オズワルド、この名前でイメージするものは誰でしょうか?人によっては、ディズニーでしょうか。

実はそんな曰くつきの名前を持つニューカマーがHIP HOP界にいます。沖縄からシーンの芯を射抜く新世代ラッパーのOZworld(オズワルド)をご紹介。
元々の名前はR'kuma(レオクマ)。そこから、OZworld(オズワルド)の名前をつけ、「OZworld a.k.a. R'kuma」として現在活動中。
ちなみに、HIP HOPで「a.k.a.」は、「as known as」の略。別名みたいな感じですね。彼が世に出た瞬間から知っていた僕としては感無量。凄さを少しひもときます。
始まりは高校生ラップ選手権
第9回初出場
レオクマは高校生ラップ選手権第9回に初出場。出身は沖縄県嘉手納町。ちなみに本名は、「奥間 玲央(おくま れお)」。

結果から言うと、彼は1回戦負け。相手は後の2代目フリースタイルダンジョンのモンスターで、その9回大会で優勝する裂固。まぁ、相手が悪かった気もします・・・笑
しかし、卓越したビートアプローチとスキルフルなライミングを披露。わずか8小節2本をラップしただけにも関わらず、強烈なインパクトを残しました。
アメトークに初登場し、爪痕を残して引っ張りだこになる若手芸人のイメージです。
第10回にも連続出場
そして、続く10回大会。これは1~9回チャンピオンと、人気投票で選ばれた9人の過去出場者がしのぎを削るものでした。
その人気投票で、なんとレオクマが選ばれたのです。よっぽど9回のインパクトがあったのでしょう。
ここでは、2回戦敗退。これを機に、レオクマは高校生ラップ選手権から姿を消します。というか、普通に卒業か。笑
HIP HOPムーブメントの中核に
そして、10回以降にフリースタイルダンジョンにチームで参加。アインシュタインと裂固の3人チームで参戦しました。
また、AbemaTVの番組「世界1周サイファー」にも出演。ヒップホップのエンターテイメント色が濃い番組に次々に出るんです。
そして、この時期にレオクマの音源を聴きました。バトルしか見たこと無かったのですが、この曲は異常にかっこいい。
これ一発でファンになりました。しかし、まだアルバムも出ていなかったのですね。深堀しようにもできない、そんな状況でした。
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そして、特にレオクマを世に知らしめた(完全に僕の偏見ですが)のが、「SMASH HIT」と言う番組。MCとDJのペアを2組作り、期限内に楽曲を制作、そのクオリティを競うというもの。
ここでレオクマは飛ぶ鳥を落とす勢いのBAD HOPのメンバーYZERRと対戦。見事勝利を飾ります。
レオクマとペアになったのは、DJ HAZIME。NITRO MICHROPHONE UNDERGROUNDでもお馴染みのベテランDJです。
(転用元:https://www.ozworld-rkuma.com/single-post/SMASH-HIT-battle3)
この時に知ったのですが、彼は「OZworld a.k.a. R'kuma」に改名していました。僕的には、あまりレオクマを見ていない期間だったので、「ん?名前変わったんだ」ってなくらいでした。
芸人でもコンビ名改名するのってたまにありますよね。きっと大きな理由があったり、願掛けがあったりするかと思います。
レオクマもそうで、改名して分かったのですが、名前に恥じないファンタジーでメルヘンな音楽作品を作り出したのです。
ちなみに、僕がオズワルドと聞いた時の脳内・・・
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ファーストアルバム「OZworld」
そして、2019年遂にファーストアルバムをリリース。これがかなり彼の世界観を表現する作品になっているのです。
沖縄って音楽的才能に恵まれている人が多いという偏見を抱いているのですが、正にレオクマもその一人。このアルバムを一言で言うと、「大人が聴くに値するファンタジー」!
映画で言うと、ティムバートン作品に通ずるもかも。この作品もさることながら、歌詞カードもなかなか興味深い。レオクマのこれまでの活動をコンパクトにまとめてくれています。
オズワルドに改名した経緯については、以下の様に語っています。
ウォルト・ディズニーが最初に作ったキャラクターがオズワルドって言うんですよ。
あとは、ケネディ米大統領を暗殺したと言われる犯人もオズワルド。
仮想現実を作ってヒットしたゲームの名前もオズワールド。
調べれば、調べるほど、僕の中に降ってきたイメージに導かれて行く様にあてはまっていくんですよ。
作品は、南国琉球の森の中にある摩訶不思議な迷宮に誘われているような世界観。ビートもごりごりのヒップホップではなく、何かの映像作品のサウンドトラックのような感じです。
歌詞カードにも、この作品について以下の様に表記しています。
自身の名前でもあり、アルバムのタイトルにもなった「OZworld」とは彼が創り出す世界を現している。
それは大作映画のようであり、身近な友人と思い出を語る場所であり、童心に帰らせるテーマパークである。
楽曲はこの世界を彩るアトラクションのようなもの。
きっと、レオクマには自分が桃源郷と仰ぐ世界がイメージできていて、その世界をビートとライムで五感で感じれるレベルにまで落とし込んでいるんだと思います。
面白くないことや、納得いかないこと、くだらないこと、汚い大人が入り交じっている世界でここではない世界を歌っているレオクマは永遠の「ピーターパン」なのです。
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ではでは!