9月。夏休みが終わって、仕事開始。ブランクすごい。働きたくない。とにかく雨の降る一ヶ月だった。でも涼しい。ここ数年で一番快適に過ごせた夏だった。

今月のお金の収支
使ったお金まとめ

| 家賃 | 53,880円 |
| 駐車場代+保険 | 20,000円 |
| 電気 | 11,000円 |
| 水道代 | 2,500円 |
| 通信費(スマホ) | 3,281円 |
| 通信費(Wi-Fi) | 5,368円 |
| Netflix | 1,490円 |
| ブログサーバー代 | 1,100円 |
| 合計 | 96,119円 |
変動費は60,150円。旅行から帰ったから、ちょっと抑えめ。交際費と食料品、プレゼント代が主。
資産推移


| 証券口座 | 50,367,602円(+22,125,720円:+78.34%) |
| 銀行口座 | 1,360,881円 |
| ゴールド | 793,388円 |
| 合計 | 52,521,871円 |
今月はアメリカ株が下がった月だった。先月よりも100万円もダウンしている。毎月の給与分なんか誤差で、市場の動きにこそ左右されてしまう。準富裕層も楽じゃねぇぜ。
良かった&悪かった、お金の使い方

面白いお金の使い方はあまりない。弟の結婚祝いに、圧力鍋をプレゼントしたくらい。人のために使うお金というのは価値がある。
自分には特にお金を使ってはいない。「オデュッセイア」を見たけれど、会社の福利厚生サービスを上手いこと使うと、ポイントなども使用したら無料で観ることができた。
自分では倹約家だと思っていたけれど、まだまだ伸び代はあったらしい。これまで使えるサービスだったけれど、なんかよく分かっていなくて、使ってなかった。
少し自分で探してみるとか、手間をかけてみるだけで、ライフハックはまだまだ見つかりそう。
今月に観た映画まとめ


