日本のヒップホップシーンにおいて、クールな数字って分かりますか?
何かのジャンルに数字が紐づいている場合って多いですよね。
- デニムならば、「501」か「101」
- スニーカーでは、「23」
- 渋谷だったら、「109」
- アイスだったら、「31」
答えは、「045」!!(「420」という数字もありますが・・・笑)
これは、何の数字か・・・・答えは、横浜市の市外局番です!
実はこの横浜の市外局番の3桁をヒップホップ1のクールな数字にしたグループがいます。それがOZROSAURUS(オジロザウルス)!通称は「オジロ」!
(転用元:https://clubberia.com/ja/artists/1931-OZROSAURUS/)
OZROSAURUS(オジロザウルス)とは!?
(オジロザウルスのTwitterより引用)
元々は、MCであるMACCHO(マッチョ)とDJ SN-Z(スニーズ)との1MC+1DJ体制。(初期はDJ TOMO)
今では、バンド体制になり6人組へ。この2名に加え、ベテランバンドマン4人が加入しました。出身は勿論横浜、「ハマの大怪獣」とも言われています。
横浜という日本で言えば東に住んでいるのですが、音楽は紛れもない西海岸スタイル。本場アメリカで言えば、ドクタードレーなどに代表されるジャンルのラップ。
バンドになるまでの大きな特徴が、「G-Funk(ジーファンク)」と呼ばれるもの。
G-Funkとは
特徴として、ヒップホップの基本的な手法であるサンプリングに加えて生楽器も多用していること、シンセサイザーによる特徴的な旋律、ゆったりとしたグルーヴ、サビにコーラスを多用することが挙げられる。
(Wikipediaより)
個人的には、日本で最もG-Funkを上手く落とし込んだのがオジロかなと。そして、それを下敷きに更なる次元へと到達したのが大きな功績です。
海外で流行っているものを日本に持ち込み、ローカライズさせたわけです。やっていることはやり手のビジネスマンと同じ。
僕が思うマッチョの凄さ
ラップ編
日本のMCでおそらく世界で通じる稀有なMCの1人がマッチョ。一言でいえば、「タフネス」と「パワフル」!!多分バイブスとパワフルさで言えば、日本一!
以前、バイブスがすごいMCとしてMr.Qを紹介しましたが、少しタイプが違います。
Mr.Qは、論理で攻めている。しかし、マッチョはもう完全に「野生」と「センス」。この2つで、バチバチに火花飛ばしているイメージです。
まず、声が抜群にかっこいい、一回聴くと絶対忘れない。様々な曲のfeatで参加していますが、一発で分かります、「あ、マッチョいるやん」って。
それくらいパンチの利いたラップをするんです。
メロウな雰囲気でも、決まっているのですが、やはり輝くのは畳み掛ける攻撃性の高いラップをする時。勢いを増している時に、真骨頂を発揮します。
今まで、地下迷宮に閉じ込めていた怪物を一気に解き放ったみたいなもんです。エネルギッシュに暴れまわりますね、いやはや。
バンド体制になってからの曲ですが、この曲が一番オススメ!
youtu.be
パンチライン編
また、楽曲で数々のパンチラインを残しています。ちなみに、パンチラインとは「聴かせどころ」、名台詞くらいに覚えててくればOK。
これは、先月に行ったライブでも、ZORNが言っていました。「マッチョくんも言ってたけど、どの口が何言うかが肝心だと思っていて~」と。
この表現も、非常にサンプリングされますね。確かに、バイブス周りの表現って確かに少し分かりづらい。形容詞何やねんって。笑
「バイブスいっぱい?」、「バイブスたくさん?」、「バイブス多め?」、どれだ?
