お盆もあり、本を多く読めた。色々なインプットもあった月。しかし、すばる文学賞は落ちた、次だ、次。
今月のお金の収支
使ったお金まとめ
家賃 | 53,880円 |
駐車場代+保険 | 20,000円 |
電気 | 11,000円 |
水道代 | 2,500円 |
通信費(スマホ) | 3,281円 |
通信費(Wi-Fi) | 5,368円 |
Netflix | 1,490円 |
ブログサーバー代 | 1,100円 |
キックボクシングジム | 8,410円 |
合計 | 104,529円 |
食費 | 37,000円 |
本代 | 23,041円 |
ファッション代 | 9,600円 |
生活用品費 | カウントせず |
その他 | 53,610円 |
合計 | 123,251円 |
合計が22.7万円。交通費で3.5万円くらいあったので、それを考慮すると、20万円を切るくらい。高いな。固定費を減らしたい。車いらねぇ。
金持ち父さんからしたら負債に違いない。車を使って、もっと業務スーパー行くとか、図書館利用するとか、上手いことを考えるしかない。
車って所持して改めて思うけれど、とんだ金食い虫。税金、高い。駐車場代、高い。保険料、高い。車がないと通勤できないから持っているだけで、趣味で持とうとは到底思えない。
しかもカッコいい車は、総じて税金が高い。軽自動車とか、デートの際に、女性から「あら素敵ね、うふ、好きになちゃったわ♡」みたいなコメントをもらえる車は金がかかる。
車の運転は確かに新感覚だし、運転の快感は分かる。しかし渋滞はマジでムカつく。必要なくなったら、すぐに手放すと思う。
資産推移

証券口座 | 35,900,444円(+11,814,073円:+49.04%) |
銀行口座 | 1,106,400円 |
合計 | 37,006,844円 |
気がつけば3,700万円になっていた。しかし来月はカードの引き落とし額が大きいので、3,600万円台に戻るはず。
年内に4,000万円行けば最高だが、ここはアメリカ株次第。部署が変わったこともあり、残業代は少なめ。じっと耐える時期である。
良かった&悪かった、お金の使い方
今月は移動代が多い。実家に帰省したり、東京へ旅行したりした。交通費だけで35,000円ほど。
ファッションアイテムもついつい買ってしまった。ミュウツーのスウェット。ポケモンカードのデザインらしい。
かっこいいけど、初期のポケモンカードのミュウツーの方が良かったけど、贅沢は言えない。ミュウツーはやはりどこまで行っても重要なポケモン。
「ミュウツーの逆襲」はアメリカで最もヒットした日本映画だった時期もあったのだ。ちなみに初期のミュウツーのポケモンカードは、60万円近くするらしい。さすが。
ポケモンカードを社会人になってから遊んだことがあるけど、なかなかに楽しかった。大人も遊べるようにデザインされていて、ゲームとしてのクオリティが高い。
そう思うと小学校の時にデジモンカードを集めていたこともあったけど、トレーディングカードとして遊んだことは、ついぞなかった。
あれってカードゲームとして遊んだら面白いんだろうか、二十年越し以上の謎である。
ベルセルクのTシャツも買った。毎回思うけど、ファーストテイクのオファーを決める人、UTでテーマを決める人、どんな生活をしてるんだろう。
これも着なければならない。好きなカルチャーを身に纏うのだ。
今月に観た映画まとめ

- ハウス・オブ・グッチ
長尺だけど、観る価値あり。レディーガガ、普通に演技上手い。見れば見るほど不思議な体型をしてる。グッチ家の血塗られた歴史、事実は小説よりも奇なりなラストが良い。最初はお金に興味のなかったガガ様が徐々に、成功を渇望する様が良い。夫にちょっかいを出そうとしている女性にアップかましたり、上手く取り入ったグッチ親戚を、容赦無く切り捨てたり、好きなシーンが多い。アダムドライバーも穏やかな青年から、狡賢い人間への変貌もさすが。グッチ買わなくても良いかな、いや逆に欲しい。ハンターハンターのベンズナイフ的な魅力がある。 - ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