- ロブスター
奇妙。奇天烈。摩訶不思議。荒唐無稽。愛は盲目、ラブ・イズ・ブラインド。パートナーができなかったら、動物にされるという設定。しかも生まれ変わるとかファンタジーな感じではなく、強制的な手術で、という誰が得するねんって世界観。欧米社会では、カップル文化で、公の場はペアで赴くことへの皮肉かもしれない。共通点があったら、親近感が湧くという恋愛あるあるがなんとも滑稽。好きな子が鼻血が出やすいから、自分も机に顔を打ちつけて鼻血を出すみたいな。またその風潮に反抗し、カップル文化を壊しにかかる団体も、思想があるように見えて、やってることはカップルを疎ましく思ってるモテない中学生みたいな感じ。で、そのアンチ組織に入って、好きな人ができるってのも皮肉が利いてて良い。世界観の構築も良くできているし、収納されるずっとなんかキモいホテル内の生活も細部までこだわって面白い。 - ぐるりのこと
倦怠期カップルもの、好き。リリーフランキーが気だるげだけど、やっぱり存在感とか色気がある。妻の木村多江の危うげな感じも良いし、子供にまつわる話とか、職場での軋轢とか、リアリティがある。書店で行われたサイン会であった、木村多江の号泣シーンなんかもとても可愛そう。物語の本筋ではないけど、裁判のイラストを描く仕事で、陳述をする被疑者がことごとく胸糞なのも良い。親戚家族の浅薄で思いやりもない感じで描かれるけれど、最後にはどこか親しみを覚えてくるの好き。美大で出会った二人が、それぞれ絵を描くということで自分の存在感を見出すというオチも良いし、夫婦関係において、外の世界で自分の役割を持っていることが大事なんだなと思ったり。まさに雨降って地固まる映画。
- I like movies
カナダが舞台。好き。傷だらけというか、人としての痛さ満載の青春。映画好き、冴えないオタク、おそらくADHDの高校生主人公。めちゃくちゃ我がままだし、空気が読めない、自分の話ばかり、でもこういう人は年代や国籍に関係なくいる。過去にトラウマを負っているけど、それを言い訳にしまくって、あんまり相手にされなくなってきているのもリアル。仲良しの友人に、「高校の人間関係は仮で、大学生から本物!」みたいな舐めた発言かますし、自分の不注意でバイト先に空き巣が入っても責任感がまるでなし。でも最後の最後は、反省を活かして、人の話を聞くというコミュニケーションを取り出したのはえらい。友情関係に、女性の影が入って、ズレてくるあたりも良い。あとなんといってもバイト先、店長が良い。映画業界の裏側や性的なダーティさを体現しているけれど、最後には再び演技に向き合う。明るい、キレたらめっちゃ口悪い、でも姉貴肌、色々な役割を無理なく体現している存在。DVDショップでバイトしてみたかったなと今更思う。 - ハンニバル
羊たちの沈黙、の続編というのか、スピンオフというのか。まあまあって感じだけど、やっぱりハンニバル・レクターはめっちゃ好き。映画史にも残る悪役の一人だと思う。アンソニーホプキンスの佇まいも最高。フィジカルではなく、知性、冷徹さ、倫理観のなさなどメンタリティで、唯一無二の悪役って感じ。クラリスはジョディフォスターが続投してほしかったけど。パリに潜伏しているレクターを、賞金欲しさに捕まえようとする警部の浅薄さも好きだし、自然とレクターを応援してしまってる。また昔レクターの被害にあった錯乱してる金持ちも良いキャラしてるし、曲者ばかりのキャラたちが良い。善人は一人もいない。最後の脳みそを弄るハンターハンターのピトーもびっくり描写もキモくて良いし、ラストの機内食シーンも良い。やはり昔なので、予想をそこまで裏切ってくれない追跡シークエンスはだれたものの、好きなシーンが多い映画。 - バスターのバラード
意外とまだまだ未見のあるコーエン兄弟作。6作品の詰め合わせ。最後の二つが特に好み。明確な起承転結があるものの、そこに至るまでの歌とかセリフとか、キャラの妙味で見せる作品。特に最後の二つが好き。ビターな結末が全部あって、味わい深い。リーアム・ニーソンが出ているサーカス一座の話も、フリが利きまくってて、最後に鶏に代替され、語り部の男が捨てられるというラストも良い。一団で荒野を渡る際に、会ったこともない遠方の男性に嫁がされる娘が、道中のタフガイと結ばれるも、先住民の襲撃に遭う。ピストルを渡され、「あいつらに捕まったらめっちゃキツいから、いざとなったら自分の頭撃ちぬけよ」と言われて、早まって撃ってしまうってのも最高。最後の話は、これといった展開もないのだが、会話で見せてくれるし、不穏な空気も最高。こういう作品も、たまに見ると楽しい。 - ロボットドリームス
