人生で何かを選択する時に、僕らは「これは役に立つのか」という判断軸で選びがち。
もちろん合理的な選び方ではあるのですが、これだけで選ぶのも味気ない。人生では最初は役に立たないと思っていた知識や経験が、後々活きてくることも多いんです。
一見すぐに使えそうなノウハウは、即効性が高いが故に、すぐに使えなくなってしまうこともある。
最初は時間のムダだと思えたあの小説やマンガが、自分の人間性を形成したりもする。

ってのが今回言いたいことです。過剰なコスパ志向や合理主義は、一旦忘れてみましょう。

・役に立ちそうな知識だけをインプットして生活している
という人にむけて書きました。
最初に結論から!
この記事のまとめ
- 過剰な合理性の追求やコスパ志向のせいで、即効性の高いものだけを求めるようになった
- 興味のあることをとにかくインプットすれば良い
- 人生の途中での、「役に立たない」って判断こそ、役に立たない
記事の前に自己紹介!

・一浪・一留を経て難関国公立大学理系を卒業→大手ブラック企業→超大手企業
・AbemaTVのオファーを受け、ひろゆきと討論しました
・20代で貯金1,200万円達成
・映画・読書・音楽と膨大なインプットから、生活に人生を充実させるノウハウを発信
役に立たない物を過剰に嫌う現代人
つい先日面白いニュースを見ました。
日本を代表するロックバンドであるB'z。その代表曲である「LOVE PHANTOM」。今も古びない超名曲です。
この曲の特徴のひとつが、長いイントロ。歌い始めるまでに約80秒もイントロがある。しかしこれが良いし、アジがある。
ところが今やサブスクで音楽を聴いている若者世代の一部には、このイントロを飛ばす人がいるんだそう。
最近のヒット曲は曲の頭からいきなり歌い出すもの多く、長いイントロは無意味だと思っているのだとか。

「役に立つ・立たない」というこの記事の軸には、ジャストミートしていないかもしれません。しかし気になる。

って思ってる人は一定数いるのかもしれない。
現代人はとかく、役に立つもの志向や、過剰なコスパ志向に汚染されていると思う。労力に見合った効果が、即効で表れるかしか意識してない。
気持ちはスゴい分かる。僕も書店に行った時とか、「この本は役に立つかな」とかってすぐに吟味してしまう。
興味はあっても、役に立たなさそうだからって理由で、買わなかったことはこれまで何度もある。あんまり人のことは言えない。
しかしすぐに使える即効性の高い知識は、陳腐化するのも早いと思う。インスタントな知識は、どうしても自分の血や骨にはなりづらい。
時が流れていく中で、消え去ってしまったノウハウは数多くある。数十年前のベストセラーが、今読んでも役に立たないなんてこともある。
僕らがインプットしてみたものが、本当に人生の役に立つかなんて、もっと時間が経ってみないと分からない。
今僕らの糧になっているものとは
では今の僕らはどうか。今の僕らを構成しているものは何か。
きっと即効性の高い知識ではないはず。すぐに話題になる芸能人のゴシップとか、すぐに消えゆくネットや本で見つけた裏技の類ではないはず。
これまで夢中で聴いていた音楽。得か損かも何も考えずにひたすら観てきた映画。面白くてついつい読んでしまったマンガや小説。今僕を構成しているのはこれらだと思う。
赤点を回避するために半ば嫌々買った参考書とか、すぐに役立ちそうなノウハウ本やビジネス本。これらの内容は全く抜けてしまった。
10年以上も前に読んだマンガのシーンは覚えていて、何かあった時に思い出し僕に勇気をくれることがある。
つい先週スマホを触っていて、読んだネットニュースは、ほとんど思い出せない。その時は役に立つかもと思っていたのに。

と最近改めて思う。
一見ムダだと思ったことが、何年か経って自分の核となっているかもしれない。だから最初から「役に立たない」と決めつけて、インプットを避けるのはやめた方が良い。
あなたも何かトラブルが起こった時に、自分を支えてくれるのは、昔は役に立たないと思っていたものだったって経験はきっとあるはず。
そもそも人類の文化は、一見役に立たない。別に小説を読んでも意味はない。音楽を聴いても生活のランクは変わらない。
しかしそれはすぐには効かないってだけ。文化は歴史が長く、僕らに効果が出るまで時間がかかる。
それは来月かもしれないし、10年後かもしれない。でも蒔いた種はいつか実る。忘れた頃に僕らの中に咲いている。