日本を見ていると、アホでも政治家になれるかと思いきや、背筋が伸びる作品。歴史の転換点で、責任を背負った苦悩と葛藤が描かれている。「ブロック経済って義務教育で習ったよね」くらいの感覚だった。ヒトラーそのものは出てこない、ナチスも描写はない、イギリスのリアクションから、戦争を描いている。反対意見ばかりだったけど、決断をするという胆力が垣間見える。最後の最後に、チャーチルが人生初の地下鉄に乗り、一般市民の意見を聞き、ナチスと戦う意志を固めるシーンが最高。最近見た映画の中で一番好きなシーンかも。 - RRR
インドからの刺客、とにかく勢いがある。ストーリーの頭からケツまで1分で話せる自信はあるけど、そういうものではない。劇場で見ておけばと思わされた一本。インド映画特有のダンスも、意味があって踊るので、違和感は少なめ。あと主演2人の顔が濃い、体幹がすごい。肩車しての戦闘シーン、森での弓矢合戦が好き。虎をまき散らしての突撃シーンが特に最高。デスノートで夜神総一郎のテレビ局にトラックで突っ込んだワクワクシーンを思い出す。 - スンブ二人の棋士
最近観た映画の中で一番好き。ヒカルの碁のようなワクワク感。天才囲碁棋士、そしてその天才の牙城を脅かすのが弟子。俳優もみんな良いし、バトルものとしてもかなり好き。しかも実在の人物がいるってんだから、勝負事の世界って面白い。弟子が苦悩しながら、自分の打ち筋を見つける葛藤が良い。師匠に勝てない永遠の二番手が、弟子に気づきを与えるって展開も胸が躍る。勝ち続けるのがプロ、小難しいことは関係なくて、どんな打ち方でも勝てば正義。 - ダイヤルMを廻せ
名匠ヒッチコック。今でも通じる面白いさ。そりゃそんなガバガバな隠ぺい工作だったらバレてまうやろ、と思わんでもない。しかし今の推理や犯罪エンターテインメントの、一個の土台になっているのは疑うまでもない。いざ計画を実行するとなると、思わぬトラブルがあり、スムーズに進まないというのも妙なリアリティがあるし、当初の予定と違った結果に終わってからの展開もワクワクする。 - ジェントルマン
オーシャンズシリーズに似た面白さ。チーム一丸となるケイパーもの。しがない街の探偵が巨悪に迫る。してやられたという部分もあり、盛り上がるシーンも多い。エポックメイキングな発明はないけど、楽しんでみていられる。佳作って感じ。(上から) - 無垢なる証人
自閉症スペクトラム障害を持つ少女が、事件の目撃者。ウヨンウ弁護士とは反対。上手いなと思うのが、主人公の弁護士が、その少女と敵対するポジションって部分。弁護するべき依頼人が、無罪を勝ち取った後に、一気に黒くなるシーンが禍々しくて好き。最後の裁判での、目撃者の自閉症ゆえの記憶力を使ったセリフ完コピシーンや、「あなたは良い人ですか?」と金儲け主義に周囲を囲まれた主人公の倫理観をぶん殴る純粋無垢な問いかけシーンなど、胸に残るシーンが多い。
ハウス・オブ・グッチが個人的に一番好きだったかも。ハイブランドなどは、アートな側面が強くなってくるし、それにまつわるストーリーも多いはず。
ダイヤルMを廻せも好き。回せ、ではなく、廻せ、というのもポイント。古いミステリーで、目新しさがないなと思うのは、良作の証拠。
そのミステリーが革新的で、フォロワーが多かったことの証左に他ならない。今の若い子はドラゴンボールを読んでも、面白さを感じづらいらしい。
「見たことある」という反応になるそうだ。つまりドラゴンボールが基礎になりすぎて、他のコンテンツの引き算に見えるからなんだと。
評価が高い、見て目新しさがない、この2点が揃うと、それは過去のそのタイミングにおいて最高のコンテンツだったということっぽい。