めちゃくちゃ好き。ほのぼした絵柄で、動物がメインの世界。そう聞くとユートピアっぽいけど、全く別物。1980年代のニューヨークが舞台で、細部に至るまで、描き込みが凄まじい。後はとにかく音楽使い。AWFのセプテンバー、なにはともかくこの名曲。主人公の犬が、孤独のためにロボットを買うところから話がスタート。この犬は友人というかパートナーを、お金で購入しているのだけど、そこは飲み込むしかない。会話は一切ないけれど、それ以上に雄弁に語ってくれる。楽しい日々が続き、面白いアイデアで、二人は一年間離れ離れに。一年後の再開を夢見る間の、それぞれの時間の過ごし方もまた好き。そうして再会できるかと思いきや、ロボットが別の場所へ。そうして、新たにそれぞれのパートナーと出会い、思い出を作っていく。パストライブスやラ・ラ・ランドにも通じるラスト。変に再会させることなく、すぱっと美しい思い出にしたのが素晴らしい。 - 恋人たち
寡作なことでも知られている橋口亮輔監督作品。3人の男女にまつわる話。こういうのって、どこかでこれみよがしにクロスオーバーするもんなんだけど、そうではないあたりに品を感じる。主人公の一人である篠塚パートが印象的で、徐々になんでやさぐれてるのか、なんで妻と死別しているのかが明らかになってくる。貧困なのも、裁判のための弁護士費用を貯めていたというのが分かったり、妻の妹が被害者の妹なのに、周りから人が離れていったというのもツラい。でも職場や周囲の人間の温かさで再生していくし、心を許した人だけには、心の中の黒い部分を吐き出して聞いてもらうというのも良い。また冴えない主婦である瞳子のウシジマくんに出てきそうな、不倫、夢追い、情弱商品、ロマンス詐欺、すんでで止まる、という流れも良い。なんというか、本当にそこらへんにいそうな、垢ぬけないおばちゃん感。嫌味な弁護士パートも好きで、同性愛者で、昔馴染みで本当に好きだった男から距離を置かれるんだけど、その男は行為に気付いておらず、むしろ自分の息子にいたずらをするんではという危惧からだったというのが泣ける。あまりに嚙み合っていないコミュニケーションシーンが出てきて、そのたびに、「一方的だな、しんどいな」っていたたまれなさを感じさせてくれる。名作。 - 愛はステロイド
家族が揉める話と言ってしまえば、身も蓋もないけど、好きなシーンがてんこ盛り。主人公のルーと、運命的に出会ってしまうジャッキー。同性愛の性描写も良い感じ。テルマ&ルイーズみたいになるかと思いきや、逃避行しそうでしない。ボディビルを手伝う、ステロイドを与える、比喩的な意味でも肉体的な意味でも、相手を変えてしまうという展開。父親が独特の禿げ方をしてて、出てくる男性は総じてクズばっかりなのも良い。ジャッキーが暴走して、愛するルーのために、凶行に走るも、それで嫌われてしまって、ボディビル大会に出るも、ゲロリンチョしちゃうってテンポの良さ。パンプアップした恋愛の前に、男はなす術もない。ジャッキーが途中で、「あれ?なんかデカくなってね?」ってシーンがあって勘違いかと思ったけど、最後にマジで巨人化してしまうのは一本取られた感じ。最後の最後で、ルーも、一線を越えてしまって、二人仲良く殺人犯になったってラストもロマンス。 - オデュッセイア
最高。クリストファー・ノーラン万歳。相変わらずCG使ってないんだろうな、マジであのサイクロプスどうなってんだろ。行って帰ってくるというのが、物語の基本プロット。行く話は終わってて、全然帰ってこないですね、からスタート。紀元前の英雄譚かと思いきや、血塗られていて、あまたある犠牲の上に成り立った英雄であることが分かる。回想的に語られる史実で、トロイの木馬で乗り込むシーンはアガるけれど、最後まで見てみると、雰囲気が変わってくる。最初は訳分からん固有名詞ばっかり、名前の末尾に「ス」がつきすぎ。島に辿り着くたびに試練が待ち受けているし、セイレーンの歌、山小屋で食事をしたら豚になる「千と千尋」式トラップ、血の儀式をしたら蘇る死者たち、などなど好きなシーンは盛りだくさん。サイクロプスの洞窟シーンは、大画面で見て本当に良かった。役者も最高。オデッセイの主演であるマット・デイモンが、マジもんのオデッセイをする。トムホランドとゼンデイヤのコンビ、そして小物だけどラスボスのロバートパティンソン。弓矢の伏線も良いし、ロバートパティンソンが全編通じて、コツコツと嫌な奴ポイントを貯めていてくれて良し。 - スマッシングマシーン
ドウェイン・ジョンソン主演。格闘技ファンからしたら観るべき一本。明確なカタルシスがあるわけではなく、黎明期のPRIDEや日本における格闘技の世界を知ることができる。出てくる選手は知らなかったけど、今よりもはるかに少ないファイトマネーで戦っていたのも味わい深い。ただガールフレンドとの、口喧嘩シーンがとにかく冗長。カップル間の犬も食わない喧嘩ってこんな感じだよなって、万国共通っぷり。カタルシスらしいカタルシスもないけど、メインキャラの肉体は説得力あるし、負けていく過程も良い。負けて、ドラマが生まれなかった世界戦のロッキー。一緒にトレーニングをしていたコールマンも主役になれそうな人生。鎮痛剤依存をめぐる主人公の葛藤や、対戦相手から受けた反則プレーなど、なるほど色々あったんだなあとしみじみしてしまう。
今月に読んだ本まとめ
読んだ本リスト


