会社員コルレオーネBLOG

日本語ラップに人生を狂わされた意識高い系のサラリーマン

日本語ラップの楽しみ方徹底解説!聴かず嫌いの人、これから聴きたい人達に捧ぐ!

日本語ラップは、音楽ジャンルで最も面白い!
より正確に言うならば、「日本語を用いる音楽の中で1番面白い」。ここまで、奥行きがあり、カルチャーがあり、掘り下げ要素がある音楽ジャンルはないでしょう。

しかし、この究極のエンターテイメントを聴いていない方があまりに多い。

 

勿体ない!! 


考えたのですが、楽しみ方を知らない方が多いだけかもと。ならば共有したい!この記事では、「大喜利」「耳触り」「自己肯定」という3つの視点からそのエンタメ性を語っていきます!

 

日本語ラップってダサくない?
日本語ラップ興味あるんだけど、どう楽しむの?
こんな人は読んで下さい!!

 

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日本語ラップは早く聴き出した方が良い

大学の教授が何かの授業中に言っていました。その教授は非常にマンガやアニメが好きな人。僕は工学部だったので、よくある話でこういうタイプは多いのです、僕もマンガ大好きです。

 

しかし、教授集団の中でも、そのタイプの他に、真面目一徹のタイプもいたようです。なんと、その真面目タイプはマンガは全く読んだことがないらしい。ある日、その教授がマンガを貸してあげたそう、そして感想を聞きました。

「面白かったですか?」

「読み方が分からなかったです、なぜ同じ見開きのページに同じ人が何人もいるんですか?」

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「あれ、このフリーザって人3人いるの?」的な・・・笑


何が言いたいかというと、新しいものを吸収するなら早いうちがいいということ。ある程度人生が進むと、もう吸収できなくなる様です。

 

なので、日本語ラップは今聴き始めた方が良い。あとあと聴き始めるよりも抵抗なくスタートできるはず。

 

日本語ラップは様々な楽しみ方がありますが、今回は敢えて「大喜利」、「耳触り」、「自己肯定」という3本の軸で話を進めます。取っ付きづらいって人に向けて、「あれ、面白そうじゃん」ってなってもらえる様にした次第です。聴き始めると、もっと色々な切り口が見えてくることはお約束します。

ラップは「大喜利」である!

ラップはお笑いと一緒で「上手いこと」言うのがかっこいい世界。それも条件付きの状況で。
どんな条件かと言うと、「小節に収まること」「韻を踏んでいること」

 

ラップは基本的に、かかってるビートに音を載せていきます。基本的には、16文字前後で一区切り。(もちろんあえていっぱい言葉を詰めたり、逆にスカスカにするみたいなのもあります)16文字前後の言葉をつないでいくわけですが、話に流れがないといけないし、なおかつ終わりの部分で韻を踏んでいないといけない。

 

リリックの書き方に関しては、以下記事をご確認ください!

www.bit-corleone.com

 

 

この条件を満たし、上手いこと言わないといけないという「大喜利」なわけです。
例えば、般若、SHINGO★西成、ZORNの「最ッ低のMC」という曲があります。この曲のテーマは「人間としては最低だけど、ラップをさせれば凄いぜ」というもの。

 

MAX

MAX

 

 

この曲の聴き所は、自分がいかにダメダメかということを面白おかしく言うところ。
SHINGO★西成はこう始めます。

俺も言わずと知れた最低のMC

さて、ここに何が続くか。
条件は、「話のつながり(自分がダメダメなところを言う)」「韻を踏む」という2つ。


考えてみてください。シンキングタイムです。
何て答えれば、上手くハマるでしょうか?

 

 

 

 

 

答えは、

まるで気の抜けたコーラかペプシ

 

 

確かに!気が抜けてるコーラとペプシは誰が考えてもダメダメですよね。
「えむしー(emushi)」「ペプシ(pepushi)」で韻も踏んでいます。お見事!