今月に読んだ本まとめ
読んだ本リスト

- 踊りつかれて(塩田武志)
前半はめちゃくちゃ面白い、後半は尻すぼみ。SNSやネットの匿名性の気持ち悪さとか、有名税と片付けられてしまうようなおぞましさを書き切ってる。ただ後半がもうちょっと
って感じ。悪くはないんだけど、良くもない。長いし、物語の中心になる登場しない二人のキャラが浮き彫りになるのは良いんだけど、別にそこまで引っ張るものでもない。話としては終わっているようなものだし、被害者の人となりが分かっても、仕方ない。可哀想な人が、実は悪人だったなら良いのだけど、可哀想な人がやっぱり可哀そうでしたとなっても、あまりヒキはない。 - 高配当株投資入門(かんち)
PER×PBRが15倍以上は買わない、などとにかく具体的な教えが載っている。配当金だけで年間2,000万円はさすがに夢がある。元消防士ということでそこまで高給ではないはずなのに、じっくり買い増したというのは地に足が付いていて好き。ただ優待商品がそこまでほしいものがなかったり、結局インデックスファンドの勝ちじゃね?という思いも拭えず。ただ昔大嫌いだった上司が、ヘビースモーカーだったので、JTの株はどこかで買いたい。 - あの子とQ(万城目学)50歳過ぎになっても、ノリノリの高校生を書けるのは強い。設定も面白いし、ダレンシャン的な悲哀もある。ただ後半部分はちょっと分かりづらかったかも。キャラクターはいつものように魅力的で、特に主人公の友達の女の子が最高。好きな男の子に告白するために、告白ムービーを作成し、YouTubeにアップ。QRコードを渡そうとするも、「OKだったら、いいねを押すか、チャンネル登録するか、どっちにすっかな」って悩むシーン見て、面白いこと考えつくもんだなーと感心してしまった。
- みかんファミリー(椰月 美智子)
未完、みかん、この言葉遊びも良い。ありそうでなさそう、いや、やっぱギリないな、というシチュエーションを膨らませるのがフィクションであり小説の役目なのかもしれない。六人の同居生活でそれぞれキャラが立っているし、セリフを見ただけで、どのキャラのセリフか分かるあたりもニクい。家族とかコミュニティの形を考えさせられる。意外と年齢も幅のある女性六人集団は初めて見たかも。 - 犬がいた季節(伊吹有喜)
良い、僕のワンダフルライフに通じるものを感じる。短編集でいて、犬が全体の観察者、そしてたまに前のエピソードの人物が登場するのも王道だけどアガる展開。犬の純粋無垢性もあるけど、人と人の触れ合いが中心。1エピソード目のパン屋の女の子の容姿がとにかく良いと描写されるのは、あんまり好きじゃないかも。容姿賛否は書く分にはとても楽しいけど、読んでいる分にはなんとも微妙だと身につまされる。 - 小説(野崎まど)
最近読んだ中では、一番好きかも。主人公含め主要人物が、偏執的だし、いい意味で破綻してる。小説に憑りつかれた末期症状。ラストにかけての、現実なのか夢なのか展開は微妙。しかし幼少期から、社会人までの成長譚はおもろい。こんなに小説に人生と時間を捧げるキャラは初めて。幼少期は読んでて褒められるけれど、大人になったらむしろ邪魔というのも、ピアノやスポーツなどにも少し通じる部分があって面白い。書店員のバイトで、薄給で、身を寄せ合って小説を書く、という暮らしはさすがに憧れない。そこそこの給料でダラダラ働いて、本読んで、小説書いて新人文学賞に応募する自分を肯定したくなった。 - V3(森見登美彦、万城目学、上田誠)
シャーロックホームズはすでにフリー素材なのである。どんな風に書いてもOK、そう思うと最高な題材なんだろうな。シャーロックホームズの話を、現代版、そしてこの3人の知見を持ってアップデートするという試み。ガチョウの胃袋に宝石が入ってました、みたいな知った話もあり、謎解きよりも、テイストを楽しむ。「赤毛連盟」を「禿頭俱楽部」に万城目学が変えたのが、日本的で面白い。赤毛ってイギリスでは、蔑まれているそうで、「そういえばウィーズリー家って、、、」とここで繋がった。 - ザ・エッセイ万博(万城目学)