- ゾンビ回収婦
芥川賞受賞作。テーマは面白かったけれど、サクサク読み進めれる感は少し薄いかも。視点やシチュエーションが変わることが多く、話の絵が浮かびづらいと、ストーリーを追いづらい。AIに仕事を取って変わられる、という現代性。仕事を奪われた夫婦、夫は妙に楽天的で、自由を謳歌し始める。主人公の妻は、仮想ゲーム空間で、居場所と仕事を探し始める。この対比が面白い。NPCとして生きていくというのが、ありそうでなかった。レディプレイヤー1しかり、相場は主人公なのに。日陰者で良いし、変化もなくて良いから、自分の役割があると安心するんだろうな。NPCとしての生活、NPCがゆえ、ゲーム空間がゆえ、すぐにキャラクターが代替されていく。でもゲームの中だっけ、現実世界でもそうじゃないの?なんて気にもなる。AIと仮想ゲーム空間というのは近未来的な話だけど、浮気や不倫で、実生活ではないところに、自分のポジションを求めるという意味では、古今東西ある「逃避行」の話なのかもと思ったり。 - 月と6ペンス
世界的なベストセラー。ヨーロッパ旅行後に読むと染みる。話の中心にいるのは、40歳までは株式仲買人として働くも、急に家族を捨てて、絵描きになるストリックランド。金融というのがイギリスっぽい。このストリックランドというのが強烈で、人間的には下劣なんだけど、美学を持ち、人に媚びない、図々しさを持っているのが面白い。見た目の迫力や、野性味から、女性には好かれるし、絵を描く才能で男も惚れ惚れしてしまう。女性蔑視にもほどがあるけど、100年以上も前ならそんなもんかねって感じ。出てくる画家たちが、対比として良い塩梅で、ストリックランドの人物像が際立つ。「女は自分を傷つけた男は許すが、自分のために犠牲を払った男は決して許さない」という、深いような深くないような、偏見なような、そんな気もするような、パンチラインを吐きまくるのも面白い。「国宝」とも通ずる部分がある、芸術に狂った男の数奇な人生。 - アンチグッドモーニング
好き。会社のテレワークで、業務時間外でも無茶ぶりくる感じ、不眠症で悩む感じ、感情移入できる。眠れなくて現実とファンタジーの境目が曖昧になっていくのが本筋なのかもだけど、個人的には、会社のヤバエピソードや、不眠症あるあるの方が好き。無駄にポジティブを強要してくるくせに、メンタル疾患多かったり、役職者が部下が体調崩して自分の評価を気にする鬼畜っぷりも良い。ちゃんと半休とったし、事前にも言ってたのに、急に急ぎの仕事の連絡が来る、みたいなのが何回もあり、その都度、「あるよなー」って感じさせられる。現実のやだ味を詳細に描けば描くほど、胸糞な楽しさがあると痛感させられた一冊。深夜に不眠症の人たちが集まる意味分からん集いのシーンも、頭おかしくて好き。 - 変半身
村田沙耶香節が前回。コンビニ人間以降、こんなキモい(褒めてる)作品ばっか書いてる印象。世間一般の普通とか、なんとなく世の中で正しいとされている欺瞞をことごとく打ち砕くスタイル。自分がおかしいと思っているものを、ストーリーを通じてぶん殴る、これぞ小説家って感じ。性が持つおぞましさとかキモさを書いているからこそ、「世界99」が出来上がったんだろうなと思ったり。奇妙な風習があって、それが世間一般常識を上手く反映してて、それを信じるのがカルトだみたいなのが、ここ最近のコード進行。良い意味で作家性があふれた一作。 - 悪い血
金原ひとみみたいな世界観。倫理的にずれた女性が主人公。句読点が少なく、文字が詰まっている。独特な文体。素行の悪い女性が、褒められたものではないこれまでの男性関係を赤裸々に語りながら、自身の妊娠と向き合っていく話。傍から見たら、ビッチと言われてしまいそうだけれど、家族との確執や、過去に受けた性被害や、反抗することで世界に触れてきたことなど、様々な背景が見える。血というのが、女性特有のものであったり、家族の話であったり、摂取したきたものによる体内への影響であったり、色々な意味を負っているんだろうなという感じ。妊娠した女性がくよくよ悩んで、決心を付けた、というだけの話なんだけど、そこに至るまでの圧倒的な男性遍歴や、過去にあった性体験の詳細があることで、読み応えが増している。細部やエピソードトークの勝ちって感じ。 - ファイア・ドーム
辻村深月作品。評価は高いが、個人的には微妙。面白いけど、長いし、長さに耐えうるほどの謎でもない。人間ドラマを描いているとしたらそんな気もするけど、こういう過去の犯罪を許す系のものとして見ても、目新しさはなし。昔の誘拐事件の被害者家族、その子供が誘拐されるみたいな話。少年パートもそこまでいらない。終わってみたら、勘違いしてて、暴走しちゃいましたおじとか、過去の犯罪はどっちも私がやりましてんおじがいただけみたいな。辻村深月は善良な人間を描くよりも、「鍵のない夢を見る」みたいな拗らせた女性を描かせた方が面白い。爽やかすかっとストーリーはあまり肌に合わないかも。新聞記者と、被害生徒の担任女性教師の恋愛も、恋心を利用しているように誤解されるって部分は良いけど、最後らへんはくどい。 - 中国行きのスロウボート
村上春樹の短編集。初期の作品集。文章や文体もまだ若い。こう見ると、年を経るごとに、洗練されていっているのが分かる。ついつい読んでしまう文章なのはさすが。「午後の最後の芝生」と、「カンガルー通信」が好き。「中国行きのスロウボート」で、これまで会った何人目の中国人の2人目の彼女が切ない。デートの帰りに間違って、山手線の反対に乗せてしまったら、結果的にフラれてしまった。起承転結が明確にないものもあるし、テーマが掴みづらい物もある。しかし印象に残るシーンがあり、語りたくなるディテールがある。愛犬を埋めてその墓を掘り起こすことになった、手にいまだにその匂いがこびりついてるとか最高。 - 連続殺人鬼カエル男再び
中山七里のヒット作の続編。と言いつつ、一作目は読んでいない。さすがに分かりづらい部分はあったが、これはこれで面白い。「ABC殺人事件」を彷彿とさせる、連続殺人で、手口が様々出てきたり、切れ者かつ曲者刑事である渡瀬のキャラも相まって、ぐいぐい読んでしまう。中山七里作品は毎回、とにかく一気読みさせられてしまうのが本当にすごい。こち亀とかもそうなんだけど、途中で知識がふんだんに出てくるものは、読んでいて飽きない。犯人側の視点も入っていて、良い感じにミスリードを誘ってくる。出てくるキャラクターでも、矮小な小物が多く、描き分けも上手い。最後の最後で、容疑者X的な大オチが用意されているのも好きだし、本当のラストの切れ味も最高。職人芸な一作だった。 - 私の女の実
ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンの短編集。ハン・ガン作品を読んだのは初めて。 - みえるか、保己一
実在した偉人の小説。と言いつつ、読み終わってから実在してたと知った。最初はフィクションかと思ってたそれくらい面白い作品。最近読んだ中では、一番歯ごたえのある読書体験だったかも。芸人の濱田祐太郎をちょっと思い出したりもする。盲目に生まれたが、あまたある書物のアーカイブになった人物。生い立ちや、知に対する欲求のため、あえて下手に按摩をするってのも良い。盲目の人たちの中でさえ、分かり合えない孤独、家族ができたものの、目が見えない中での裏切り。自分の持っている本に、目が見えないからって、浮気相手の書き込みがされてるとか面白い。また彼をめぐる周囲の人間模様も良い。また最後には偉人になった彼が、最後の最後でキレるところが良い。実は裏でちょっかいを出していた人物がいたというのも面白いし、実は視力に関係なく、誰も偏見なしで保己一を見れていない、という逆転の構造も好き。ただ最後の最後、童心に帰り、目が見えないことで、血を流している友人の死を知ることなく生きていけるという最高のラストだった。 - 始まりはいつも旅先だった
松浦弥太郎の自伝的な作品。村上龍とも似た雰囲気を感じる。丁寧な生活をしている人のイメージがあったけど、「女にモテちゃってさ」とか「女とこんな生活をしてさ」とか、滲み出てる。でも上の世代ってこともあり、どこか文学的な香りもするし、嫌味な感じはしない。実はタトゥー掘ってたんだとか、不思議な発見も。リーバイス501買い占めたとか、旅先のカフェやホテルでの一期一会とか、実体験を踏まえたエピソードが面白い。持ち物や、食事や、ライフスタイルなどのこだわりが見えるのが面白い。最低の中で最高を見つけたいとか、最高をもって最低を知りたいとか、ちょくちょく哲学が出てくるのが面白い。ネット文化もなく、情報も絞られていた時期特有の手探り感とか、海外に足を運んで一次情報をあたるとか、そういう汗のかき方をしているあたり、充実していた人生だったんだろうなとどこか羨ましく思う。