続いて、ZORNです。

俺も言わずと知れた最低のMC
前世は毛虫それかナメクジ
生きててソーリー ライムで料理

 とくるわけです。
さて、この続きは何が来るでしょう??


自分のダメさを表現しないといけないわけですね。ここに続くリリック(歌詞)が面白い、予想もしない角度から来ます。

 

答えは、

金正日と同じ誕生日

 

どうですか???
最高じゃないですか!!笑
人間性には触れていないのに、「金正日と誕生日が一緒です。」ってすごいダメな感じしませんか??笑
しかも韻もちゃんと踏んでいるわけです。韻踏んでいるってピンと来ない場合は、一旦口に出してみて下さい!

 

というわけで、日本語ラップを聴く際は、この様に、次にどんな表現が来るんだと待ち構えながら聞く。そうすると、一本取られて楽しめること請け合いです。

ラップは「耳触り」である!

ラップは聞いていて気持ちが良い、耳が気持ちいいですし、リリックを見ながら試しに声に出してみると口が気持ち良い。本能に訴えかけるリズム感と言えるかもしれません。

 

人間は本能的に、響きが似た言葉を聞くと気持ちが良いと感じる生き物。(持論)
ラップを聴く際に、注意してみると実に耳障りがいい。

 

例えば、僕がラップ聴き始めた初期にすごく好きになったこのフレーズ。
ライムスターの「K.U.F.U」という曲で宇多丸のリリックです。

 

天賦の才能を弱者代表が打ち負かして格差解消

 

声に出してみてください、すごい口が喜ぶから。笑

 

他にも、ICE BAHNのLEGACYという曲。フリースタイルダンジョンでモンスターFORKの入場曲でもあります。この曲はICE BAHNが5年ぶりに出したアルバムの先行シングル。

音楽を作り、リスナーのもとに届けることについて歌った箇所がコレ!!

発想の根本は興奮がコア
梱包し、発送し、オープンザドア

 

意味も通ってるし、耳触りが抜群に良い!!
大喜利に耳触りがくっついてきた感じですね。

 

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 2分10秒くらいから見てもられえれば!

 

ラッパ我リヤの山田マンは、最新アルバム「ULTRA HARD」の「My Way」という曲でかっこいいフレーズを放っています。

ULTRA HARD(DVD付)

ULTRA HARD(DVD付)

  • アーティスト:ラッパ我リヤ
  • 出版社/メーカー: SMM itaku (music)
  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: CD
 

 

活動25周年ということについて、歌った部分です。声に出してみて下さい、口が気持ちいい!

四半世紀やってる怪物がいる
ILL(イル)なバイブスなライフスタイル

 

そして、この「The Skilled」という曲でも、気持ちいいフレーズが連発されています。

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「もっともっと韻を踏むことにこだわっていこうぜ!」というコンセプトの曲。ここで、僕の最も耳が喜んだフレーズはKICK THE CAN CREWのLITTLEのもの。(1分8秒かな)

人類はもっともっと踏んでいいのさ
踏むと踏まんとじゃ雲泥の差

 

ラップは「自己肯定」である!

そして、ある意味ここがキモ!僕が「HIP HOPというジャンルの最も大きな魅力は?」と質問されたら、「自己肯定です!」と即答してしまうくらい。

 

HIP HOP(ラップもこの中に含まれます)という文化の前提としてあるのが「自分はクールだ」という自負心。ラッパーで育ちが悪かったり、不良が多いのもこのスタンス故です。(最近は、不良の割合も減ってきていますが)

 

不遇な家庭環境で育って、ここまで生きてきた

クールやん!!!

 

昔はこんなに悪いことをして、今でもこうやって生きている

クールやん!!!

 

いじめられてたけど、今はラップして生きている

クールやん!!!

 

人に言える程のトラウマはない、でも好きだからラップしている

クールやん!!!

 

つまり、どんな生い立ちでも、どんな環境でもOKなのです。その人の人生を、韻を踏んで上手いこと言ってしまえばそれだけでクールなのです!