さすがに面白い。面白い小説を書く作家は、エッセイも面白い。特にユーモアのあるキャラが多数出てくる作家ならなおさら。基本は穏やかな語り口だし寛容なのだけれど、大阪万博は突き放したような捉え方をしているあたりがドライ。この人にしか書けないんだろうな、と思わされる。そして小説のコミケに参加した話が個人的にはとても好き。自分で作った本を売る。書いた文章が金を生み、誰かの人生に影響を与えると考えると、マネしたくなる。 - イクサガミ 天(今村省吾)
来た、完結だ、これ。最後まで読むと、「まぁ最後はこう終わるしかないよな」という感じ。ラストのラストはちょっと事務的だけど、この本の面白さはそこではない。ここに至るまでの駆け引きやバトル描写がとにかく最高。最後は強者だけが残り、徐々に脱落していく様が痛快。マジでバトル漫画の世界観。とあるキャラが、一時的に肉体がフルスロットルになるものの、後で絶命しますな技を使い、「八門遁甲やないか!」と思うも、時代劇に現代の漫画の要素を入れるのは発明すぎる。 - アッシュベイビー(金原ひとみ)
初期。ザ初期の金原ひとみって感じ。世界を歪に捉えていて、まだ信用していない感じ。パンクバンドの二枚目のアルバムのような勢い。主人公は自堕落で、淫らで、性格が悪いクソ女。というかマトモな人間は皆無。しかしやっぱり最後まで読んでしまう。小児性愛者のキャラクターの心情は理解できないけれど、既存の枠組みでは生きれないということのメタファーだと思うと、途端に悲しくなる。ホップ、ステップ、絶望。最高。 - 東大生はなぜコンサルを目指すのか(レジ―)
個人のキャリア感に大きな影響を与える可能性を秘めた一冊。自分も耳が痛い。コンサルに入るのは「成長」するため、いずれ転職することを視野に入れてつぶしのきくスキルを得るため、はい分かった、じゃあなんで成長したいの?成長して何がしたいの?、いやそこまでは、みたいな感じ。手段と目的を混同してはダメ。まずは本当に自分の目指すゴールを見つけることが大事。 - ババヤガの夜(王谷晶)
とにかく評価が高い作品、ダガー賞も受賞したとか。英国推理作家協会の犯罪小説に贈る賞らしい。推理では全くないけど、間違いなく犯罪小説ではある。タランティーノとか、一昔前の韓国ノワール映画みたいな雰囲気。ただ悪役の男性がさすがに昔だろとか、女性のポジションが古すぎと思ったけど、後半におっという仕掛けがあって、自分が作者の掌の上だったと気付かされる。戦闘シーンも迫力はあるけど、最大の魅力は他にもあったんだなってところ。 - ミハルの戦場(1)
裏マンで作者の執筆の様子を見て購入。絵も上手いし、話も面白い。絵の構図が上手いんだと思う。フルメタルジャケットから綿々と続く、女の子が凄腕スナイパーもの。その成長過程がアガる。「東大生はなぜコンサルを目指すのか」で、何のための成長なのかが争点になっていたけど、これは生き残るために成長をしている。的を狙うシーンなどもめちゃくちゃぽいし、ゴルフの芝を読むのもっとエグい版。いそうだけど、意外と見たことのないキャラクター像で、続きが気になる。 - ザ・バンド(2)(ハロルド作石)
待望の第二巻。主人公が名うてのバンドに加入するというのがBECKっぽいけど、残るメンバーの二人が女性というのが、今っぽくて良い。頼りない主人公が、たくましき女性に引っ張り上げられる様は、RINを思い出す。ブルージャイアント好きなんだけど、また違うベクトルで光っているマンガ。まだ音楽は手段であって目的じゃない段階。音楽で人間関係を広げ、自己実現する過程が眩しい。 - 芥の死に際(4)