ハン・ガン作品。ノーベル文学賞受賞者の作品って、世界中に渡ることもあって、きちんと読めていないことも多い。
韓国の女性作家ということで、少し縁が遠くもあったけれど、今回読了。こんな感じか、という発見もあり。
「intense poetic prose that confronts historical traumas and exposes the fragility of human life.(歴史的トラウマに向き合い、人間の生命の脆さを浮かび上がらせる、強烈で詩的な散文)」
どういうポイントで評価されたのか、チャッピーに聞いたところ、こんな回答をもらった。公式の受賞理由らしい。
あまり注目したことなかったけれど、実際の評価軸を見るととても興味深い。
ハン・ガンの作品は、得てして、明快な起承転結はない。伏線もないし、スカッとするようなシーンもない。そういう世界観ではないみたい。
もともと詩人だったというのが頷けるほど、風景描写が多い。キャラクターの心理を、直接描写するよりも、風景を通して描いている。
起こっていること自体は、それなりにハードだし、救いのないような家庭環境だったりするけど、文章が美しいので読めてしまう。美しい文章って、やっぱり全てを隠すらしい。
太っている人が仕立ての良いスーツを着たら、着痩せして見えるみたいなもんで、欠点を覆い隠している。
内面の世界、外部の世界、ここが繋がっている。心理的な傷を、物理的な傷をメタファーとして語っていて、傷は癒えないけれど、受け入れて生きていくみたいな。
感情を説明するのではなく、身体・風景、物体に変換しているようなイメージ。
ちなみにこれまでのノーベル文学賞受賞者、川端康成や、カズオ・イシグロなどは、「個人的な経験から、普遍的な人間を描いた人」というのが受賞理由。ほーん。
そう考えると、文学というのは、痛快性、エンタメ性ももちろん大事だけれど、人間としてのあり方や心理や本質を、時代や国を超えて、書くというのが本分なのかも。
面白かった表現まとめ