 

ただ、一つだけ絶対に破ってはいけないルールがあります。それは「リアルである」ということ。人の経験や、受け売りではダメです。自分が経験してきたこと、見てきたもの、感じたこと、トラウマだったこと、こういった事じゃないとダメです。自分の内面から出てくるシーンしか描写してはいけないのです。

 

そして、これはほぼ確実に言えます。ラッパーで自分がこれまでどう生きてきたか、どうやってラップに出会ったかについて曲中で触れていない人はいない!

 

もともとラップでは、「ボースティング」ってものがあります。自分のスゴさをPRするというもの、平たく言えば自慢なわけです。つまり、もともと自分の自慢をするのが正義って価値観の中で、これまでの困難なことを威張ってしまってOKということ!

 

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理由 SPECIAL EDITION

理由 SPECIAL EDITION

 

 

K DUB SHINEの「理由」というアルバムがあるのですが、正にこれは「自己肯定」の傑作!!!

 

「オレはオレ」という曲の中で、名フレーズを言っています、この言葉に救われる場面は何度もあった。

 

自分が自分であることを誇る
そういうやつが最後に残る

 

このアルバムの他の曲「理由」でも、病弱だった少年時代をラップに昇華しています。すごい、イメージが目に浮かぶ。

 

小さな体に抱えてた爆弾
やりたいことだってあるまだ沢山
手術の費用も確か何百万
すぐ答えだすには きつい 若干
医者も言う きっと体力的に無理
でまた三日ぶり
腕にアルコール塗り
血液検査とあとレントゲン
使いまくる国民健康保険

 

自分の恨みたい様な過去も赤裸々に語るからこそ出るかっこよさ!自分のことを自分で受け止めることが、この音楽ジャンルの大きな魅力です!

 

そして、「自己肯定」という切り口で、もう一人触れておきたいのはANARCHY(アナーキー)。

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京都の向島という団地出身で、今では日本のラップスターとしての地位を確立しています。しかし、デビュー当初は自分の生い立ちを赤裸々につづったリリックが心を刺してくるんだな、これが。

 

僕が一番衝撃的だったのは、「Fate」という曲のもの。自分の貧しかった家庭環境をこう表現しています。

晩飯はばーちゃんの生活保護
あの国と比べたら贅沢な方

 

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2分30くらいかな、この曲は日本語でラップをすると言う意味で、一つの頂点にある曲。是非聴いてみて下さい!

 

他にも、「growth」という曲。どう生まれて、どのようにラッパーになったかを曲にしています。もともと暴走族で、18歳の時に世にも珍しい「決闘罪」で逮捕されたアナーキー。その過去をこのように表現しています。

14,15,16,17で止まる足取り
空白の18 目の前は真っ暗
濡らす枕 後どんだけの暮らしが
薄暗い部屋の単独の独房
読書黙想か想像で独走

 

今の日本の音楽シーンを考えてみて下さい。「生活保護」とか「独房」なんてワード出てこないっすよ!笑世の中にあるのに、触れられていない部分まで描写する、これもエンタメです。 

まとめ

これから聴くぜって方は、是非「大喜利」「耳触り」「自己肯定」という3つを意識して下さい。そして、聴き出す様になるとそのうちに「あれ、これ以外にも魅力いっぱいあるじゃん!!」ってなりますから。

 

 参考文献としては、この本。これから日本語ラップを聴く人、偏見を持っている方には是非読んで頂きたい。

このマンガがすごい! comics 日ポン語ラップの美ー子ちゃん (このマンガがすごい!Comics)

このマンガがすごい! comics 日ポン語ラップの美ー子ちゃん (このマンガがすごい!Comics)

  • 作者:服部 昇大
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: 単行本
 

 

「じゃあ何を聴けば良いの?」って方は、以下のまとめ記事を読んでみて下さい。僕の書いたヒップホップ記事をまとめたものです!

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決して譲れないぜこの美学
ジャップのラップ今こそBig Up!

 

ではでは!