最近で一番発売が待ち遠しいマンガ。小説家になった主人公、実際の出版業界ってこんな感じなのかなという希望と息苦しさ。10のうち7だけ伝えて、あとは読者の想像力に委ねるというのが、なるほどって感じ。ライバルも嫌味な奴かと思ったけど、脆い一面もあり、最後には味方になってくれるシーンもあり、王道の漫画の展開っぽい。黒田が書くなら、俺も書く。 - ザ・万歩計
万城目学のエッセイ。面白い小説を書く人は、文章までもが面白い。自分の思い出や経験を、文字にして、メイクマネーをする。憧れる。 - 腹を空かせた勇者ども(金原ひとみ)
金原ひとみの作品の中でも、かなり読みやすい。緩いノリ、女子高生特有のけだるい感じ、母親のエキセントリックさ、そして主人公の成長。心地良いし、この世界観に浸っていたくなる。今月も小説を書いたけど、かなり文体やセリフ回しで影響を受けた気がする。主人公の自己内省が、いちいち可愛い。容姿に関する描写はなくとも、きっと可愛い女の子なんだろうなと想像してしまうあたり、金原ひとみ力。
芥川賞、太宰賞、受賞者はなし。文学賞というのは読めない。
読んだ本は全て面白かった。「高配当株投資入門」を読んで、エディオンの株を買った。JTの株も値下がりしたら買おうと思う。
ロジクールのトラックボールのマウスをずっと使っているんだけど、定期的に壊れるので、エディオンの優待券で今後は安く書いたい。
面白かった表現まとめ
- (美味しい店で)国連のGサミットのホストが日本なら、ここで開催したい
- アインシュタインすら舌を巻く
- ラップは歌い方、HIPHOPは戦い方
- バレて困るのがパクリ、バレなきゃ困るのがパロディ
- 濁音を多く含んだ叫び声
- 面妖・・・不思議なこと、妖しいこと
- 那須与一は、11男、余り一で、与一
- 不即不離・・・付きも離れもしない関係を保つこと
- 本を読まないとは、その人が孤独ではないという証拠である
太宰治の言葉 - ほーほけきょとなぐウグイスはオス、ウグイス嬢は誤り
- 第二次世界大戦において、アメリカ兵の8割近くが一発も撃てなかった
- 映画「シド・アンド・ナンシー」のキャッチコピーは「墓場でディープキス」
- 異論、反論、オブジェクション
- 言葉を選ぶのが知性なら、選ばない言葉を決めるのは品性
- (すごい偉業を達成した人に)感謝しろよ、いろんな人に
- マイケルジャクソンのスムースクリミナルより前のめり
- ドライフラワー、尾崎豊
万城目学の小説やエッセイを読んで、そこからのメモが多い。
面白かったエンタメ
- 39歳
韓国旅行に行くことになり、なんか良いドラマないかと思い鑑賞。とある人物が亡くなるというのが初期に分かり、そこに向かって残りの時間を過ごすというテイスト。主役の女優を見ると、どうしてもユン・セリがちらつく。39歳だけど、乙女な部分が残っているシスターフッドもので、若い頃の思い出と現代が切り替わるのはベタだけどあがる。人生は最後にどれだけ悲しんでくれる人がいるかによるよなって感じた。とりあえずめっちゃベンツが出てくる。
初めて経験したこと
無料でできる体験というのも世の中には数多い。ただ安かろう悪かろうというのも事実で、無料できる経験には上限がある気がする。
もちろん強いコネクションがあって便宜を図ってもらえるとか、株主優待持っていますとかはなし。テーマパークはお金がかかる。
飲食店でも、料金を払う。入場料や、チャージ料などもかかるような店だってある。自己完結したり、創作活動でもないもので、0円で楽しめるもの、その上限を今回更新した。
今までの頂点はなんだったか、海外に旅行に行ったときに見た、路上のパフォーマーのダンスとかだったか。とはいえ、終わった後にお金を求められたけど。
Zeebra、Mummy-D。無料。嘘みたいだろ、無料なんだぜ。場所は名古屋の久屋大通、ジムビームプレゼンツのイベント。レッドブルしかり、ジムビームしかり、イカした飲料ブランドは、こういうイベントをしがち。
