり観て、ごく一部のシーンが来た時に「ああ!そうなるのか!」と感動する。
かたや今ヒットしている映画は、冒頭から終わりまで、ずっと盛り上がるシーンだったりします。作り手が飽きられないように制作しているのが分かる。
エンターテイメントのあり方が変わってきているのを如実に感じます。
分かりやすく伝えることにニーズがある
なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか。この社会現象を考察した新書「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在形 」。
この本によれば、コンテンツがとにかく増えたことが大きな原因。流行りの作品、話題となる作品が多すぎて、とても見切れなくなってきたという背景があります。


まとめるとこんな感じ。
- 若者は楽してインプットをしたいコスパ至上主義
- ヒットした話題作は、とりあえず結末だけでも知っておきたい
- 倍速視聴しても、内容が分かるコンテンツに需要がある
- 短くて端的に要点を理解したい人が増えている
鶏が先か卵が先か。倍速で観るようになったから、分かりやすいコンテンツが望まれているのか。分かりやすいコンテンツが増えてきたら、倍速視聴が根付いたのか。なんとも言えない。

と覚えておけば問題ないです。
コンテンツもとにかく分かりやすくなってきている。消費者が使う脳のカロリーを、とにかく抑えるように作り手は工夫してるんですね。
この傾向は映画でも表れていて、状況を全て口で説明するようになってきているんです。
例えばとある登場人物が電話に出る。その電話で友人が事故にあったと聞かされる。

とか言っちゃう。普通に考えるとおかしい。僕らがそんな電話を受けたら、「うそやん?」とか「マジで?」とかリアクションするはず。
映画の観点でいけば、セリフで全て説明するのは、野暮の極み。あまりにもダサい。

と口で言わずに、表情で見せる。観客は「この人怒ってるのかな」と類推する。これが本来あるべき形。
倍速視聴の弊害
- 自分で考え、解釈する余地を、奪われてしまった
- 頭の良い作り手が、分かりやすく噛み砕いてくれたものを、消費者は飲み込むだけの存在になってしまった

何事にもメリットとデメリットは存在する。効率的にインプットできるようになったけど、自分で考える力を養う機会は減ってしまいました。
分かりやすく伝えるためには?

これが世の中のニーズ。つまり僕らが何かを人に伝える・説明する際、もしくは発信する時には、このニーズを満たすのが望ましい。

高等な論理を説明しなくても良い。事前説明や背景説明に時間をかけなくても良い。この需要を満たせれば、一歩リードできるはず。
分かりやすく伝えるには?
- 要点だけに絞って話す
- PREP法を使う

要点だけに絞って話す
とにかく要点だけを、まとめて提供する。
逆張りで考えてみる。話が伝わらない人の特徴は、とにかく要点が話の中に散っている。
TOEICのヒアリングみたいな感じ。全文聞いて、考えてやっと分かるみたいな。

寿司職人になるには、「飯炊き3年握り8年」 と言われていたそうです。
- 1年目…洗い場、出前、ホール業務
- 2〜3年目…飯炊き、貝類や小魚を捌く、玉子を焼く、まかないを担当
- 4〜6年目…カウンターに入り、巻物や軍艦を担当
- 7〜9年目…握りを担当
- 10年目…一人前

しかし「寿司アカデミー」という会社の教育課程では、江戸前寿司はなんと2ヶ月でマスターできる。
実際にそこの卒業生の方のお寿司は食べたことはなく、滅多なことは言えませんが、とにかくプロになってるのは間違いない。

実際に僕も記事を書いている中で、最初に結論を書いたり、要所要所で箇条書きなどでまとめています。
ちなみに心理学では、マジックナンバー3というものが存在します。
物事の説明をする時に、具体例を3つ挙げると説得力が増すとされるというもの。
2つだと足りない、4つでは過剰。「3つが適度」と感じる心理です。
ハットトリック、3アウト、三国志、遊戯王の神も3体。3というのは、なにかと納まりがいい数字なんですね。


- 聞く相手の脳のカロリーを0に近づける
- 本当に重要なポイントは少ない
- マジックナンバー3を意識し、要点は3つに絞って伝える
例えばこんな感じです。
PREP法を使う
最初に結論から言う。結論ファーストってやつ。
おそらく今まで聞きまくったことのあるアドバイスだと思うのですが、意識しないと実践できない。
「コンサル1年目が学ぶこと」という本でも、記載されていました。しかも一つ目の教えとして。


そう思われた方もいるかもしれません。
ここは偉大なる先人の知恵を、パクりましょう。「PREP法」という型があるんです。
PREP法とは?
- 結論を示す(Point)
- 理由を述べる(Reason)
- 具体例を挙げる(Example)
- 再度結論を示す(Point)
この方法に則って、話すだけ。

- 小説を読むことには意味がある(結論)
- 自分の経験できなかった世界や、人物とのコミュニケーションを追体験できるから(理由)
- 職場で困った人がいても、「あの小説のキャラっぽい」と対処しやすくなる(具体例)
- だから小説を読むことには意味がある(再度、結論)
長文の説明には向きませんが、端的に話を伝えるなら、効果抜群です。ぜひ使ってみてください。
自分の思考を保つ努力をする
考える力>効率的なインプット
ここからが実は最も重要なポイント。
人には分かりやすく、要点を絞って伝える。これは実行していきましょう。
しかし問題は自分。自分は倍速は必要最低限に絞って使いましょう。

倍速で視聴しない。というか倍速で試聴しても問題ないコンテンツを、極力選ばない。
人に吸収しやすくしてもらった離乳食みたいなコンテンツばかりをインプットしていては、自分で咀嚼する能力が消えてしまう。
脳は負荷をかけるから、成長する。楽だからとこの脳の筋トレをサボっていては、退化するのみ。
頭の良いクリエイターたちが、もっともっと頭を使って、分かりやすいコンテンツを作る。
消費者は、もっともっと頭を使わずに、コンテンツを享受する。これが続くと、消費者がクリエイターになれる可能性は激減してしまう。
倍速にして短期間で倍の有象無象の情報を得るよりも、自分の頭で思考できるスキルの方が、はるかに価値があると思う。
そのうち忘れる情報を急いで吸収するよりも、ひとつひとつの情報を持って自分の考えを広げるべき。
「読書について」から見る倍速視聴
140年近く昔に書かれた、古典中の古典「読書について」。ショウペン・ハウエルというドイツの哲学者による本です。
この本の趣旨は、極端に書くと「本を読むとバカになる」というもの。

本の中では体系だった考えや論理が載っていて、読む人は自分で考えずに済むよね。こういう話。
怖いですよね。本ですよ、本でこのレベルのことを言われているんです。
140年前は読書をしても、考える力が失われるって警鐘を鳴らされていました。
ましてや動画。しかも倍速にしても、なんら影響なく分かってしまう動画。付き合い方を考えないと、考える力は、どんどん奪われます。
「読書について」では、読むべき本も紹介されています。それは一過性のベストセラーではなく、古典や昔からの良書。


人には分かりやすく、自分には分かりづらく。そうしないと頭の良い人たちの養分にされてしまう。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 現代の若者はコスパを意識し、とにかく手軽で効率的なインプットを求めている
- 長い話でも、要点を3つに絞って、端的に説明するべき
- すぐに消える情報のインプットよりも、自分で考える力の方が遥かに価値がある
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この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!