オジロ聴いてバイブスという名詞の後ろにつく形容詞として、正しいのは「満タン」なんだなと知ったヘッズは僕だけじゃないはず。
過去の今井 華にも教えてあげたい。(笑)
このフレーズも、良くサンプリングされてますね!ラッパーたる自負が溢れています。オートチューンでごまかすなんてもってのほか。
とか、
とか。この2つのフレーズも、好んでマッチョが使っています。オジロやマッチョ客演の聴いていると、自然に耳に残りますね。
あと、個人的に好きなマッチョのリリック。横浜では生意気言わせないぜって攻めの姿勢が感じられるこのフレーズ。
この数字の遊びのセンス、たまらん。笑
まずは1stアルバム「ROLLIN’045」
オジロザウルスを聴きたいとなれば、まずは1stアルバム「ROLLIN’045」。約20年前の2001年に発売されたのにも関わらず、今でも全く古びない超名盤。
オジロザウルスの一番の名曲「AREA AREA」が収録されているのもこのアルバム。ビート、ラップ、リリックが全て精緻にまとまっている奇跡の一曲。
www.youtube.com
お忙しい方はせめて、この曲だけでも聴いてほしい。
となること必須。
とにかくこのアルバムは捨て曲なしの名曲揃い。バトルで使われるビートの元の曲も多い、サンプリングされているリリックも多い。
多分理由は簡単。今活躍している日本のラッパーやDJでこのアルバムを聴いていない人は一人もいないからだと思う。
みんな聴いている、全曲かっこいい、だからみんな使っちゃう。完全にこういう流れなはず。
アルバムを全体のテイストとしては、メロウな感じ。早すぎず遅すぎずなビートに乗せて、マッチョが抜群のラップを披露しちゃってる。
マッチョは1978年生まれ、日本語ラップで1978年生まれは超当たり年。晋平太とかAK69も1978年生まれ。
そして、その晋平太もAK69も口を揃えて、
と言っていました。ラッパーに恐れられる凄腕のラッパー、恐るべし。そんなマッチョの存在が世の中に認知され、日本中のラッパーを奮い上げさせる原因になったのがこの1stアルバム「ROLLIN’045」。
傑作アルバム「Rhyme&Blues」
オジロを知ってもらうための更なるアルバムを紹介。「Rollin’ 045」とあわせてこちらも!
オジロ節全開の3rdアルバムです、横浜と西海岸の風を感じる名盤。ちなみに、音楽雑誌のMUSIC MAGAZINEやBLASTでBEST HIPHOP ALBUM 2006に選ばれたとのこと。
まず、大きな特徴は「G-Funk」!たゆたう様なメロディーに、美しい声の女性コーラス、そして力強くも地に足が着いたマッチョのラップが混ざります。
この作品は間口の広さも大きな魅力、普段ヒップホップを聴いていない人でも違和感なく聴くことができるはず。
そして、やはりオジロだなぁと感じるのは、きちんと攻めの姿勢も見せていること。激しい曲、黒いドープな曲もちゃんと味わえる!
その中でも、白眉は「Disrespct 4 U」。これはラッパーKrevaに向けたディス曲です。(「ディスる」という言葉自体、「ディスリスペクト」の略語です。)
FeatのZeebraもバチバチにかましてますね。マッチョの痛烈なディスや、いかついライミングも鳥肌もの。
ジブラも英語のライミングを、違和感なく織り込むスキルフルな面を見せつけてくる。ていうか、この2人にこんなけ言われたら、俺やったら泣いてまうで・・・笑
個人的には、このアルバムはドライブの時に聴きたいですね。めっちゃペーパードライバーではありますが。(笑)
もともと西海岸は車社会、西海岸で生まれたヒップホップは車で流すための音楽なのです。オジロをかけてドライブすれば、クールでホットで不思議な風が吹くはず!
- アーティスト: OZROSAURUS,ZEEBRA,BIG RON,SORASANZEN,SAY,Kayzabro,般若,GHETTO INC
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2006/03/15
- メディア: CD
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
まとめ
神奈川県横浜市は日本のヒップホップで最もホットなスポットの1つ。そして、そのハマのてっぺんにいるのがオジロザウルス。
つまり、オジロを聴くことは、日本のヒップホップシーンの核心に迫るのと同義なのです。
まだ聴いたことない人は、是非聴いてください。特にこんな人にお勧めです。
- バイブスが欲しい人
- 日本語ラップの基礎を押さえておきたい人
- テクニカルなラップが聴きたい人
ちなみに、関西のとあるデパートでは、お手洗いに行く際に隠語があるとのこと。「横浜行ってきます!」というらしいのです。「045」で「お◯っこ」ってことらしいです、うーん色々あるな。笑
ではでは!