全部で三日程やっていたみたいで、一日7,000杯とか、ハイボールが売れたらしい。一杯いくらかチェックしてないけど、800円くらいだとすると、560万円。かなりまとまった売上。
入場料無料のイベントなんだけど、こういうところで利益を出し、ギャラを払ってるんだろう。DJ HASEBE feat Zeebraという形でのライブだった。まずは「真っ昼間」から始まり、Zeebraが入ってくる。観客層は分からず。
しかしそれなりに理解はある感じで、盛り上がる。MCを挟みつつ、Zeebraのライブというよりも、日本語ラップをメインに流すDJタイムに入ってきた感じ。ソウルスクリームの「蝶と蜂」も久々に聞いた。ぶんぶんぱ。
ストドリなどの定番曲もしてくれる。なんやかんやライムスターのBBOYイズムがめちゃくちゃ盛り上がる。
後々Mummy-Dのライブで、「昨日おれらがライブでやった時よりも盛り上がっていた」と語っていた。ラパルフェのニューヨークのネタが本家を上回っている感じに近い。「証言」もフル尺で聞けた。
このライブが1時間15分程度。そこから15分空いてから、Mummy-Dのライブが45分くらい。この間に自販機でアクエリアスを買う。二台しかない自販機なのに売り切れていない。みんなハイボールを買ってるんだろう。
金持ちだな。結局使ったのは、このアクエリアス代170円くらい。安上がりすぎる。
Mummy-Dはベテランではあるものの、ソロデビューとしては新人です、みたいな特殊な立ち位置。ソロ曲はあまり押さえれていなかったけど、初見でも盛り上がれる。さすが。
途中でイーライワンも参加し、「国産」をやってくれた。この曲を聞いてから、国産商品、メイドインジャパンの魅力を再確認した。ありがとう。イーライワンは髪の毛がパーマのロン毛、一癖あるサングラスで、キアヌ・リーヴスっぽい感じ。
最後にZeebraも参加し、ONCE AGAINとMASTERMINDをやってくれた。「ONCE AGAINの歌詞覚えてなかったから、ググった」とZeebraが語る。ラッパーってこういうところ難しいと思う。
好きな曲はあるものの、歌詞を見ないで歌い切れる曲って、本当に数曲あるかないか。ラップの歌詞を覚えるのは受験勉強のような敬虔さが求められる。
夜になるとかなり涼しく、風も出てくる。「風はまた吹く」という歌詞をうたったタイミングで、瞬間最大風速が重なるあたり、やっぱスターだなって感じ。
「Jay-Zは一歳上、Qティップは同い年、50代後半以降のラッパーのキャリアの歩み方が分からん」とMummy-Dが語っていて、第一人者は第一人者なりの苦労があるんだなと思う。
先行者利益とも言えるけど、先頭をひた走る、そんな男もまた辛いのだ。
その他
お盆に東京旅行へ行った。
上高地へ行く予定が、凄まじい雨が降り断念。名古屋でレンタカーを借り、意気揚々と岐阜県をひた走る。しかし雨脚が強くなり、高速道路が閉鎖。下道を攻めるも、次々に道が閉鎖されていく。
グーグルマップをにらみ、あそこの角を右だ、うわ通行止め、ではさっきの道を左だ、ここもかい、そんなことを繰り返す。グーグルマップって基本は即時反映だと思うんだけど、さすがに閉鎖した直後の反映はない。
革命はテレビに映らない、急な道路閉鎖はグーグルマップに映らない。株は握力が大事で、すぐに損切りしない。
ガチホガチ勢、長期運用こそ尊ばれるべき。しかしここは損切り一択ってことで、諦めホテルにキャンセルの連絡をして、名古屋に戻る。全然関係ないけど、ガチホって、ちょっと淫靡な響きがするよね。
ほぼ始発で家を出る。名古屋に行く、レンタカーに乗る。頑張る。報われない頑張りがあると知る。名古屋に戻る。昼飯を食べる。
この時点で時刻は夕方近く。朝に名古屋に着いたのは8時台。一見ムダに見える部分も人生のスパイスだと信じたい。
もともと取っていたホテルはキャンセルしたので、久屋大通近くのアパホテルに泊まることに。とはいえ、名古屋をウロウロする時間帯には雨も止んでいて、散策をして食事をして、風呂に入る。