- 人がめちゃくちゃ追いかけてくる様に対して、「フォレスト・ガンプの最後」
- 「女は自分を傷つけた男なら許せる。だが自分のために犠牲を払った男は決して許せない」
「月と6ペンス」ストリックランド - 粗忽
- 咳をしても一人
尾崎放哉 - 杳として知れない
面白かったエンタメ

- オデュッセイア
- ダウンタイム
気になってたドラマ、期待以上に面白い。主演の松岡茉優と仲里依紗が好演。仲里依紗って美人だったんだと、今更気が付く。設定というか、キャラ付けや、お家騒動みたいな展開はベタ。無愛想だけど腕はピカ一で、出生が謎という主人公とか、過去に医療ミスをしてトラウマを抱え、手術ができなくなってしまったもう一人の天才。ここらへんは珍しくはないけど、昨今何かと話題の美容業界を舞台にしたのが面白い。直美ってどうなの?とか、命よりも美しさをとるとか、整形依存とか、バズりたいから実の娘を整形させる父親とか、見た目が重要になる声優業界&そこでの足の引っ張り合いとか、全身整形を望む激高齢者とか、アイデアが秀逸。Kokiが出てきて、手術ミスで失明しました、だけどそれでも整形しますってキャラにはマジで一本取られたと思った。ただ松岡茉優と仲里依紗がケンカしすぎ。間宮祥太朗が意味のあるようなないようなモブキャラになっちゃってたけど、その分中川家の礼二が良い仕事してる。渡辺篤郎周りの父にまつわる部分とか、風間俊介の政治関連はいらんかった。ウシジマくんみたいに、トリッキーな曲者患者が毎回出てきて、それがツイストしていくような展開だったらなお好きだったかも。でもキラキラしてる美容業界の裏を見れた気がしたし、整形に来る人の気持ちは理解できたものの、やっぱり分かり合えない部分があると思わされたのも含めて面白い。

