「ベンチマーキング」という言葉があります。とある物を対象にし、改善点を模倣する手法です。
自分がスゴいと思う人を見つけ、そのスゴい部分を盗むんですね。しかしこの方法は、大きな弱点があります。

そうです、お手本にしたい人がいないと、この手法はまるっきり使えないのです。そして皮肉なことに、身の回りには、優れた人よりもダメな人の方が多いのが常なんですね。
ではどうするべきか。優れていない人から学ぶのです。あなたが嫌いなポンコツ上司や、クソ同僚から学ぶんです。
いわゆる反面教師ですね。ダメな人には、ダメな理由がきちんとある。そのダメな部分を、マネしない様にしていくんです。

・職場にお手本にしたい人がいない
という人にむけて書きました。
最初に結論から!
この記事のまとめ
- お手本になる人は身近にほとんどいないのが普通
- 憧れない人たちの、ムカついたエピソードを、反面教師にすべし
- ムカついた人にみたいにならない様に努力するのが、実は一番の復讐かもしれない
ロールモデルになる人なんて、身の回りにはいない
僕のみの特有事例なのか、ただのあるあるなのか、分かりません。職場にはお手本にしたくなる人がほとんどいないんです。
自分自身も人に手本にされる様な人物では全くないというのは、棚に上げています。お許しを。
しかし、まぁ、なんですね。僕の職場はカスばっかりです。あなたの職場もそうでしょうか。カスの百科事典、カスペディア。


いわゆるロールモデルにしたい人が全然いない。お手本にしたくなる様な人がほとんどいない。
「この人は書類作成が上手い」とか「この人は説明がうまい」とか部分部分では参考になる人はいる。これは間違いない。
しかしその人丸ごと模倣したくなる人、こんな人はなかなかいない。しかし「この人みたいにだけはなりたくない」って人は、山ほどいる。
なりたい人よりも、なりたくない人の方が多い。よくよく考えてみると、どこの職場もこんなものかもしれませんが。
特に上司に憧れはない。管理職なのに管理しない。東京ディズニーランドと言いつつ、東京にないのと同じ。
上司というのは、僕らの道の先にいる存在。「未来の自分」だったり「将来そうなるかもしれない自分」なんです。
こう考えると目の前が真っ暗になってしまう。希望が持てません。
僕が非常に感銘を受けた本に「トヨタの自分で考える力」というものがあります。
名実ともに日本No.1企業のトヨタ自動車。世界の企業の時価総額ランキングTOP100に、唯一ランクインしている日本企業。このトヨタ自動車の、改善メソッドが詰まっている本です。
小説形式で読みやすい。ダメダメの新入社員が、元やり手の経営者からトヨタ式を教わる。
そこから業務スタイルを変えていき、徐々に立派なビジネスマンに進化していくというストーリーです。
ビジネス版「ベスト・キッド」と言ったところでしょうか。新入社員の方には、特にオススメです。
数々のトヨタ式メソッドが載っていますが、今回注目したいのは、ベンチマーキング。

とこの本では書かれています。
ベンチマーキングとは、他社や他者の成功事例や競合他社の製品・サービスと自社の現状の課題を比較分析し、製品やサービスの改善につなげる手法のこと。
ざっくり言えば、パクりや模倣。良いものを見つけた時に、それを自分のものとして、社内に浸透させれるかどうかがキモ。
「常に自分は発展途上」だと驕らずたかぶらず、良いものを吸収していく姿勢が大事なんですね。
ベンチマーキングが成功の秘訣。良いものはいい、それを自分に取り込む。
しかし身の回りには、いいお手本がいない。さてどうしましょうか。
反面教師、逆ベンチマーキングを使ってみよう
ベンチマーキングは優れたものをお手本にする手法。しかし言いたい。

