映画・漫画・小説において大事な要素って一杯ありますよね?
その中でも最も大事な要素の一つが悪役・敵・ヴィランではないでしょうか。ある意味主人公よりも大きな役割を担っていると言っても過言ではありません。
主人公がいかに魅力的でも、悪役がつまらなければ(つまらなさすぎて逆に魅力的な場合もあります、「仁義なき戦い」の山守組長とか)全体のクオリティがぐっと下がりますよね。
でも、主人公がチープでも、悪役が素晴らしければそれはそれで成り立ったりするのです。
では、どのような悪役が魅力的なんでしょうか?何があれば、ヴィランは輝くのでしょうか?考察していきます!
ヴィランの魅力の条件とは
「ダークサイド」という表現は映画評論家の町山智浩さんが使っていました。僕ももともと敵は主人公と正反対がいいなって思ってたんですが、「ダークサイド」と言われ、なるほど納得。
主人公の心の汚い部分や、トラウマ、乗り越えるべき葛藤として出てくる敵が実は最も素晴らしいのです。なぜなら、観終わった後に本当の感動が残るから。「あの主人公も自分トラウマである敵を乗り越えたのだから、自分も頑張るんだ」ってね。
例えば、「バクマン。」では
実は、この設定をメタ的に巧みに使っている漫画があります。それは、漫画:小畑 健、原作:大場 つぐみ 「バクマン。」
バクマン。 コミック 全20巻完結セット (ジャンプコミックス)
- 作者: 小畑健
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/07/18
- メディア: コミック
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僕の人生ベスト級に好きな漫画のひとつです。この漫画のあらすじをざっくり言うと、絵が上手い男と、話を作るのが上手い男が力を合わせジャンプの人気漫画家になっていくというもの。
この2人は次々に優れた作品を生み出し、ヒットを飛ばしていきます。そんな2人がこの漫画の中で、最後に作ったのが「RIVERSI(リバーシ)」という作品。
この作品を作る上での、2人の打ち合わせの様子が以下です。
まず、主人公の能力を考えました。主人公はダークヒーローと当初は考えていたのですが、ジャンプという漫画誌で売れるには、正義が勝たねばとなり急遽、ヒーローを2人体制にすることに。
ここで出る疑問。「正義のヒーローの能力は何にすれば・・・?」
しかし、出た答えは
正義と悪の能力は全く同じ、違うのは正義か悪かという考え方のみ!
これは、さっきの論理と全く同じです。主人公の心の光の部分と、それと対象になる闇の部分を持つ敵役という構図になります。(この漫画はちゃんと漫画内で大ヒットしました、ややこしい説明だな笑)とりあえず、主人公と悪役は正に表裏一体であるべきなのです。
例えば、「スパイダーマン2」では
この作品の主人公はピーター・パーカー(スパイダーマン)。遺伝子操作されたクモに腕をかまれ、スーパーパワーを身につけてしまった青年。
この作品のヴィランは、科学実験に失敗し、体に強靭な4本のアームが付いてしまったドクターオクトパス(通称:ドックオク)。
ドックオクは、原作でも人気のキャラクターで、大阪のユニバーサルスタジオジャパンのアトラクションにも登場していますね!
実は、スパイダーマンとドックオクは戦う前から知り合いでした。ドックオクは元々愛妻家の優れた科学者でした。物理学を大学で専攻しているピーターから見て憧れの存在。
しかし、ある科学実験に失敗し、4本のアームと悪の心を得てしまったドックオク。
2人の共通点はこんな感じ、あと話していてかなり気があっていたりと言語化しづらい共通する要素も多かったり。
- 物理学の研究に没頭している
- 科学の力により、事故的にスーパーパワーを身につけてしまった
- 元々真面目な性格
しかし、全く違うのはお互いの精神。自分の実験を成功させたいが為に、実験資金を得る為、銀行強盗を繰り返すドックオク。
かたやスパイダーマンは、大いなる力には大いなる責任を伴うという戒めを心に刻んで、自分の信じる正義の為にニューヨークを飛び回ります。
似た境遇・似た進路でしたが、ただ一つ心が違いました。スパイダーマンとヴィランは表裏一体。正に、ヴィランが主人公のダークサイドと言えるパターンです。
僕は、自分に負けそうになる時とか、結構この映画思い出します。それくらいやはり心に刺さってるんですよね。
まとめ
ではでは!