過去記事でも取り扱った本である「歴史思考」。
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偉人の誉が高いガンジーも昔は非行少年で、青年時代も仕事がまるでできなかった。KFCのカーネル・サンダースも何度も破産してる。
しかしその後の活躍はみんなが知っている通り。人生は最後まで何が起こるか分からない。
今は無意味とか役に立たないと思っているものでも、後々になってみないと本当に意味がないものなのかは判断できません。
後々で生きてくる知識をどう見つけるか
すぐに役立つ知識は、すぐに消える可能性も高い。一見役に立たなさそうな知識が、人生において重要な意味を持つこともある。

って思われるかもしれません。見分け方はこの2つ。
後々役立つ知識を見つけるには?
- とにかく興味があるものをインプットする
- 身銭を切ってインプットする
前提として一見役に立たなそうだし、そもそも興味も関心もないものは、決してその後の人生には影響しない。
役に立たない知識が意味を持ってくるのは、僕らの熱中がセットになった時だけ。
精神科医でもあり、作家の樺沢紫苑さんの著書「毎日を楽しめる人の考え方」。ここでは、

と書いてありました。
目前のことに夢中になるのが大事。仕事でも、遊びでも、時間を忘れるほど熱中する。
ひとつのことに特化して深める。ってかマニアックに振り切る。この姿勢が大事で、何かに夢中になり無邪気に楽しめる人が成功するのだそう。
役に立たないと思える情報でも、そのインプットが楽しいものであるならば、それだけで後々の人生には活きてくる。
役に立ちそうだけど、興味のないものを嫌々で吸収する。それよりも興味があるけど、役に立たないものを楽しみながらインプットする。こっちの方が意味がある。
僕の敬愛する小説家である村上春樹さんも読書に関して述べていました。

と語っています。役に立つかどうかなんてまるで気にしていませんでした。
読んだ本の多くは小説だったのですが、小説家になりたいと思った事はなかったそうです。本を読むという行為があまりにも好きだったので、とにかく読みまくってた。
20代の終わりの頃に、とあるきっかけがあって、「ひょっとしたら自分にも何か書けるかも」と思って小説家になったそうです。

読書の集積がなかったら、今まで小説を書き続けることができなかったとさえ述べてる。後先考えずとにかく小説を読みまくったインプットが、村上春樹のバックボーンとして存在しているのです。

これは僕の実体験から。
ちなみに僕はいまだに音楽はCDを購入して聴いている。音楽のサブスクは一切利用していない。
こんな変態はきっと他にいない。この令和に、メタバースだなんだと話題になっている現代社会に、きっと僕しかいない。
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お金はかかる。CD一枚買うのに、2〜3ヶ月分はサブスクで聴き放題になる。
しかし僕は音楽がめちゃくちゃ好き。この熱量はそこらへんの人には負けていない。身銭を切って購入している。
インプットにかける熱意が違う。というか勢いが違う。元を取れるくらいまで聴き込む。

もちろん値段が張るものもあるので、何がなんでもお金を払うのが正義ってわけでもありません。
しかし自分が傾倒しているものであれば、課金することでもっと好きになることができます。元を取ろうって貧乏根性を侮ってはいけません。
経験の数は総合力である
僕らが覚えたモノや身につけたモノ、これまでの経験が、どこで活きてくるかは神のみぞ知る。
人生に伏線があったとしても、ストーリーが進まないと分からない。
世界的に大ヒットした映画「スラムドッグ・ミリオネア」みたいな感じ。
8つの難問をクリアすれば、1000万ルピーの賞金が得られるクイズ番組に出演した主人公。育ちが貧しく、ほとんど無学であるにもかかわらず、なんと全問正解。
不正の疑いがかけられて、番組終了直後に詐欺罪で警察に連行されるところから映画はスタート。
でも不正などはしておらず、それまでの人生における様々な経験の中に、クイズのヒントが散りばめられていたというストーリーです。

「どうせ役に立たないから」という気持ちは、何かをしない理由として採用してはいけない。
なんで人生の途中で、そんな無責任な判断ができるんだって話。だってまだ途中やん。後でめちゃくちゃ効果を発揮するかもしれへんやん。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 過剰な合理性の追求やコスパ志向のせいで、即効性の高いものだけを求めるようになった
- 興味のあることをとにかくインプットすれば良い
- 人生の途中での、「役に立たない」って判断こそ、役に立たない
このブログは、僕の実体験、考え、趣向をもとに記事にしている雑記ブログです。会社員をしながら、毎日少しづつ書き溜めています。
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