オデュッセイアは面白かったし、感想はさっき書いた通りなんだけど、そこにまつわる話。
映画はなんと2時間52分ある。長い。久々に、しっかりと長尺コンテンツを味わった。やっぱり良い。時間をかけて味わったからこそ、心にズシンと残るものがある。
最近どうにもこうにも、効率的に、エンタメの良いところをキャッチしようとしすぎていた。トイレで大をしている時でさえ、スマホで動画を見てしまっているのだから。
流行りの言葉でいくと、完全にドパガキ。インスタントな楽しみで追いかけてしまっている自分が、少し嫌になった。
脱ドパガキ
- 朝起きて15分は、コンテンツを見ない
- 本当に大事な作業はシングルタスクを心がける
ながらスマホや、ながら視聴はしない - 風呂に入る時は無音をデフォルトに
これまではBluetoothスピーカーを多用していた - 寝る前30分はスマホを見ない
実際のところ、たいして何も得ていない - 映画やYouTubeを見る時は、スマホを触らない
行き過ぎた効率化は、逆に非合理。無駄を楽しむべきだし、YouTubeをとりあえず開いてから、「何を観ようかな」は末期。
その他
Bucket list

ここ最近、人生について考えることが多い。というか20代の後半あたりからそうだ。
「おれって、結局残りの人生でなにしたいんだっけ?」みたいな疑問。こんなことを考えてる時点で、恵まれてるんだとは思う。
そもそも何かに対して悩むとか、考えるとか、日々の暮らしに余裕がある人間の特権。生活に窮する場合は、そんなことよりも、目先の銭が欲しいだろうし、そのことばっかりを考えてしまうはず。
ありがたいことに、今年は年収1,000万円に到達しそう。やべぇ、最近アメリカ株が下がった、資産が暴落している、ビビってみても、資産は5,000万円超。
独身だし、子供はいないし、親はまだ健康。バツイチで、養育費を送るなんてイベントもない。家賃も年収600万円台の頃から変わらず、5万円台。
良い意味80%、悪い意味20%で、俺は暇なんだと思う。思考が暇になる余裕がある。
だから人生の意味や達成感を求めてしまう。こないだの旅行の帰りに、「最高の人生の見つけ方」を観た。
こういうのを見ると、気持ちが上向く。内容もさることながら、自分が肯定されている気がする。
やっぱそうだよな。こういう人生をトータルで考える発想、重要だよな。なんて悦に入ってしまう。
人生で何をしていくかが大事で、一足先に「中年の危機」に片足を突っ込んでしまって、早くも数年が経っている。
- スカイダイビング
- オーロラを生で見る
- アイスランドで本場のサウナに入る
- レッチリのライブを生で見る
- サプールみたいに、全身ハイブランドを着て、街を歩く
- 作詞作曲をして、一曲完成させる、人前でライブをしてみる
パッと思いつくのは、こんな感じだけれど、他にも色々とある気がする。健康なうち、お金を使って満足度が高いうち、やれることは今やっておくしかない。
ホワイトニングをするか悩む