世の中には反面教師なる言葉があります。
意味としては、悪い見本として学ぶべき人のこと。その人自身の言動によって、こうなってはならないと悟らせてくれる人のことを指します。
つまりは逆ベンチマーキング。ダメな人のダメな理由を、分析し自分には取り込まない様にする。
どうして憧れないか。なぜ自分はクソだと思うのか。ここを考えて、自分はそうならない様に努める。
逆バリの発想。なぜダメなのかを知ることで、逆説的に自分をダメから遠ざける。「我以外、皆、我が師」とはよく言ったもの。
幸福を定義するのに、不幸を定義してみる。「大病を患うこと」が不幸と定義できれば、健康であることが幸福だと分かる。これと同じノリ。
身の回りのクソだと思う人を、反面教師として、マネしてはいけないポイントを盗む。
そしてこの逆ベンチマーキングがオススメな理由としては、ベンチマーキングよりも難易度が低いということ。
例えば、ダウンタウンの松本人志。紛れもない笑いの神様。誰も文句の付けようのないくらいに面白い。
しかしベンチマーキングをしたところで、再現性は低い。マネできない。

スゴい人が、なぜスゴいか、が分からない。優れているポイントを言語化する、これ自体にもある程度の能力がいる。
しかし身近な面白くない人は、なぜ面白くないかは割とすぐ分かる。間が悪いとか、自分で笑いながら話してしまっているとか、理由は見つけやすい。
ダメな人がなぜダメかを見つける方が難易度は低いんです。つまりは逆ベンチマーキングの方が楽にできる。
会社でなぜか知らないけど評価されている人はいる。あなたの会社にもいるはず。
僕の会社でも、男が挨拶をしてもフル無視するけど、女性が挨拶した時だけ返す、ダメダメな課長がいる。それでも人事評価がかなり高い。
これは難しい。リーマン予想、四色問題、これと並ぶ難易度。分からない、なぜなのか。
しかしクソな人には、クソなりのきちんとした理由がある。ダメな人は、ちゃんと「ここがダメだ!」と分かる。つまり教材にしやすい。
かの名将である野村克也監督も言いました。

この言葉をサンプリングして、僕なりに言い換えてみます。

反面教師にする方法に関して
クソ人材にムカついた事例、すなわち、最高の教科書
反面教師として学ぶ方法は、めちゃくちゃシンプルです。

たったこれだけ。実際に起こった、イライラエピソードから、教訓を得るのです。
日本昔ばなしとか、イソップ寓話とかと同じ。そのエピソードから、マネすべきでない行為を学ぶんです。
近年の「ストリートファイターV」世界大会で好成績を収めた、東大卒の異色のプロゲーマーときど。このときどさんも似た様なアドバイスを残しています。
世界的なプロゲーマーとしてのときどさんの成功ノウハウが詰まった本「努力2.0」。
この本の中でときどさんは、自身の勝ち試合よりも、負け試合を徹底的に見返すと書いていました。

というのが大きな理由。頭で考えるより、まずはやってみる。そして現実から教えてもらう。
負けた試合は具体的な気付きの詰まった最高の教科書なんですね。
僕らも同じ。ダメな人に、ムカつかされたエピソードは、「マネしてはダメな点」が詰まった教材。具体的な話が故に、学びが多い。
実際にイライラさせられたエピソードを思い返してみよう
では早速、ムカついた案件を思い出してみましょう。うーん、いっぱいあるぞ、僕はいっぱいムカついてきたんやで。
まずはとある先輩の話、年齢は僕の数歳上。その先輩はかなり頭でっかちな人で、悪い人じゃないんだけど、情緒が不安定。
普段は一見優しいんだけど、余裕がなくなった瞬間に、素が出てしまうタイプの人でした。その人は僕から見ても、他の同僚から見ても、クソ人材。
その先輩にとある業務の引き継ぎを受けることになった時の話。お互いに在宅勤務だったので、チャットアプリTeamsを使って、打ち合わせを行うことに。
ややこしい業務だったので、せっかくなのでTeamsについている録画機能を使おうと思ったのです。一人で行ってつまづいた時のために、録画しようと考えたんですね。