アパホテルのテレビを検索していると、バイきんぐのコントライブの動画を見つけて、それを観る。これがなかなかどうして面白い。
次の日に東京へ移動する。下北沢へ行き、ヴィレヴァンに寄る。金原ひとみと芥川を買う。
その日は伊藤潤二のうずまきのTシャツを着ていて、数日前にUNIQLOでベルセルクのTシャツを買っていた。ヴィレヴァンにも、伊藤潤二のTシャツと、ベルセルクのTシャツが売られている。
全く別物だけど、チョイスは同じで「俺ってめちゃくちゃヴィレヴァン脳じゃん」と驚く。ベルセルクのTシャツは6,000円強で売られていて、ファーストリテイリングってすごいなぁと改めて実感。
そこから渋谷へ移動。翌日は新宿に行くので、初恋キラースタンプラリーは達成。渋谷の後は原宿と表参道へ向かう。
東京に住んでいたのは5年前。代官山の蔦屋書店は憩いの場所だったし、中目黒の道なりも歩いていて楽しかった。
秋葉原でガシャポンで遊んでいたこともあったし、飲んだ機会は錦糸町が一番多かった。銀座に職場があったので、買えもしないのに、百貨店に足を運んでいた。
しかし結局自分の中で、東京と言えば、渋谷、原宿、表参道なのだ。ここを歩く道中こそが、自分にとっての東京だった。
「東京観光に行きたいな」という僕の思いは、イコール「渋谷に行きたい。パルコ、宮下公園に行きたい。原宿まで歩きたい。裏原宿の店に行きたい。表参道ヒルズに行って、Y-3を見たい。」ということになる。
色々なお店に入ったけど、結局買ったのは、ひとつだけ。ニューエラのキャップ。水色。ニューヨークヤンキースのロゴは、当時のティファニーのデザイナーが作ったものらしい。そう思うと4,000円ちょいで買えるのはリーズナブルな気がする。
渋谷・原宿・表参道でしか買えないものはない。正確に言えば、あると思うんだけれど、僕が買おうと思う範囲にはない。買うものは他のどこでも買えるもの。しかしどうせ買うんだったら、この聖地が良い。
翌日は新宿に行く。新宿御苑。暑い。曇っていたけれど、十分暑い。東京はなんでもかんでも高いと思っていたけれど、入園料の500円は良心的。年間パスも数千円だったので、近所に住んでいたら、絶対に買っていると思う。
東京の自然は人工的でそこまで好きになれないけど、ここは特別だと思う。計算が行き届いていて、東京の中にこれだけの面積で自然があるというのが、ミスマッチな気がして面白い。
ニューヨークのセントラルパークみたいなもので、都会の超一等地にありったけの自然があると普通の自然よりも断然ありがたみが増す。
そこから東京都現代美術館へ行ってから帰宅。清澄白河駅から遠い。
この日の白眉は、結果発表。なんの?すばる文学賞の。今年の3月末が申込期限で、3作品を応募していた。応募の中から、1割に絞り込むという一次選考。
その結果が8月の雑誌面で発表されていることを不意に思い出し、新宿の紀伊国屋書店に寄り、結果を確認。
しかし通過せず。ふざけるな、俺が一番面白いんじゃい。そんなM-1のオープニングみたいな精神でいたんだけれど、こればっかりは仕方ない。もっと書くしかない。
捉えようによっては面白いと言えるかも。一生一次選考で落ちるかもしれないし、どこかで受賞する機会があるかもしれない。一生挑戦できるフィールドなのかもしれない。
本の売り上げは落ちている。全国的に書店の数も減っている。しかし文学賞への応募数は増えているそうだ。バグと言えばバグなのかもしれない。
しかし書く楽しさに気づいてしまった人がそれだけいるんだろう。結局のところ、物を書くという以上の娯楽を、僕は知らない。
酒を飲むより、文章を書く方が面白い。高い買い物をするより、面白い文章をスピットする方が興奮する。
今年に入って、8か月間が終わった。30~35万文字くらい小説を書いた。脳みそは熱を帯びていて、真っ赤っか、アドレナリンで漬けられている。まだまだ書けるし、まだまだ書く。