結論しないことにしたけど、ホワイトニングをするかとても悩んでいて、無料のカウンセリングに足を運んだ。
歯を白くしたい。ガードレールとみたいな真っ白な歯にしたいわけではない。パッと見て、清潔感を与えることのできる白い歯になりたい。
ただ市販の歯磨き粉などでは、限界があるらしい。レーザーなどで、色素を分解する必要があるらしい。科学。
そう思うと、市販でホワイトニングを謳っている歯磨き粉は、誇大広告ではないのかなんて気もしてくる。
近所にあるホワイトニング専門店に足を運んで、話を聞くことにした。女性の利用客が多いらしく、男性は営業マンか、好きぴに「歯がちょっと黄色いっぴ」と言われた人たちが来るそうな。
女性にそんなことを言われたら、数日は凹みそう。どちらでもない自分は、対応してくれたギャルのお姉さんによると「極めて稀な美意識の高い男性」ということらしい。悪い気はしない。
ただ料金がいかんせん高いし、とにかく手間がかかる。一回歯を白くするのに、4回くらい通って、5万円くらいかかる。そして月一でメンテナンスをして、その白さを維持する。
最初に白くなるまでの投資は構わないのだけれど、面倒なのはそこから。月一で通うのに、8,000円くらいするそうな。
つまり白い歯は、月8,000円のサブスクサービス。高いな、これ。健康な歯はもちろん資産だけど、見栄えの良い歯は、そこまで生活に結びついていない。
結婚式を間近に控えた新郎新婦とか、晴れの舞台がある人は、そこにぶつけるなどで良さそう。ということで保留。毎日の歯磨きを丁寧にするなどして、対応していきたいところ。
その代わりということでもないけど、顔のホクロをレーザーで取ってしまいたい。これは10月中にしようかな。

そんな最中に、Netflixの「ダウンタイム」を観る。仲里依紗のチョイスをするあたり、どうにも平成臭い。
美というものが持つ恐ろしさとか、人々の執着を感じる。孫正義や柳井正を、容姿で判断する人はいない。
結局ルッキズムから逃れるには、有無を言わせない実績や知名度が必要なんだと思う。
何もない人が、こいつには何かあると思わせるためには、まずは外見から畳み掛けるしかないのかも。辛い。
松浦弥太郎

松浦弥太郎の本を読む。よく名前を聞くけど、分かった様な、分かっていない様な感じの人だ。
きっと大きな経済効果を生み出してるんだろうけど、どこかよく分からない。でも本を読んで、なんとなく分かったのは、「丁寧な暮らし」みたいな表現が生まれる前から、実施していた人だ。
松浦弥太郎みたいになりたいかはさておき、学ぶべきポイントは多いと思う。「深夜特急」を読んで、沢木耕太郎に憧れる感覚に近いかも。
ライフスタイルが売り物になっているんだろうな。ひとつひとつの所作に意識を払うことが大事なんだろうし、そう思うとドパガキと対を成す存在だって思える。
その他、の中の、その他

スティールボールランのエンディングに、千葉雄喜が起用されたそうだけど、なんか炎上しているらしい。
どないなもんやねん、と思って聴いたけど、個人的には割と好きかもしれない。長らくジョジョのファンだけど、ジョジョのアニメは、ほとんど見たことがない。
知ってる話だし、別に良いかみたいな感覚。これまでのエンディングは全部洋楽なので、そういった意味でのギャップもあったかもしれない。
千葉雄喜もKOHHの時代から好きだし、僕からしたら良いコラボなんじゃないかって思う。
死ぬか生きるかの戦い、休まず走る西から東、馬力強い馬に跨り、目指す先ゴールはまだ長い。これがフック。うん、KOHHって昔からこんなもんだよ。
R指定とかが、過剰に意味をかけたり、原作にある要素を歌詞に入れていただけで、こういうリリックもありだと思う。
気だるい感じで、フリースタイルで、口から適当に飛び出してきましたみたいな、リリックが持ち味なんだし、ここを叩くなら、そもそも起用した制作サイドの問題でもあると思う。