と念の為、一声断っておきました。すると、なぜか

と急に激ギレ。手元にノートも用意して、メモ取る準備も万全だったのに、なぜか決めつけてくる。

と言っても、もうてんでダメ。会話にならない。仕方なく録画は断念、マジで意味が分からない。
また後日、その先輩と別の業務の引き継ぎのためにオンライン面談を行うことに。
その先輩が言ったことを、メモする。その際は関係資料のExcelがあったので、そのExcelに追記しようとしました。すると、






一事が万事こんな感じ。面倒くさいったらありゃしない。
続いてはクソだった課長。僕が新卒で一番最初に配属された先の課長。おそらく日本全ての管理職を集めても、群抜きでマネジメント力のない人でした。
とある業務で資料を作成。一部確認が必要な箇所があり、そこを上司に確認することに。
2つ3つ席が離れている上司、そこの席まで行き声をかける。

もしかしたら、動くのが面倒だったのかもしれない。こんなことを言い出した。



もうこの時点でムカつく。こっちの言い分もまるで聞きやしない。すぐに決めつけてくる。
しかしまだ、言っていることは百歩譲って理解できないでもない。
一旦自分の席に戻って見返す、しかしどうしても画面を見てもらわないと説明できない。
表の見栄えだったり、レイアウトだったりといったことなので、口頭で説明するのがどだい無理。どうしたものか。
少し悪戯心も芽生え、その画面の内容を紙に丸写ししてみた。そしてそれを持って、再び上司のもとに持っていきました。
絶対になんか文句言われるだろうな、そう思っていましたが、そんな気配はなし。

とだけ確認事項は済んで終わり。

とこんな感じ。それらしいことを、それらしいテンションで言うことを、指導と履き違えるのは本当にやめてほしい。
さてここまで、2人のクズ人材を見てきました。一人は同僚、一人は上司。
このムカついたエピソードを反面教師にして、僕は学びを得たいと思います。
- 自分の思い込みで、相手の行動を決めつけてはいけない
- 表面上のことではなく、本質を捉えないといけない
- 形式上のことに囚われてはいけない
などなど。こんなことが学べるのではないでしょうか。
となると僕は、これからの行動で逆ベンチマーキングで学んだことを、活かしていかないといけない。
優れた人を見て、「あの人みたいになりたい」と行動するのは確かに正しい。クソな人を見て、「あの人みたいにはなりたくない」と思って行動を改めるのも、また正しい、はず。
ゴミでもうまく使えば、資源ゴミになる
あなたの周りにも、クソな人は数多くいるに違いない。あなたが優秀だったり、人が良かったりすれば、尚更気になってくるはず。
しかしそこで自暴自棄になってはいけません。周りにいるのが、ダメな人ばかりでも、それを活用するのです。

その人たちから受けた苛立ちや、ゴミエピソードも、再生可能エネルギーにしてしまいましょう。
できる人、憧れられる人、ロールモデルとなる人、そんなものは一握り。ケンタロスくらいのレアポケモン。
しかし「この人だけにはなりたくない」と感じてしまう人、これはいつの時代もどの環境にでもいる。
だったらその人たちを反面教師にして、少しでも成長した方が、よっぽど自分のためってもの。
溢れるゴミをエネルギーにする。再生可能エネルギーにして、自分を動かす。
ムカついたからといって、仕返しするくらいなら、反面教師にしてしまう。
その人たちみたいにならない様に努力するのが、実は一番の復讐かもしれないですし。だってその人たちの存在を、全否定しているのと同じなんですから。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- お手本になる人は身近にほとんどいないのが普通
- 憧れない人たちの、ムカついたエピソードを、反面教師にすべし
- ムカついた人にみたいにならない様に努力するのが、実は一番の復讐かもしれない
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